1. 新たな平成の常勝校「青山学院大学」:大会成績から振り返る“平成の歴代王者”たちの第93回箱根駅伝

新たな平成の常勝校「青山学院大学」:大会成績から振り返る“平成の歴代王者”たちの第93回箱根駅伝

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 1月2日、3日に行われた箱根駅伝。天気に恵まれ、やや気温が高い中での襷リレーとなった2017年大会は、復路となる第10区、神奈川大学のアンカーを務めた選手が、交通規制ミスで車に轢かれそうになったことでも注目を集めている。

 大会後の報道番組では、優勝校の青山学院大学の選手たちとアナウンサーなどが歓談しているものが目立つ。しかし、箱根駅伝には青山学院大学以外にも、19校の大学が厳しい予選会やシード争いを勝ち抜けて出場している。

 平成の歴代優勝校に焦点を当て、2017年大会ではどんな成績を残したのかを見ていきたい。

平成歴代優勝校の2017年大会結果

 平成2年大会からの優勝校は以下の通りだ。()内は、第何回の大会で優勝したか示している。

平成の箱根駅伝優勝校

  • 大東文化大学(66回、67回)
  • 山梨学院大学(68回、70回、71回)
  • 早稲田大学(69回、87回)
  • 中央大学(72回)
  • 神奈川大学(73回、74回)
  • 順天堂大学(75回、77回、83回)
  • 駒澤大学(76回、78回、79回、80回、81回、84回)
  • 亜細亜大学(82回)
  • 東洋大学(85回、86回、88回、90回)
  • 日本体育大学(89回)
  • 青山学院大学(91回、92回、93回)
 それでは、平成の箱根駅伝で優勝した順に、今大会で歴代王者がどんな成績を残したのかを見ていきたい。

大東文化大学は総合13位

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 昨年大会では18位だった大東文化大学。往路最終区間5区が終了した時点では、昨年大会と同順位で18位で終わっていた。しかし、復路にて徐々に順位を上げることに成功。6区:17位、7区:17位、8区:15位、9区:13位、最後の10区で順位を落とすことなく13位にまで順位を上げたのだ。

 8区で15位まで引き上げた、3年生の林日高選手。9区で更に2つ順位を上げてアンカーに襷を繋げた、2年生の谷川貴俊選手。シード権は逃してしまったものの、予選会で活躍する選手がいることには違いないだろう。

チーム内でインフルエンザ流行? 優勝候補の山梨学院大学は17位

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 今大会で優勝候補の1校といわれていた山梨学院。昨年は8位でシード権を獲得している同校だが、大会1週間前にチーム内でインフルエンザが流行。メンバー入りしていた主力選手3人が、欠場する事態に陥った。

 3大駅伝の1つ、出雲駅伝の2016年大会では、青山学院大学に次いで2位という好成績。しかし、活躍を期待されていた4年生の佐藤孝哉選手、3年生の市谷龍太郎選手、河村知樹選手が欠場したことによってチームが動揺し、浮足だってしまう結果になってしまったのだ。

伝統の燕脂(えんじ)の襷:早稲田大学は3位

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 伝統の燕脂色のユニフォームと襷。前回大会では4位だった順位を1つ上げる結果となった早稲田大学。

 往路5区間では、6位に順位を落とした2区以外でトップ3をキープ。往路の最後には、1位の青山学院大学と33秒差になるなどの大健闘。最終的に、復路をスタートする時間差が2分7秒あった東洋大学に2位の座を譲ることになってしまったが、前回大会よりも1ランク順位を上げたのだ。

連続大会出場記録87回で途切れた中央大学

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 最多出場記録、最多優勝記録(14回)を保持する中央大学。そんな伝統校の白地に赤のCが描かれたユニフォームを、今大会で見ることはなかった。

 10月15日に行われた予選会で、惜しくも上位10位内に入ることができなかった中央大学。出場を勝ち得た、予選会10位の日本大学とは44秒差だった。

 中央大学が誇る「赤いCの字」を、「Challenge」のCとして、もう一度前を向いて走りたいと中央大学陸上競技部部長の野村修也氏は話している。早くも、今年の箱根駅伝予選会が熱狂する予感がする。

上位争いで健闘した神奈川大学、5位

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 10区を走る選手が、車と接触事故を起こしそうなことで話題を集めた神奈川大学。警察の交通規制ミスによるマイナスなアクシデントばかりが注目されているが、実は今大会でとても良いレースをしていた。

 予選会から勝ち抜いて出場した神奈川大学。前回大会では13位という記録だった。2017年大会では、2区を走った3年生の鈴木健吾選手の走りが好調。今大会優勝校のエースである4年生の一色恭志選手を抑えて区間賞を獲得した。

 青山学院大学を抑え、3区をトップで走っていた神奈川大学。往路終了時点で順位を6位に落としたものの、最終的に5位という順位でレースを終えた。

1区15位から4位にまで順位を上げた順天堂大学

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 2区に襷を繋ぐ時点では、1位の東洋大学と48秒差あった順天堂大学。2区を走った2年生の塩尻和也選手の活躍によって7位。4区の区間賞を獲得した3年生の栃木渡選手の快走で6位。往路ラスト、山登り5区の2年生の山田攻選手も区間5位の走りを見せて往路3位でレースを終えた。

 10区スタート地点で19秒差あった神奈川大学を抜き、最終順位4位となった順天堂大学。平成の箱根駅伝で複数回優勝している順天堂大学が、また王者に返り咲く日が近いのかもしれない。

平成の常勝校:駒澤大学は9位

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 10位以内でレースを終え、シード権を勝ち取った駒澤大学。平成に入ってからの箱根駅伝では最も優勝回数が多く、78回〜81回大会では4連覇を達成している。

 そんな平成の常勝校だが、往路5区終了時点では第5位。5区の山登りを走る4年生の大塚祥平選手は、区間賞を獲得している。復路で順位を9位に落としたものの、シード権を確保。平成の常勝校が、次大会でどんなチームに仕上げてくるのか楽しみだ。

予選会16位で出場を逃した亜細亜大学

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 82回大会で優勝経験のある亜細亜大学だが、今大会は予選会落ちしている。82回大会でチームを引っ張っていた岡田監督が2008年に引退。その後は短期間で監督が変わるなど、なかなかチームがまとまらない状況が続いた。

 現在も、チームの立て直しをしている状況の亜細亜大学。当分は予選会突破が目標となりそうだ。

「山の神」「設楽兄弟」に頼らずも2位の東洋大学

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 深い紺色、鉄紺のユニフォームの東洋大学。山の神として当時注目を集めた柏原竜二選手や、双子の設楽兄弟がチームからいなくなっても、2位という順位を獲得している。

 前回大会でも2位で終えた東洋大学。王者奪還をすべく、打倒青山学院大学と闘志を燃やしているものの、ここ数年は2位や3位となっている。

 今大会でも1区ではトップに躍り出たが、2区で8位に転落。その後は早稲田大学や順天堂大学、神奈川大学などと順位を争い、なかなか首位を取りにいくレースができていなかった。それでも、9区を走った3年生の野村峻哉が区間賞を獲得する快走をし、約1分のアドバンテージがあった早稲田大学を追い抜き2位へ。そのままゴールテープを切った。

 近年の大会では、常にトップ3の東洋大学だけに今回のレースはハラハラさせられた。今大会では6人が3年生以下。次大会も、まだまだ楽しませてくれるに違いない。

徐々に順位を上げた日本体育大学は7位

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 89回大会の優勝校、日本体育大学。風速18メートルの強い向かい風が吹き荒れた山登りを驚異的なペースで登った服部翔大選手は、筆者の中でも印象深い。

 89回大会を盛り上げた日本体育大学だが、今大会でも実は面白いレースをしていた。1区13位から、2区で17位まで順位を落としていた日本体育大学。往路最終区間の5区の時点で、順位は13位。シード権を取れない位置にいた。

 順位を大きく伸ばしたのが、6区で区間賞を獲得した4年生の秋山清仁選手。山下りの6区の区間新記録58分01秒というタイムを出している。秋山選手の快走によって、13位から7位へ。その後、順位が落ちる場面はあったものの、最終的に7位という順位をキープしてゴールテープを切った。

安定感のあるレースかと思いきや……王者:青山学院大学を襲ったアクシデント

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 大会3連覇を果たし、平成の常勝校への仲間入りを果たした青山学院大学。前回大会同様、2位の東洋大学と7分以上の差をつけて完全優勝を果たしている。

 今大会も安定感のある走りを見せていた青山学院大学だが、見ていて少しひやっとする場面もあった。区間2位の好走を見せた2年生の小山田勇次選手によって、2位の早稲田大学と2分8秒差をつけた青学大。次走の7区、3年生の田村和希選手は16km付近から失速。筆者もリアルタイムで見ていたが、苦しそうな表情、大量の汗、ふらつきなど……とても辛そうだった。

 なんとか8区の3年生、下田裕太選手に襷を繋げた田村選手。その後すぐに点滴をうち、病院に搬送された。次走の8区、下田選手は東京マラソン2位の実力者。今大会も絶好調の下田選手は、区間賞をとる好走。2位の早稲田大学と5分32秒の差をつけた。


 平成の歴代王者たちが今大会ではどんなレースを展開したのかを紹介した。テレビではどうしても優勝校ばかりが取り上げられてしまい、リアルタイムで箱根駅伝の中継を観ていてもなかなかテレビに映されることのない後続のランナーたち。

 彼らも以前は優勝経験がある強豪校であったり、それぞれの想いがあったりと、いくつものドラマがあるのだ。

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