1. ロボットが接客するホテルが未来すぎ!! 世界一生産的な観光都市を目指すハウステンボスの狙い

ロボットが接客するホテルが未来すぎ!! 世界一生産的な観光都市を目指すハウステンボスの狙い

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  ロビー奥のフロントに進むと、ロボットの従業員が「いらっしゃいませ」と声をかけてくれる。ここは「変なホテル」。長崎、ハウステンボスにあるロボットが接客するホテルで、つい先日「初めてロボットがスタッフとして働いたホテル」としてギネス世界記録に登録された。

 枠にとらわれない試みは、ロボットだけではない。18年赤字だったハウステンボスを黒字に変えた経営者が先導する挑戦は1ジャンルに縛られない。客を楽しませるために、絶えず変わり続けるハウステンボスの実態に迫っていく。

働き者のロボットがお客様をお出迎え

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 世界で初めてロボットが働いた「変なホテル」。そこにはユニークなロボットたちと確固たる理念によって成功を求め続けている。

働き者のロボット従業員を紹介

 2015年7月に開業したホテルは、今年の3月に2号棟をオープン。客席は72室から倍の144室に増えた。それでも人間の従業員の数は増やさない。2015年オープン当初は30人程度いた従業員も今では10人と、より少人数運用を可能にしている。

 一方のロボット従業員は約180台。ホテルの業務のほとんどをロボットがこなしている。ここでは、働き者のロボット従業員を紹介していこう。
 ホテルに入ってフロントで出迎えるのは、女性ロボット「夢子ちゃん」と恐竜のロボット「未来くん」。フロントに近づくとセンサーが反応し、「いらっしゃいませ、変なホテルにようこそ」と言ってくれる。

 しかも、未来くんは英語もできるバイリンガル。複数言語を操れるのは、ロボットの強みだ。今後は他の言語を話すことができるロボットがフロントに立つことになるかもしれない。

 チェックインが終わると、パネルに入力すると巨大な産業用ロボットが荷物を預かってくれる。そして部屋まではポーターロボットが連れていってくれる。パネルに部屋番号を入力すると、そのまま部屋に連れていってくれる。
 
 部屋に着くと、顔認証で鍵なしで入ることができる。まさに近未来のホテルとはこのことだ。しかも、ロボットとコミュニケーションが取れるため、無機質な印象を受けることはない。

「変化し続ける」ホテル

 ほぼロボットだけでサービスを提供するホテルはどういった目的で作られたのか。同社代表取締役社長の澤田秀雄氏が、「最も重視したのは世界一生産性の高いローコストホテルを作ること」と話したように、変なホテルが目指すのは高品質なサービスを低価格で提供すること。この低価格化の実現のためにロボット導入がマッチしたのである。

 実は、このホテルは「変わり続けることを約束するホテル」という意味を持っている。

「変」には「変化しつづける」という意思が込められ、目指すは、常識を超えた先にある、かつてない感動と快適性。

出典:コンセプト | 変なホテル
 その意味通り変なホテルは新しい技術を取り入れ、最も良い形を目指し続けている。省エネのための特殊工法や再生可能エネルギーも導入しており、何もロボットだけが変なホテルの特徴ではないのだ。

 多くの工夫のおかげで、ホテルの人件費は通常のホテルの3分の1。光熱費も半分に抑えられている。宿泊料はシングルで7,000円からと、園内にある4万円台が主な他の直営のホテルに比べると非常に安価だ。

 2017年春には2号店の出店も予定だ。東京ディズニーランドの最寄り駅である舞浜付近に建てられる。3号店も名古屋での開業が計画されており、海外進出も目論む。将来的には全世界1,000店舗。変わり続けるホテルの野心はとどまることを知らない。

テーマパークではなく世界一生産的な観光ビジネス光都市へ

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 ハウステンボスが編み出した画期的なビジネスモデルは変なホテルだけではない。その革新性は澤田氏が掲げる「世界一生産的な観光都市」としてのハウステンボスだからこそ生み出され続けている。

18年間赤字を黒字に変えた澤田氏の挑戦

 現在、日本屈指のテーマパークとして評価を受けているハウステンボスだが、それまでの道のりは前途多難であった。澤田氏が社長に就任する前のハウステンボスは閑散とした雰囲気の暗いテーマパークだった。入場者数はピーク時の半分に落ち込み、経費削減のために音楽や照明も制限するほど。

 いるだけで気が滅入ってしまいそうな遊園地を変えようとまず試みたのがイルミネーションだ。今となってはハウステンボスの看板となった「光の王国」はここから始まった。広い園内を生かした世界最大規模のイルミネーションに、客の反応も上々でV字回復をすることに。

 営業利益は前年比2.35倍、入場者数は前年比約50%増と一気に黒字転換した。顧客を楽しませようとする施策は、これだけにとどまらない。先ほど紹介した変なホテルはもちろん、人気急上昇中の「ハウステンボス歌劇団」もその取り組みの1つ。決してジャンルに縛られないチャレンジ精神が澤田氏の、そしてハウステンボスの強みだ。

世界一生産的な観光ビジネス都市

 挑戦を絶えず続けるハウステンボスが目指すのは、「世界一生産的な観光ビジネス都市」だ。ハウステンボスの敷地はモナコ公国と同じ程度と広大である。

 テーマパークだけでなく、住宅もあるなど都市機能を備えている。それでいて規制のない私有地である。澤田氏はその広大な敷地を新しい技術の実験場としても考えている。

われわれは昔からここを「観光ビジネス都市」にしようと提唱しています。どんどん新しい技術やシステムなどを開発して、それを世界に出していくような。

出典:「変なホテル」は、まだほんの序章に過ぎない | 九州経済オンライン | 東洋 ...
 変なホテルもその実験の一環だ。現在は、IT技術を農業に応用する植物工場を積極的に開発している。園内の植物工場で栽培した野菜をレストランで提供し、今後の輸出も視野に入れる。また、このような新しい技術だけでなく文化や芸術も世界に発信し、「観光ビジネス都市」として世界的な評価を得るのが目標だ。

 そして、単にロボットなどの新しい技術を客寄せパンダとして利用しているのではない。ロボットや植物工場は初期費用こそかかるものの、研究が進んでいけばローコストを実現するための重要なカードになる。現に変なホテルはローコスト化を成功させている。

 リスクがつきまとう新しいことへの取り組みこそ、澤田氏が大事にする精神だ。

長い人生、人でも企業でも必ず悪いときがあり、失敗も問題も多々ある。そこで暗くなったりやる気をなくしたりクヨクヨしたりすると伸びない。そんなときは誰でもあると思って、明るく元気に前向きにやっていく。そして自分の目標や夢を持ち、それに向かっていく。

出典:「変なホテル」は、まだほんの序章に過ぎない | 九州経済オンライン | 東洋 ...
 一見、無謀だとも捉えられる挑戦。だが、10年後になってこれらのロボットが働くホテルや植物工場が世界の常識になっていたならば、ハウステンボスはそれらの先駆者として再び評価されることになるだろう。


 世界の進化、客の需要に合わせて「変わり続ける」ハウステンボス。優れた技術を有していても実用化が遅い日本に、新しい技術に挑戦し続ける存在は求められているのではないだろうか。極上のエンターテインメントを提供するテーマパークだけでなく、技術の可能性を切り開く観光ビジネス都市としてのハウステンボスに注目だ。

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