1. 【書き起こし】NASA緊急記者会見。「第2の地球」の可能性について専門家5人がコメント

【書き起こし】NASA緊急記者会見。「第2の地球」の可能性について専門家5人がコメント

出典:www.nasa.gov
 日本時間2月23日の午前3時、NASAは緊急記者会見を行った。この緊急記者会見は、22日に予告されて、気になる内容は特に明記されておらず、人々は様々な予想を立てたのである。

 さて、気になる発表の内容だが、地球から39光年先の恒星トラピスト1の周りに、我々の住む地球に類似するものが7つ見つかった、ということだ。その概要はこちらである。

 この記者会見には、米ワシントンのNASA科学ミッション本部副長官トーマス・ザーブチェン氏、ベルギーのリエージュ大学の天文学者マイケル・ジロン氏、米カリフォルニア、パサデナのNASA科学センターIPAC/Caltechのマネージャー、ショーン・ケリー氏、マサチューセッツ工科大学の宇宙科学と惑星物理学の教授であるサラ・シーガー氏、米メリーランド、ボルチモアの宇宙望遠鏡科学研究所の天文学者であるニコル・ルイス氏が出席した。

 以下がNASAによる緊急記者会見の要約、および書き起こしである。

2つ目の地球が見つかるのは、『かも』ではなく『いつ』の問題

トーマス・ザーブチェン氏による発表

 先ず、司会者はトーマス・ザーブチェン氏に発表の内容を聞いた。

「私が科学ミッション本部補佐官になってから五か月で、本日、我々がNASAでする研究に対して畏敬の念を抱いています。我々は人々の人生を毎日変えて、我々が知る宇宙を拡大しています。我々は想像力を広げ、日々人々を影響している

 彼はマイケル・ジロン教授と彼のチームがNASAのスピッツァー宇宙望遠鏡を用いて、約40光年先の恒星トラピスト1を周回している7つの地球サイズの惑星を発見したことを発表した。
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 また彼によると、上の図のe、f、gの惑星は水が表面に溜まることが可能である、「ハビタブル(生命の棲息可能な)ゾーン」であり、大気条件によっては、この中のどの惑星にも水が存在することが可能であるらしい。

「我々は初めて、1つの恒星を周る地球型惑星をこんなにも観測し、質量と半径を計測出来ました。これらの惑星は、我々が知る全ての惑星の中でも一番だ」

 彼は来年発射する、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使って大気や生命の痕跡を探すと言う。

「この発見は2つ目の地球を見つけるのは、『もしも』ではなく『いつ』だと言うことを暗示します。実は、科学者たちは全ての恒星の中でもいくつかそのような惑星はあると考えています。そして、我々が探検できる、生息可能な生態系になりうる惑星がいくつあるか想像できますよね。

 この話の根底にあるのは、多くの哲学者や、我々が1人で考える時に心の内にある質問の1つの、『宇宙で我々は唯一の生命系なのか? 』という問いに対する大きな一歩です」

 ザーブチェン氏はこの発見がこの問いへの大きな前進で、人々がこの発表を聞いていることを喜ばしく思う旨を語った。

発見者、マイケル・ジロン氏

 次に、司会者は発見者であるマイケル・ジロン教授に発見について聞いた。彼は、スピッツァー宇宙望遠鏡と地上望遠鏡を使い、太陽の周りに7つの地球と同じサイズの惑星を見つけたと言う。

 彼によれば、トラピスト1は我々の太陽よりも小く、温度が低い。そのため、そこの惑星はとても太陽に近く、短い軌道に乗っているのだ。

 彼は、下の図のトラピスト1を周回する惑星であり、3つのハビタブルゾーン(緑の部分)にある惑星は、我々の太陽系外の生命体を探す見込みがあると説明する。次に司会者はこれらの惑星について何が言えるか問うた。
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   彼はとても正確にそれらの惑星の大きさがわかっており、スピッツァー宇宙望遠鏡のおかげで、その中の6つの質量の予備実測があると答えた。

「そしてその中の1つに関して言えば、我々の測定は水に富んでいる成分を強く示唆するほど正確にできました。それは、とても楽しみです。なぜなら、それはハビタブルゾーンにある惑星だからです。また、これらの惑星らは接近した周回をしているため、自転と公転が同期しています。つまり、月が地球へそうなのと同じように、恐らく恒星に同じ側面を向けています」

 彼はアニメーションを用いて常に昼側か夜側がある、自転と公転が同期している惑星を紹介する。また、惑星の接近性についても触れた。これらの惑星の表面にいたら、他の星が我々が月を見るのと同じくらい、もしくはそれよりもよく見えることを話す。

NASA科学センターIPAC/Caltechのマネージャー、ショーン・ケリー氏

 次に司会者は、ショーン・ケリー氏にその発見の背景と何故スピッツァー宇宙望遠鏡
が重要な役割をしたか聞いた。

「先ず、個人的に、この発見はスピッツァー宇宙望遠鏡のおよそ14年の運用の中で、最もワクワクしたものです」

 彼によれば、トラピスト1の第一発見は2016年、チリでだった。その直後、彼らは地上望遠鏡と20日間以上のスピッツァー宇宙望遠鏡を使っての観測を始めた。

「トラピスト1は極度な低温矮星で、それは目で確認するよりも、赤外線でのほうが全然明るく見えます。だから、赤外線望遠鏡であるスピッツァー宇宙望遠鏡を、この惑星の追求に使うのは理想的だったのです。

 スピッツァー宇宙望遠鏡は2003年に打ち上げられて、太陽系外惑星の研究をするためのものではなかったのです。そのため、我々はそれが宇宙にあるまま、天文単位分地球から離れているものを工夫して再設計する必要がありました。

 そこまで行くのは不可能だったので、我々はスピッツァー宇宙望遠鏡が当初できると予想していたよりも1,000倍も恒星の明るさを正確に感知できるようにするように、地上から利口なエンジニアリングをしたのです」

 次に、彼はスピッツァー宇宙望遠鏡が、どのようにして惑星の大きさと恒星からの距離などを割り出したか語った。

「惑星たちは近接しており、それらの軌道は重力的に相互作用するように間隔が出来ています。それらは恒星を周りながら、お互いを引っ張り合います。それによって軌道のタイミングがずれます。その重力的相互作用がない場合とある場合の違いを計測することによって、惑星の質量を割り出しました」

 彼によると、その惑星のサイズと質量を使うことによって、密度を推定することもできる。それから、その惑星の構成物がわかって行くそうだ。

天文学者、ニコル・ルイス氏

 司会者は天文学者、ニコル・ルイス氏に「その惑星の大気を研究することとは、どういうことか」という問いを投げかけた。

「大気は、その惑星の形成の進化やそこでの表面や空気で起きている物理過程について多くを教えてくれます。特にその惑星を生息可能にする物理過程や大気です。

 現在ある宇宙基盤の望遠鏡で透過スペクトルという手法を用いて惑星を観察することも出来ます。それは、水、メタン、オゾン、酸素などその惑星の大気にある様々な科学種を検出します。

 我々は現在ハッブル宇宙望遠鏡を使って、トラピスト1にある惑星が水素ヘリウムが主成分の大気を持っているかどうかを調査しております」

 彼女によると、それがそうではないと判明した場合、多くのことがわかる。また、昨年トラピスト1-Bとトラピスト1-Cは水素ヘリウムを主成分としてないことが判明したとのこと。

 司会者は彼女にハビタブルゾーンにある3つの惑星について知っていることを尋ねた。彼女はそれを、タッチパネルで説明を始めた。まず、トラピスト1‐Eについてである。この惑星は、大きさと受ける光において地球との類似性があることを彼女は説明する。

「これは(受ける光が一緒ということは)、トラピスト-Eは地球とかなり近い温度を持つことを指し示します」

 トラピスト1-Fもまた、地球と同じサイズだ。彼女は、その惑星は潜在的に水を富む惑星だと話す。この惑星は、9日の公転周期で、その期間内に火星と同程度の日光を浴びているらしい。

 最後に、トラピスト1-Gはトラピスト1の中で最も大きい惑星で、地球よりも大きいと言う。そして、我々の太陽系にある火星と小惑星帯の間と同程度の恒星の光を受け取っていると彼女は明かす。

 次に、司会者がもしトラピスト1の惑星まで行く技術があるとしたら、どのくらいの時間がかかるか尋ねた。

「もし我々が光速で移動できるなら、もちろん39年で到着することが出来ます。ジェット機のようなものであるならば、遥かに多くの時間がかかります。4400万年くらいです」

 司会者は、ルイス氏に感謝し、マサチューセッツ工科大学の宇宙科学と惑星物理学の教授であるサラ・シーガー氏に移った。

サラ・シーガー氏によるコメント

 まず、シーガー氏は何故この発見が科学界隈のものに喜ばれているか尋ねられた。

「この発見によって、我々は生息可能な惑星と地球外の惑星の探求について、大きく促進した一歩を取りました。なぜなら、たった1つではなく、いくつかの惑星があることによって、もしハビタブルゾーンが誤っていたり、何を探せばいいか確かではなかったとしても、多くのチャンスがあるからです」

 次に、彼女はトラピスト1について現在知っていることは少ないため、想像で推察していることを言う。彼女はNASAによる、以下の観光ポスターを紹介した。
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 彼女によると、この観光ポスターはトラピスト1の惑星からで、他の惑星が見えるというを科学的に正確な描写を含まれているという。また、彼女は更なる生息可能である惑星があることを示唆した。

 次に、司会者はトラピスト1をより深く学ぶために、天文学者は何をしているか尋ねた。まず、シーガー氏は、マイケル・ジロン氏と彼のチームは望遠鏡を更に立ち上げて、その恒星付近の1,000個の極度に低温な矮星を探すことを語る。そして、彼女は望遠鏡について補足した。

 また、2018年に打ち上げられるジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使って大気や温室効果ガス、気体について研究ができるという。

 最後に、司会者はザーブチェン氏に締めくくりをお願いし、この緊急記者会見はQ&Aに移った。

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