1. 食通・自炊派は知っておくべき、おにぎりに合うお米の品種「つや姫」:国民食の新形態「オリニギリ」

食通・自炊派は知っておくべき、おにぎりに合うお米の品種「つや姫」:国民食の新形態「オリニギリ」

 日本人の軽食の味方「おにぎり」。そんなおにぎりの魅力を国内外に発信、普及させる「おにぎり協会」という一般社団法人がある。

 おにぎり協会はこのほど、おにぎりに合うお米を決めるべく「おにぎり食味会」を実施。1位にはどんなお米が選ばれのか? 最近のおにぎり事情と、おにぎりに最適なお米について紹介したい。

おにぎりに合うお米は「つや姫」

 近年、注目を集めている品種改良されたお米。2015年の秋に市場デビューを果たした青森県産のお米「青天の霹靂(へきれき)」。同品種が、青森のブランド米で初めて最高評価の「特A」を取得した時には、全国区のニュースで紹介されるなど話題を集めた。

 年々、美味しさに磨きをかけていくお米。そのお米の美味しい食べ方の1つとして、お米そのものの味を感じることができる「おにぎり」が挙げられるだろう。

 シンプルな作り方でお米の味を味わえて、短時間で空腹を満たすことができるおにぎり。そんなおにぎりを世界に広めようと、活動をしているのが「おにぎり協会」だ。おにぎり協会のHPを見てみると、「おにぎり宣言」や「おにぎり憲章」などが書かれている。HPを見ているだけでも、同協会のおにぎりへの愛情が伝わってくる。

 おにぎり協会の主な活動は以下の通りだ。

「おにぎり文化の研究、執筆、出版物の発行」
「おにぎりイベントの開催」
「おにぎりに関する映像、音楽コンテンツの配信」
「おにぎり関連商品の販売・輸出」
「おにぎり関連ライセンス発行」
「おにぎりコンテンツを活用した1次産業の6次産業化支援」
「おにぎりコンテンツを活用した自治体・団体・企業コンサルティング」

出典:おにぎり協会とは | 一般社団法人おにぎり協会 Onigiri Society

おにぎり食味会

 おにぎり食味会では、デビューから10年以内のお米の品種から注目の9品種を選定。選ばれたお米は、8つの評価項目で「おにぎり向きのお米」か評価された。

 エントリーした銘柄は、以下の9品種。「ゆめぴりか(北海道)」「青天の霹靂(青森県)」「銀河のしずく(岩手県)」「つや姫(山形県)」「ふくまる(茨城県)」「新之助(新潟県)」「みずかがみ(滋賀県)」「結びの神(三重県)」「おいでまい(香川県)」。

 9つの品種、全てを同一の炊飯器・同条件で炊飯。海苔なしの塩にぎりを、「炊きたて・にぎりたて」と「にぎってから4時間後」の状態で評価。お米の味だけでなく、おにぎりならではの「口ほどけ」「包容力」「冷めて旨い」の評価項目がある。

 これらの条件のもとで食味会で選ばれた「おにぎり向きのお米」は、「つや姫」(合計97点)。おにぎりで重要な要素とされる「包容力」「冷めて旨い」という項目でトップ評価を獲得した。

 2番目に評価が高かったのは、岩手県の「銀河のしずく」。3番目は北海道の「ゆめぴりか」となっている。

つや姫の開発期間は10年

出典:www.tuyahime.jp

 明治時代に山形県庄内町で阿部亀治氏が育成した水稲品種「亀の尾」は、「コシヒカリ」や「はえぬき」のルーツにもなっている。そんな亀の尾の系譜から誕生したのが、おにぎりに向きのお米に選ばれた品種「つや姫」だ。

 2010年にデビューした「つや姫」は、発売以来連続で最高評価の「特A」に選ばれている。つや姫の「粒の大きさ」「白い輝き」「旨さ」「香り」「粘り」は、多くの人に高い評価を得ていて、日本の老舗料亭でも採用されている。

定番化した「おにぎらず」。新たに登場したのは……?

出典:www.hamaotome.co.jp
 握らないおにぎり「おにぎらず」。簡単に作れるのに、SNS映えする見た目の良さが女性を中心に支持を得ている。おにぎらずの作り方は以下の通りだ。

おにぎらずの作り方

  • ①正方形の海苔の中央にご飯を四角めに広げ、塩をふりかける
  • ②ご飯の上に具を置く
  • ③具の上にご飯を重ね、塩をふりかける
  • ④海苔の四隅を中央へ向けて畳む
  • ⑤できたものをラップで包み、海苔がしんなりするまで待つ
  • ⑥海苔がしんなりしたらラップごと包丁で切る
 料理をあまりしない筆者も作ったことがあるが、とても簡単にできたのを覚えている。ご飯や具材の量と海苔の面積のバランスが悪いと失敗してしまうので、簡単とはいえ注意が必要だ。手軽に作れるので、ランチ代を節約したい読者はぜひ作ってみてほしい。

おにぎらずの次は「オリ二ギリ」……?

出典:orinigiri.com
 市民権を得たおにぎらずだが、2016年にまた新たなおにぎりのカタチが誕生した。それが「オリニギリ」。

 オリニギリは、折り紙とおにぎりを掛け合わせた造語。日本を代表する遊びと食を掛け合わせて、新しい日本の食のスタイルとして海外に展開するのが狙いだ。既にニューヨークでは2回、ワークショップが開催されている。

 オリニギリの作り方は、おにぎらず同様に簡単。折り紙に印刷された線に沿って折り目をつけて、1度完成形を作る。完成したシートを開き、その上にラップ、海苔、ご飯の順に載せていく。再び折り紙を組み立て、しっかりと握ると完成だ。折り紙を開ける前に、シャカシャカと振るとご飯がしっかりと握られる。

 現在は、富士山、三角錐(共有、仲間)、千鳥の4種類が販売されている。グッドデザイン賞にも選ばれたオリニギリ。2016年12月にはタイ、今年2017年にインドで海外展示が行われる。今後も「オリ二ギリ」から目が離せない。

東京都内の「おにぎりの専門店」3選

 おにぎりに合うお米や最新のおにぎり事情について紹介してきたが、記事を読んでいておにぎりを食べたくなった読者もいるだろう。そこで、都内にあるオススメのおにぎりの専門店を3つ紹介したい。

おにぎり浅草宿六

出典:onigiriyadoroku.com
 浅草にある「おにぎり浅草宿六」は、東京で一番古いおにぎり専門店。昭和29年創業の同店は、米は単一原料コシヒカリ(年により変更)、海苔は江戸前、塩は天然塩(季節により変更)を使用している。

 営業時間が11:30〜17:00、18:00〜翌2:00(日曜昼、水曜夜は定休)となっている。浅草観光の際、サクッとランチでおにぎりを食べるもよし、ホッピー通りでひとしきり飲み歩いた後に「シメのおにぎり」として食べるもよし。浅草を訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてほしい。

ぼんご

出典:www.onigiribongo.info
 大塚にある「ぼんご」。創業55周年、具材の種類は55種類と、他店に例を見ないおにぎりのラインナップになっている。

 レビューサイトなどでも評価が高い同店。人気の秘密は具材の種類の多さだけではない。ぼんごのおにぎりは、握っていないおにぎり。パリパリの海苔で、ご飯をふわっと包むように作られているのだ。ぎゅっと握らないことで、食べた時に口の中でお米と具材が口の中に広がり、お米の粒感を楽しむことができるようになる。

 同店のHPの「おにぎり百科」のページでは、ぼんごで味わえるおにぎりの具材が紹介されている。記事を見て気になった読者は、HPを見て具材の種類の多さに驚いてみてほしい。

おにぎりカフェ 利さく

出典:risaku.jimdo.com
 千駄木のおにぎり専門店「利さく」。産地から取り寄せた群馬県産コシヒカリ、鹿児島県や群馬県産のお味噌。おにぎりだけでなく、サイドメニューまで全てが手作りというこだわりがある同店。

 選べるおにぎり2個と味噌汁がつく朝のセットは500円、ランチ限定セットは玄米、本日のおにぎり、利さく特選おかずがついて700円と、とてもリーズナブルな価格設定。おにぎりだけでなく、カフェが店名につくだけあってコーヒーは喫茶店仕込み。谷根千の下町散歩をする際に訪れてみては。


 以上、最新のおにぎり事情とおにぎりに合うお米について紹介した。お米、塩、海苔というシンプルな材料から作られるおにぎり。そんな日本人のソウルフードを世界に広めるために活動している組織があることに、筆者自身も驚かされた。

 シンプルでいて奥が深いおにぎりの世界。たまにはお酒などは抜きにして、「お米」の味だけを堪能してみよう。米離れが進んでいるといわれる昨今で、改めて「お米」の尊さに気づくことができるかもしれない。

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