1. 10年で3割減…若者の「ジーンズ離れ」:デニムメーカーに未来はあるか?

10年で3割減…若者の「ジーンズ離れ」:デニムメーカーに未来はあるか?

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 誰もが履いたことがあるであろうファッションアイテム、「ジーンズ」。世界中で長きに渡って愛され続けているジーンズだが、日本国内での生産量が10年間で3割も減少しているのをご存知だろうか?

 単なる「若者離れ」という言葉では片付けられないジーンズの生産減少。本記事では生産量が大きく減少してしまった大きな理由と、デニムの“これから”を紐解いていきたい。

若者がジーンズを履かない! 原因は?

  エドウィンやビッグジョン、リー・ジャパンといったジーンズメーカーなどでつくる「日本ジーンズ協議会」。タレントらが選ばれる「ベストジーニスト」を主催する団体として有名だが、その加盟企業の生産量をまとめた日本ジーンズ協議会の調査、統計によると、上記の画像の通り平成11年には約7,600万着あった生産量が平成22年には4,591万着にまで落ち込んでいるのだ。ピーク時と比較すれば、およそ4割もの落ち込みを見せている。

 日本に数多く存在したジーンズメーカーも軒並み業績を下げており「五大ブランド」と呼ばれた、エドウィン、リーバイス、ビッグジョン、ボブソン、ラングラーはリーバイスを残して全て経営破綻に陥るなど、「ジーンズ業界」という枠組みが危うくなっているのが現状だ。

“絶対のファッション”ではなくなったジーンズ

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 ジーンズの生産量が減少した原因として第一に挙げられるのが、ボトムスの多様化。チノパンやカーゴパンツ、果てはスウェットパンツまでが一般的なファッションアイテムとして浸透しており、ボトムスの選択肢としてジーンズが絶対的な存在ではなくなったのである。ハーフパンツがメンズファッションアイテムとして定着したのも大きいだろう。

 かつて、ジーンズが男性のボトムスとしてほぼ一択に近かった状態は終わりを告げ、一週間ジーンズを履き続けるのではなく、日によってカーゴパンツ、イージーパンツ……とボトムスを履き替えることが一般化したと言えるだろう。

ユニクロやH&Mなどのファストファッションブランドの台頭


 次に考えられるのが、ユニクロや無印良品と言った所謂SPAブランドの台頭だ。先の項で挙げた日本ジーンズ協議会の調査結果は、エドウィンやリーバイスなどの「老舗」デニムブランドの生産量のみの結果であり、新進のブランドのデニムなどは調査結果に含まれていないのである。

 こうした生産調査の実態に含まれていない企業の台頭により、ジーンズ協議会は平成25年から調査を実施していない。多数のブランドで限られたパイを奪い合う格好となっている。

デニムの“新たな価値”を創り出す活動が盛んに

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 世界中のハイブランドがこぞってデニムの生産地に選ぶ岡山県を持つ日本。その灯を消すまいと、既存の形に囚われずにデニムの良さを改めて伝えていく活動も非常に活発となっている。

 サイバーエージェントが運営するクラウドファンディングプラットフォーム「Makuake」では、ジーンズの聖地として名高い「岡山県児島」の職人の技術を結集して鋼鉄の5倍の強度を持つ素材を使った頑丈な「ケブラージーンズ」を作ろう、という活動に目標金額100万円を大きく上回る269万円が集まった。

 元々は作業着であったジーンズの出自と、日本のジーンズ職人の技術力の高さに注目した、まさに日本でしかできない企画。単なるボトムスという枠組みを超えてジーンズが注目されていることが伺える。

「旅するジーンズ」:デニムを帆船に

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 デニム国内最大手のカイハラ(広島県福山市新市町)を中心とした「クルージング ジーンズ」計画も注目を集めている。クルージングで日光や雨、潮風を受けたデニムの風合いを活かしてジーンズにしてしまおう、という大胆な企画だ。

 既に船は出航しており、航海後に取り外されたデニムは俳優の井浦 新さんをデザイナーに迎え販売される予定。こうした経年変化によるストーリー性といった部分にフォーカスできるのも、ジーンズならではの魅力ではないだろうか。

低迷期を脱し、ジーンズが再びトレンドに浮上

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 肝心のファッションとしてのジーンズの生産だが、日本のファッションブランドも手をこまねいているだけではない。全盛期に比べれば大きく生産量を下げてしまっているものの、ここ2、3年はブルージーンズやクラッシュジーンズなど、変化を加えたデニムが人気を博しており、トレンドに再浮上しているのだ。
 
 このチャンスを逃すまいと、様々な工夫や進化を遂げたデニムが数々リリースされているのである。デニムの生産が減少してしまったからと言って履かないのは非常にもったいない。改めて知っておきたい、上質な国産ブランドデニムを紹介していこう。

改めて知っておきたい! おすすめデニム

KURO DIAMANTE WASH11

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 国産デニムブランドの中でも、トレンドを意識した“今っぽい”ジーンズを作ることで評価を受ける「KURO」。

 トレンドである色落ちとクラッシュ加工をしっかりと掴んでいながら、日本人の体型を完璧に把握したサイジングは圧巻。

 素材の品質は言うまでもなく、ストレッチを入れて動きやすくするなど機能面も抜かりが無い。何拍子も揃った最高峰のジーンズと言えるだろう。

UNITED TOKYO セルビッチテーパードデニム

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 ボトムスの多様化の動きを受けて、ジーンズのシルエットも大きく多様化を遂げている。こちらのジーンズは、もも回りにゆとりを持たせながらも裾に向かって大きく細くなっていくテーパードシルエット。

 細身一辺倒になりがちだったジーンズにこうした上品なシルエットが現れたのも、近年のデニムの大きな特徴と言えるだろう。

 また、広島県産というのもこちらのジーンズの見逃せないポイント。岡山と並ぶ日本の二大デニム名産地、広島で作られており、品質は折り紙付きだ。
 

EDIFICE ライトデニムスウェットパンツ

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 ジーンズではなく、「デニム素材」のボトムスも非常に今らしい選択肢だろう。リラックス感のある伸縮性のあるデニムを使用しているので、スラックスの上品さを備えながらも、耐久性と動きやすさは抜群。

 テーパードした美しいシルエットと、足元に軽快な印象を与えるクロップド丈に加え、カラーはインディゴ風の染めなのでで、ドレープとともに美しい色落ちを楽しめる。


 全盛期に比べれば確かに生産量は下がってしまたものの、多様化したファッションアイテムの一つとなった、というだけでニュースになってしまうのは、それだけジーンズが我々にとって大きな存在であったことの証左とも言える。

 本記事で紹介した通り、帆船にもなるなど様々な進化を遂げ「文化」として定着しつつあるジーンズ。改めてその存在を見つめ直してみるのもいいかもしれない。

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