1. 日本の温泉が忘れられない!:外国人に浸透する日本の“ONSEN”文化

日本の温泉が忘れられない!:外国人に浸透する日本の“ONSEN”文化

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 ここ数年温泉などで外国人の方を目にすることがグッと増えことに気づく読者も多いだろう。それもそのはず、観光庁によれば今年の10月31日の時点までに訪日外国人の数が初の2,000万人を突破。去年1年間の訪日観光客数1,974万人を早くも上回った。

 日本の温泉は訪日観光客にも人気で、温泉目的に日本に旅行に来る観光客も少なくない。そこで今回、世界の「ONSEN」に成りつつある温泉ビジネスについて紹介する。

今や日本の温泉ビジネスを支えるのは外国人

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 少子化と景気の影響で来客数は減少傾向にあった温泉ビジネス。そこで温泉旅館が最初に取り組んだのは、訪日観光客のために英語を中心とする多言語サイトの作成や社員の英語研修といった基本的なことだ。

  その結果、英語圏の観光客を中心に訪問者が増え、口コミによって英語を話せるアジア圏の人々にまで範囲は拡大、ツアー観光客だけではなく個人で訪れるFIT(海外個人旅行者)にまで普及し、日本の重要な観光資源として蘇った。

 最も多くの外国人観光客が訪れる東京では、以前から観光客に「東京には温泉を楽しめる旅館がない」と言われてきたが、「インバウンドの取り込みこそが観光ビジネス成長の鍵となる」と大手総合リゾート運営会社の星野リゾートによって、丸の内に大手町温泉が2016年5月にオープンした。このように近年外国人をターゲットにした温泉旅館が増加している。

 2015年はホテル不足やホテルの室料の高騰が話題となった。日本交通公社によれば、訪日観光客の宿泊してみたい施設で日本旅館は約7割近い観光客に支持され第1位。行ってみたい観光地のイメージで第6位だ。しかし実際の稼働率はホテルを下回り、訪日観光客の受け入れに課題がある。

 要因としては、ホテルに比べ、旅館のインターネット予約サイトへの登録が進んでいない現状が関係している。FITの宿泊予約の約7割はネット予約によって行われている。温泉地などに多い日本旅館の活用は観光ビジネスにおいて日本の最重要課題といえるだろう。

日本の温泉はテーマパーク?:外国人に人気の温泉施設

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 日本の温泉は海外の人たちからの注目度が高く、時には旅行者たちからテーマパークと例えられるほど。そこで下記に外国人旅行者に人気の温泉施設を紹介する。

テーマパークのような温泉:大江戸温泉物語

 東京お台場にある「大江戸温泉物語」は、江戸の下町のような風情を楽しめる日本最大級の温泉施設。PM11:00~AM8:00まで営業しており深夜でも温泉に入ることが可能。成田や羽田などの空港へのシャトルバスもあり、アクセス面でも非常に優れている。

 13種の多彩な湯船に、充実したアメニティグッズ、手ぶらで行っても安心だ。館内では浴衣の無料貸し出しを行っており、広小路を模したエリアでは江戸の縁日の様な気分を味わうことができる。

 日本の伝統文化を手軽に体感でき外国人観光客に大人気の施設だ。大江戸温泉物語に行った外国人からは、「温泉なのにまるでテーマパークだ!」、「帰国してからも大江戸温泉が忘れられない!」といった声が上がるほどだ。

 2015年のトリップアドバイザーによる、外国人がクールだと評価した日本の観光スポット20で第5位にランクイン。これは第6位の東京ディズニーシーや第20位のユニバーサル・スタジオ・ジャパンを上回る評価だ。
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平安時代にタイムスリップ?:社乃森

 まるで平安時代に来たかのような雰囲気を味わえる温泉旅館が徳島県にある社乃森だ。お堀で囲まれた3,000坪の広大な敷地の中に僅か10部屋。1部屋約50畳、御簾や調度品など平安時代の文献を参考に細部までこだわりが詰まった平安絵巻のような贅沢な作りとなっている。

 宿の温泉は箱舟型の大きな露天風呂の天然掛け流し、肌に吸い付くようなしっとりとした泉質が特徴だ。食事は豪華な懐石料理が10品以上並ぶ。

 旅館内では平安時代の貴族の生活を心ゆくまで楽しむことができ、十二単や狩衣、直衣を着る体験が可能。

 さらに扇を的めがけて当てる平安時代の伝統的なゲーム“投扇興”を体験したり、夕暮れ時には神楽舞や平安王朝舞などを鑑賞することができる。1000年の時を超えた見たことのない世界が観光客たちを待っている。

世界に狙いを定めた日本の“ONSEN”

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温泉マークが変わる?

 今私たち日本人におなじみの温泉マークが変わろうとしている。2016年7月に経済産業省によって温泉マークなどを含むピクトグラムを外国人にも分かりやすくするため、JIS(日本工業規格)で定めている標準的な図案を来年夏に改定すると発表した。140種類あるうち70種類を変更するほか、新たに40種類を加える予定だ。

 背景として2020年に控えた、東京オリンピックに向けて、外国人観光客の誤解を防止するためだ。群馬県の磯部温泉が温泉マークの変更の中止を求めるなど「温泉マークはそのままであって欲しい」という声も多い中で、2017年の夏に注目が集まる。

温泉でタトゥーがOK?

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 長きに渡り「タトゥーお断り」の風潮がある日本の温浴だが、ファッションタトゥーや訪日観光客の増加で変化を向かえている。

 2015年10月、観光庁が全国およそ3,800カ所の旅館、ホテルに対して実施したアンケートの結果、入れ墨・タトゥーがある客の入浴についておよそ半数の約56%の施設が拒否と回答。

 その一方、拒否していない施設が約31%、タトゥーシールで隠すなど、条件を満たせば許可している施設が約13%という結果がでた。
 
 反社会的人物の排除を目的として始まったとされる入浴禁止規定。ファッションタトゥーを入れる人の増加や、タトゥー文化に寛容な外国人の旅行者の増加に伴いそうした自主規制に限界がある。温浴振興協会代表理事の諸星氏も次のように語る。

入れ墨・タトゥーを入れる人の大半が反社会的な人とは限らなくなり、また、暴対法の徹底により暴力団が大手を振って温浴施設を利用できる環境ではなくなったいま、無条件に入浴拒否という姿勢はいかがなものか

出典:タトゥーの人も入浴OKへ、温泉業界が変わる? | 日本再発見 | ニューズ ...

ルールや条件に則って利用するならば、入れ墨・タトゥーをしている人でも温泉を楽しむ権利はあってしかるべき。2020年の東京オリンピック開催でさらなるインバウンド増加が予測され、機運が高まるいまこそ、業界全体で前向きな議論を展開してほしい

出典:タトゥーの人も入浴OKへ、温泉業界が変わる? | 日本再発見 | ニューズ ...



 2020年の東京オリンピック開催によって今後異なる文化・風習、宗教を持つ、訪日観光客のさらなる増加が見込める。温泉ビジネスをより盛り上げていくには訪日観光客の力は不可欠だ。

 タトゥーの認識を始め、より柔軟な思考が求められる。1人でも多くの外国人に温泉を始め日本を楽しんで貰うことを最優先に考えることが、日本人が大切にする“おもてなし”の心ではないだろうか。

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