HOMEビジネス 話題になった「口が悪い人ほど正直者」は本当なのか? ケンブリッジ大学の研究結果を考察

話題になった「口が悪い人ほど正直者」は本当なのか? ケンブリッジ大学の研究結果を考察

Rikaco Miyazaki

2017/02/01(最終更新日:2017/02/01)


このエントリーをはてなブックマークに追加

話題になった「口が悪い人ほど正直者」は本当なのか? ケンブリッジ大学の研究結果を考察 1番目の画像
 読者の会社には、言葉遣いが荒い上司はいるだろうか? 海外のドラマや映画で耳にする「f_ck」や「sh_t」といったスラングは、あまり良い言葉ではない。筆者が好きな海外ドラマでも「bull s_it」というスラングが多用されていた。

 そんなスラングの使用頻度と「嘘つき」の関係性についての研究結果をケンブリッジ大学が発表した。本記事では、その研究結果を紹介していきたい。

何故「口が悪い人」が素直なのか?

 そもそも口が悪い人ほど正直者、という研究結果に至った経緯は何なのだろうか? ケンブリッジ大学の実験から結果に至るまでを見ていこう。

「正直者」の裏付けは“ウソ発見器”

話題になった「口が悪い人ほど正直者」は本当なのか? ケンブリッジ大学の研究結果を考察 2番目の画像
 二段階に分けて行われた実験。一段階目では、276人の被験者に「自分の好きなスラング」「普段もっともよく使うスラング」などを、その理由とともに質問。その後、被験者の回答が本当であるか確かめるために“ウソ発見器”を使用した。

 アンケートなどに回答する場合、自分を「社会的に正しい人間像」に仕立て上げることがしばしばある。今回の研究は「スラング」に関するもの。社会的に「良い言葉」ではないので、実生活におけるスラングの使用頻度や種類を正確に答える人は少ないという前提を置いたのだ。

 気になる一段階目の結果では、使用するスラングの単語数や使用頻度を少なく申告していた被験者の方が、質問に対してウソの回答をしていたことが判明した。

7万5,000人に同様の実験を行なった結果は?

 二段階目の実験では、Facebookを活用。被験者の母数を7万5,000人まで増やして、一段階目と同様の手法で実験を行った。

 結果は一段階目と同じく、「日常的にスラングを使うことは少ない」と申告した被験者の方が虚偽の回答をする傾向が見られたようだ。

言葉にフィルターをかけていないからこその「本心」

話題になった「口が悪い人ほど正直者」は本当なのか? ケンブリッジ大学の研究結果を考察 3番目の画像
 今回の実験を行なったディヴィッド・スティルウェル博士はケンブリッジ大学のHPにて、以下のように語っている。

 「言葉で悪態をつくのは良いことではないが、それは正直な意見を伝えているという証拠でもある。自分の言葉をフィルターかけずに発しているのと同じように、第三者を気遣って自分の本心とかけ離れた意見を伝えることには興味がない」。


 以上、ケンブリッジ大学の研究結果について紹介した。日本ではスラングを普段から使う人は少ないとは思うが、辛辣な意見や厳しいことを言う人は周りに1人はいるはず。そのような人たちは、自分の言葉をフィルターにかけず発しているため「正直」が過ぎているのだ。

 人を気遣うことも大切だが、「本心」を普段から見せるのも信頼関係を築くためには重要なこと。読者には「本心」を柔らかな言葉で、相手に伝えられるビジネスパーソンを目指してほしい。

hatenaはてブ


この記事の関連キーワード