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「ICT教育」を考える:Apple銀座で開催されたワークショップ「Field Trip」に密着

井上 晃

2017/01/27(最終更新日:2017/01/27)


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  「ICT」というキーワードをご存知だろうか。これは「Information and Communication Technology」の略で、日本語では「情報通信技術」と訳されている。「IT」が技術そのものを指すことが多いのに対し、「ICT」は“いかに情報技術を活用するか”という応用的な意味合いで用いられる傾向がある。わかりやすいところで言えば、教育や医療、介護、福祉などでデジタル機器を活用する事例をイメージしやすい。

 中でも、ICTツールを利活用する学校教育は「フューチャースクール」と称され、新しい学習方法として、そして児童の集中力を増すとして注目される。今回は、Appleが学生向けに開催するワークショップ「Field Trip(フィールドトリップ)」を取材する機会を得たので、その概要を紹介したい。

小学6年生が課外授業でApple銀座へ

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 1月25日、Apple銀座の3階にあるシアターに茨城県古河市上大野小学校の6年生19人が訪れ、課外授業を行った。

 参加したField Tripの内容は「iPadを活用してことわざをテーマにした動画を撮影・編集する」というものだ。
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  古河市はICT教育に注力していることで知られている。同校はiPad活用のモデル校。日頃の授業や課外活動でもiPadを用いているという。

 今回のワークショップでも小学生が学校から貸与された端末を持参していた。彼らが使うiPadはLTE対応のWi-Fi + Cellularモデル。肩掛けのストラップとハンドベルトも標準装備されており、手の小さい子どもでも扱いやすそうだった。
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 引率は、薄井直之(うすいなおゆき)先生。上大野小学校でICTエバンジェリストとしての肩書も持つ。

 iPadは、普段の授業や修学旅行でも大活躍だという。

課題は大きく分けて「撮影」と「編集」の2つ

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 ワークショップの課題は大きく2つ、動画素材の撮影と編集だ。それぞれの冒頭にAppleのスタッフによる基本操作や課題のポイントが解説される。

 そして、そのあとに実際に製作する時間が設けられる。子ども達は班に分かれ、恥じらいつつ、笑顔を見せつつ、課題に挑む。もちろん時間制限があるので、のんびりしている暇はない。

教わったポイントを抑えて何度も撮影を試みる

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画面に文字を表示させて、撮影を試みる班もいた

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素材を撮影したらiMovieで編集する

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――どう?難しい?

 筆者の問いかけに対し、iMovieで動画を編集している児童からは次のような答えが返ってきた。

――編集は普段からやっているからどうってことないよ。

 まさに「デジタルネイティブ」という言葉がピッタリである。iPad自体の扱いはこなれたものだ。

 一方で、「どんなことが難しい?」という問いかけに対しては、「撮影時に笑って手が震えてしまうこと」や、「演技自体が難しいこと」、「音が綺麗に録音できなかったこと」など、コンテンツ製作自体の難しさを実感する声が多かった。

管制した作品はみんなの前で上映

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 約1時間後には、1分程度のムービーが完成。班ごとに作品を発表する時間が設けられた。

 「残り物には福がある」「楽は苦の種、苦は楽の種」など、ことわざを解説するユニークな動画が上映される。児童たちは緊張しつつも、明るい笑い声を響かせた。

最後には修了証が渡される

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  幼い頃より様々なデジタル機器に触れている彼らは、ICTツールに対する適応力が高い。

 今回、短時間で行ったiPadによる動画編集の経験も、きっとすぐに彼らの身になり、今後の活動に活かされていくのだろう。

Field Tripとは

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 今回取材したAppleの「Field Trip」は、年間を通じてApple Storeで開催されている。

 銀座、仙台一番町、名古屋栄、心斎橋、渋谷、表参道、福岡天神など近くのApple Storeに申し込める仕組みだ。幼稚園から高校までの生徒が対象となっており、定員は最大25名。先生と一緒に参加して60~90分間のプログラムを受講できる。

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