1. Spotifyが一般公開を開始:パートナー企業と歩む日本市場の拡大戦略に勝機はあるか

Spotifyが一般公開を開始:パートナー企業と歩む日本市場の拡大戦略に勝機はあるか

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 2016年11月10日、音楽ストリーミングサービスの「Spotify(スポティファイ)」が日本におけるサービスの一般公開を開始した。

 9月に招待制で日本でのサービスを開始したSpotifyだが、すでに国内外の多数の企業とパートナーシップを結んだことも発表されている。どのような企業とどのような提携し、日本展開を進めていくのかを見ていこう。

国内Spotifyのサービス現状

 Spotifyは、全世界で1億人以上が利用する音楽ストリーミングサービスだ。2016年9月29日に日本国内でのサービス開始を発表したばかりで、この時点では招待コードが必要なエントリー制でのスタートとなった。

楽曲再生数の3分の1はプレイリストから

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 11月10日に開催されたSpotifyの記者会見では、スポティファイジャパン株式会社・代表取締役の玉木一郎氏が登場。正式ローンチから6週間、全体の楽曲再生数の3分の1がプレイリストを通じたものだったことを明らかにした。

 またSpotifyならではの特徴として、ゲームプレイ中のBGMとして用意された「ゲーム」というプレイリストや、読書を楽しむためのプレイリストを楽しむユーザーが多かったと説明した。

一般公開に際してアプリ機能を強化

 Spotifyは一般公開に先立ち、アプリの機能をアップデートしている。例えば、「Sahazam(シャザム)」アプリとの連携や、SNSでの共有機能の強化がその一例だ。

「Shazam」アプリからSpotifyで視聴可能

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 今回のアップデートで、「Shazam」アプリからダイレクトにSpotifyでの楽曲視聴が可能になった。「Shazam」は累計ダウンロード数が10億を超える音声検索アプリで、スマホのマイクに向かって鼻歌を歌ったり、音楽が流れているスピーカーに近付けたりするだけで、その楽曲の情報を検索できる。

 これまでは、「Apple Music」や「YouTube」での再生のみ対応していたが、「SPOTIFYで聴く」という項目が加わった。これで、テレビの視聴中や街なかで気になる音楽が流れたときに、“SahazamからSpotifyへ”というスマートな誘導が実現する。

Twitterのオーディオカード機能と連携

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 Spotifyは、Twitterの「オーディオカード機能」とも連携。オーディオカード機能は2014年に導入された機能で、最初は音楽共有サービスの「SoundCloud(サウンドクラウド)」の協力のもとで開始した。

 Twitter上で音楽をシェアすると、Spotifyアプリを立ち上げることなく楽曲を30秒間試聴できる。表示されたオーディオカード内からSpotifyを立ち上げることで、各局をフル視聴することも可能だ。

 また、Facebookのプロフィールページに好きな楽曲やプレイリストをアップしたり、「Facebook messenger」を使って友人に直接送る機能も追加された。

オーディオ機器やテレビなど対応デバイスを拡充

 今回の記者会見では、「Spotify Connect」を搭載したWi-Fi対応オーディオ機器やクルマ、テレビ、ゲーム機、パソコンなど、100機種以上の各種デバイスでSpotifyが利用できるようになったことも発表された。

Spotify Connectとは?

 「Spotify Connect」とは、Wi-Fiネットワーク上のオーディオ機器をSpotifyをインストールしたスマホで操作してストリーミング再生を楽しめるもの。Bluetooth接続とは異なり、スマホの通話中もオーディオ機器から音声が流れることはない。

100種類以上のデバイスに対応

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 今回発表されたSpotify Connectに対応するメーカーは、オンキヨーやGoogle、ソニー、テクニクス、デノン、パイオニア、パナソニック、BOSE、マランツ、ヤマハとなる。

 さらに、テレビでの利用にも注目し、Amazonの「Amazon Fire TV」「Amazon Fire TV Stick」、Googleの「Google Chromecast」といったストリーミング端末や、ソニーのAndroid TV搭載ブラビアでのSpotifyの利用が可能になった。ソニーに関して言えば、すでに「PlayStation 3/4」への対応も発表されており、ソニー製品との連携強化がはっきり見て取れる。

 また、BMW81モデル、MINI20モデル、ボルボXC90などの90シリーズといった、車メーカーの車載オーディオにも対応する。

ワイヤレススピーカーをボーズと共同開発

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 BOSEのBluetooth対応のワイヤレススピーカー「SoundTouch wireless music systems」3機種も、「Spotify」に対応した。専用アプリにSpotifyの操作機能を組み込んでおり、Spotify上の楽曲とSoundTouch systemsをシームレスに操作できる。

 スピーカーの天面には6つのプリセットボタンを搭載し、このボタンにSpotifyの楽曲やプレイリストを割り当て可能だ。さらに「プレイリストジェネレーター」という機能も備え、ユーザーにマッチしたプレイリストが自動で作成でき、スピーカーから再生できる。

 この連携はSpotifyのプレミアムサービス会員のみ利用でき、無料プランでは通常のBluetoothスピーカーとして使えるようになっている。
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 ゲストとして招かれたボーズ株式会社・代表取締役のピエール・ペルラン氏は、「SpotifyとBOSEはまったく新しいリスニングの体験を、シンプルという言葉をキーワードにクリエイトしてきた」とコメントした。

海外では瞑想アプリとの合同サブスクリプションを開始

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出典:www.headspace.com
 ヨーロッパでは、瞑想アプリ「Headspace」との提携を開始している。14.99ユーロで両方のサービスを利用でき、単体の9.99ユーロで契約するよりも安くなる。

 現在、利用可能な国は、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンで、既存のユーザーはアップグレードが可能。Spotifyによれば、オランダと英国も今後数週間のうちに利用可能になるという。

 広告付きのプランであれば、すべての楽曲の再生が可能な“フリーミアムモデル”が話題を集めるSpotify。スマホやパソコンだけでなく、多彩な対応デバイスを日本市場に投入してきたことで、Spotifyを使うため土壌が一気に拡大された。

 お気に入りのアーティストを軸におすすめの曲をレコメンドする「ラジオ機能」など、現在は海外のみで提供されている機能もある。これらが日本でも利用可能になることで、ほかのサービスに大きく遅れて日本市場に登場したSpotifyが巻き返しを図ることになるに違いない。

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