1. 自分の働き方を考える:「働き方の選択」「新しい働く環境」を提供する国内企業の取り組み

自分の働き方を考える:「働き方の選択」「新しい働く環境」を提供する国内企業の取り組み

 近年、企業の労働環境が問題視される中、企業は改善にどのような取り組みをしているのか。さまざまなものが“選択”できる時代現代、私たちの働き方の“選択”について考えてみたい。

過剰労働が問題視された電通の対応

 2015年に電通で起きた女性社員が過労死する出来事は大きな衝撃を与えた。電通側は、長時間労働をさせた責任を取るために現社長である石井直氏の辞任と、その後任に2017年1月23日付けで、現常務執行役員を務める山本敏博氏を昇格させることを決定した。

 次期社長である山本氏は、「最優先の経営課題は労働環境の改革だと認識している。強い決意で社員とともに改善施策を着実に遂行していく」と言及した。

日本の働き方を変える取り組みの数々

 2016年には、「平成28年版過労死等防止対策白書」が閣議決定され、長時間労働などの労働環境の問題の現状が浮き彫りとなることになった。

 厚生労働省の発表によると、日本において、週49時間以上の労働をしている労働者の割合は、男女合わせて21.3%。この数字は、アメリカやドイツなどの先進国の中で比較するとワーストクラスとなっている。

 日本の労働時間の長さと生産性の低さは、以前より問題視されることが多く、労働時間が長い割に、1時間当たりの労働生産性は米国の約6割だという結果も出ている。日本人の働き方を変えるべく、企業が取り組む「働き方改革」を見ていきたい。

週休3日制度

 大手企業の制度導入で度々話題になってきた“週休3日制度”は、導入企業が8%に至るまで浸透しつつある。その数は、ここ10年で3倍になるという。

 週休を3日にすることで、仕事とプライベート共に充実させる狙いがあったり、シニア人材を確保し、その活用を図るために設ける企業や、社員のモチベーションを挙げる策として導入する企業もある。実際に、ユニクロ(ファーストリテイリング)や大和ハウス工業が導入済みで、ヤフーが導入検討中である。

リモートワーク

 リモートワークとは、「在宅勤務」や「テレワーク」と同様で、実際にオフィスに出勤せずに働くこと。自宅やカフェなどで作業する人も多い。社員により豊かな環境で働いてほしいという狙いで導入する企業や、介護や子育てで、オフィスに出勤できない人も働くことが出来る労働環境である。

ノー残業デー

 NHKの調べによると7割の企業が導入していると言われる“ノー残業デー”は聞き馴染のある制度だろう。会社で取り決めた曜日は、残業をせず帰ることを推奨している取り組みだ。

制度だけでない会社そのものを働きやすい環境に

出典:docs.yahoo.co.jp
 ユニクロなどを展開する株式会社ファーストリテイリングが週休三日制をいち早く取り入れたり、在宅勤務を取り入れて社員のライフスタイルに合った働き方を提供するパナソニック株式会社、日産自動車株式会社などの大手企業を中心とした「働き方改革」は、日本人の働き方を見直す大きなきっかけにもなった。

 上述では、働き方を変える制度をいくつか紹介したが、制度だけでなく会社の在り方を改革し、働く環境を変えていく企業も増えつつある。

 ヤフー株式会社は、2016年の本社移転を機に、CCO(チーフ・コンディショニング・オフィサー)を新設した。これは働きやすい環境を作り、従業員のパフォーマンス向上と、イノベーションを生み出すオフィスづくりの一環だ。

 机を不規則に配置したフリーアドレスや、社外の人も利用可能なオープンコラボレーションスペースなど、社内外のコミュニケーションを増やすさまざまな施策や施設を導入しており、新たなイノベーションを創出していくことを目指しているという。

 また、食材にこだわった安全で、おいしい食事を提供する社員食堂の設置や、提携先の医療機関、社外の健康関連施設などと連携した健康増進の取組みも推進している。
 2017年春闘も幕開けとなり、1月23日に行われた「経団連労使フォーラム」にて、榊原定征会長は企業に対し「働き方改革」への協力を求めた。

 今後もますます、企業全体の働き方の見直しに拍車がかかると予想される。これを機に、自身の“働き方の選択”について考えるきっかけになれたら幸いだ。

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