1. 1日で2兆円が動く? 11月11日の中国「爆買いの日」は今年もすごかった!

1日で2兆円が動く? 11月11日の中国「爆買いの日」は今年もすごかった!

出典:www.atimes.com
 隣国の中国では「1」が4つ並ぶ11月11日は「独身の日」と呼ばれている。しかし、最近では「爆買いの日」とその名を変えつつある。ことの発端は、中国の大手通販会社アリババが独身の日に1人で買い物を楽しめるように始めたバーゲンセールだった。

 今年の「爆買いの日」は過去最高の売上額を更新し中国市場の大きさを世界に知らしめることとなった。そして、今年は例年と違い日系企業の参入が目立ち、日本国内でも話題になったのが記憶に新しい。本記事では、今年もすごかった中国の「爆買いの日」と、近年拡大が止まらない越境EC市場について見ていきたい。

数分で1,900億円が動く:中国「爆買いの日」

出典:mashable.com

中国の「爆買いの日」はどれ程大きいのか? 

 冒頭でも言及したが、中国では毎年11月11日は、「爆買いに日」と呼ばれており、中国の大手通販サイト“アリババ”は、この日に合わせて自社が運営する通販サイトで大規模なセールを行う。「爆買いの日」という名の通り、中国では1年で最もモノが売れる日となっている。また、その市場規模は、米国で感謝祭連休後にネット商戦がピークとなる「サイバーマンデー」を大きく上回り、「世界最大の買い物イベント」と称されている。

 今年の「爆買いの日」は例年の売り上げを大きく上回り、過去最高売り上げを更新した。11日午前0時より、全国から注文が寄せられるのだが、開始からわずか12分で約100億元(約1,900億円)の売り上げに達した。そして、セール開始から1時間で総取引額が約353億元(約5,540億円)に上るという好調ぶりだった。

 最終的に、1日で取引総額が前年比32%増の約1,207億元(約1兆8,900億円)となった。莫大な売上高を見てもわかるように、この日1日だけで8カ月分の売り上げを見越す企業もあるという。最近では中国人による日本での爆買い行動に落ち着きが見られており、中国経済の減速傾向にあると思われていたが、まだまだ国内の中間層による購買意欲は衰えていないように思える。

日系企業が米国を抜いて首位に

 今年の「爆買いの日」の越境通販部門の売り上げ高は、昨年首位だった米国を抜いて、日本が首位になったという。商品別でみると、やはり、紙おむつの販売が好調。花王の「メリーズ」の人気が高かったほか、粉ミルクや化粧品などの売れ行きが良かったとされている。

 乳幼児が使う商品や直接肌に使う商品の売れ行きが良かったことから、日本企業が販売する商品の安全性や、品質の良さが評価されたのだろう。

 また、今年からアリババの通販に参加する日本企業も多く、マツモトキヨシやカルビーといった多くの企業が参加した。そして、1万を超える海外企業とブランドが参加したカジュアル衣料品の部門において日本の企業である「ユニクロ」が、通販サイトに正規店を出店した企業の売上額で6位となる快挙を遂げた。

拡大が止まらない越境EC市場

出典:insideretail.asia
 中国の越境通販部門で日本の取引総額がトップになるなど、日本企業の売り出す商品が十分世界の企業相手でも戦っていけるということが伺える。あまり越境ECの進出に積極性を見せなかった日本企業だが、もほや参加せざる負えない状況でもあると言えるのではないだろうか。

EC市場拡大の推移

 2016年6月に経済産業省が発表した越境EC市場の調査報告によると、2015年度の消費者向けのEC市場規模は、13.8兆円(前年比7.6%増)。企業間取引も合わせるとその規模は、288兆円(前年比3.0%増)にまで及ぶという。

 2015年度において、主な取引先である米国、中国、日本の3国間のEC市場の規模を見てみると、「日本の消費者による米国・中国の越境ECによる購入額は2.2千億円(前年比6.9%増)」、「米国の消費者による日本・中国の越境ECによる購入額は9千億円(前年比11.1%増)」、「中国の消費者による日本・米国の越境ECによる購入額は1.6兆円(前年比32.7%増)」となり、市場規模の拡大が伺える。特に、中国に対する越境EC市場の拡大はものすごい額となっている。
 
 また、2019年までの日米中3カ国間の越境EC推計市場規模は、2015年から2019年までに、日本は約1.5倍米国は約1.6倍中国は約2.9倍の規模となり、日米中3カ国間における越境ECによる購入総額合計は、2019年までに約6.6兆円にまで拡大する可能性があると見られている。

EC市場に力を注ぐ各企業の戦略

 中国の「爆買いの日」の盛況具合をみて、越境EC市場に参加する日本企業が増えてと言われているが、昨年2015年、ヤフー株式会社の呼びかけにより、株式会社ファミリーマートやCD・DVDなどのレンタル大手である、株式会社TSUTAYAなど5社で「いい買い物の日」(11月11日)を制定した。

 ヤフーの通販サイトは24時間セールで全商品にポイント11倍の特典をつけ、売り上げは前年の約8倍に伸びたという。今年2016年は三越伊勢丹ホールディングス、株式会社吉野家ホールディングス、メルセデス・ベンツ日本など39社でキャンペーンを展開した。

  また、国内の若い世代を中心にで11月11日を「ポッキー&プリッツの日」として記念日商戦を展開してきた江崎グリコ株式会社も2016年より、中国や台湾など、5つの国や地域で「ポッキーデー」を広げるべく、SNSを使って海外に市場を広げる試みを開始した。
出典:wareranoshop.com
 EC市場の拡大は、日本の製品を国内のみならずより多くの人に届けるチャンスを与えてくれる。しかしながらそれは、国内だけでなく世界中の企業・メーカーがライバルであるということを示唆する。中国や韓国など、低価格を強みにする企業・メーカーをラバルにおくからには、今後さらに越境EC市場が拡大した際には、日本企業の越境ECにおける生き残り、売り上げ増進の戦略が試されるだろう。

 また、忙しいビジネスマンや充実した買い物ができる環境に住んでいない人も、欲しいモノを世界規模で探し購買することができ、買い物がより豊かに、便利になるという利点がある。一方で、注文した商品が届かなかったり、実物が思っていたものと違う、ついつい買いすぎてしまった……など様々な問題もある。越境ECがさらに我々の身近になれば、購買の際の販売元に対する信頼性や商品の優劣の見極めなど、今後一層、慎重になるべきなのかもしれない。

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