1. ケータイジャーナリスト石野純也のCES 2017レポート【Amazon「Alexa」編】

ケータイジャーナリスト石野純也のCES 2017レポート【Amazon「Alexa」編】

 米・ラスベガスで開催された「CES 2017」は、人工知能(AI)が大きなトピックになっていた。中でも、Amazonの「Alexa」に対応した製品は多く、その存在感は際立っていた。

 フォードの自動車、LGの冷蔵庫、レノボのホームアシスタントデバイスなど、まさにAlexa搭載製品のオンパレード。スマホの分野では、ファーウェイが最新モデルの「Mate 9」を、2月後半にAlexaへ対応させることを発表した。

CES 2017の話題をさらったAlexa

LGはAlexaに対応したスマート冷蔵庫を発表。レシピを見て、足りない食材をすぐにAmazonにオーダーできる。

 日本未上陸のため、改めてAlexaを解説しておくと、これはAmazonの開発した会話ベースのプラットフォーム。Amazon自身は「Amazon Echo」と呼ばれる製品を米国などで発売している。

 このAmazon Echoは、筒状でスピーカーのような形状をしたデバイス。単なるスピーカーとの違いは、ユーザーが話しかけるだけで、家電をコントロールしたり、Amazonに商品を注文したりといったことが可能になるところにある。Amazonは、Echo以外にも、よりコンパクトな「Amazon Echo Dot」や、「Amazon Tap」も販売している。

 このAmazon Echoなどに搭載されたAlexaを、Amazonはサードパーティに開放。ソフトウェア開発キットを提供することで、幅広いメーカーがこれに対応した。CESに出展されたAlexa対応デバイスの数は、実に700を超えたと言われている。

 アップルの「Siri」や、グーグルの「Google Home」も同種のデバイス、サービスだが、少なくともCESの会場を見る限りでは、存在感の違いは歴然としていた。IoTデバイスをコントロールするためのプラットフォームを握ったのは、アップルでもグーグルでもなく、Amazonだったというわけだ。
話しかけて各種操作が可能なスマートスピーカーの「Amazon Echo」。

 先に述べたように、このAlexaにスマホで初めて対応するのが、ファーウェイのMate 9となる。端末に話しかけるだけで電気をつけたり、買い物をしたりと、さまざまな用途に使うことができる。

 スマホは肌身離さず持ち歩くものなだけに、家庭内だけでなく、外出先でもAlexaを利用できるのがメリットだ。プラットフォーム自体はオープンになっているだけに、ユーザーの反響が大きければ、他のメーカーのスマホにも、採用が進むかもしれない。
ファーウェイの「Mate 9」がスマホで初めてAlexaに対応する。
ファーウェイの基調講演にはAmazonのAlexa担当幹部もゲストで登壇。協力関係をアピールした。

 AIを介し、音声でスマホをコントロールするのは、業界全体のトレンドになりつつある。アップルのSiriはその一例だが、グーグルも、自社開発の端末である「Pixel」に、「Google Assistant」を導入済み。これもAIを使い、ユーザーに最適な選択肢を提案するという機能を特徴にしている。

 スマホ対応についてはこの2社に後れを取っていたAmazonも、ファーウェイと組むことで、この分野に進出してきた。今後は、アップル、グーグル、Amazonの三つ巴の戦いが展開されるかもしれない。

 iPhoneの登場によって、スマホは、タッチで操作することが当たり前の形になり、アプリの存在感も大きくなった。

 一方でトレンドになりつつある音声とAIによる操作は、この前提を大きく変える可能性がある。ユーザーが自発的に音声で操作するだけでなく、最適なタイミングを見計らい、スマホ側からユーザーに操作を促すことも、近い将来、当たり前になるかもしれない。CESでのAlexa旋風は、そんなスマホの“次”を予感させた。

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