1. モノ消費からコト消費へ:時代に合わせて生まれ変わる銀座の新スポット“GSIX”が明らかに!

モノ消費からコト消費へ:時代に合わせて生まれ変わる銀座の新スポット“GSIX”が明らかに!

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出典:ginza6.tokyo
 再開発の進む東京・銀座に「GINZA SIX」(通称GSIX)が来年4月にオープンする。そして10月26日、GSIXの概要が発表された。今までと大きく変わるのは、その商業施設のあり方だった。

 GSIXが新たに試みる時代に合わせた商業施設のあり方とは一体どのようなものか。そして、現代の消費スタイルはどうなっているのか見ていきたい。

時代に合わせたフラグシップショップ型商業施設「GSIX」

 2016年10月26日、「大丸松坂屋百貨店」や「パルコ」などを傘下に持つJ.フロントリテイリングは森ビルなどと共同で進める、松坂屋銀座店跡地の再開発としてオープンするGSIXの概要を発表した。

 J.フロントリテイリングは、今の商業施設を進化させることでなく、時代に合わせて新しいモデルの商業施設を作ることが大切だと言及した。GSIXは従来の百貨店とは決別し、全く新しいスタイルの商業施設として誕生するのだ。

モノ消費からコト消費:現代はストーリー消費の時代へ

 株式会社ジェイアール東日本企画が「普段の生活に関する定性調査及び定量調査」を行った。調査分析の結果「モノ消費からコト消費へ」という消費傾向シフトは、時代や社会の移り変わりによる価値観の変化によって生まれた新しい生活ニーズ(豊かな経験・体験を積み重ねて日々を充実させたい、その結果が豊かな人生につながるという考え)によるものだということが分かった。

 大量消費の時代が終焉し、「モノ」そのものに価値を見出してきた時代からモノの先にある「コト」へと価値が移り変わり、さらに「コト」に対する「共感」が重視される時代へと変わったのである。

 その共感が喚起されるのが「ストーリー」(そのものの体験や世界観といった情緒的な付加価値)であり、そこで共感を生み出す商品が消費される時代、つまりストーリー消費の時代になったとされている。

GSIXが試みるフラグシップ型の施設とは

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 冒頭でも述べたように、GSIXのあり方は時代がモノ消費からコト消費、そしてストーリー消費へ変化するよう時代の変化や流行に従って、店舗やその外観を変化できること。変わる部分と変わらない部分の共存が重要だと述べている。

 建築全体は変わらない部分であり、店舗が変わる部分として何十年後もGSIXの外観は永久に街の姿を映し続ける。

 銀座の中央通りに並ぶ店舗によって自由にデザイン、時代とともに変わり続けていく風景を理想と掲げているそうだ。

 そして、その時代に合わせた商業施設のあり方というのが「フラグシップ型の商業施設」である。フラグシップ型とは、自社のコンセプトや提案をビジュアル・マーチャンダイジング(コンセプトに沿ってデザイン・プロモーションする)で提供することをいう。

 フラグシップ型にすることで将来、店舗や流行が変化した場合にも、ブランドを掛け替えることで容易に対応し、新しいイメージを演出できると述べている。

好調な紳士服オーダーとストーリー消費との関係性

 モノが売れないと言われているこのご時世で、20代の若い世代を中心に紳士服オーダーメイドの需要が増えている。特に現代の若い世代は、自らがモノ・コトに手を加えることを好む世代だという。自分らしさやこだわりを買うものに込める特徴があるそうだ。このことがストーリー消費の傾向を助長させてるという。

 オーダーメイドスーツは、消費者の「自分らしさ」自分だけのストーリー」を作り、共感を生み出すことができるので、より満足度の高い「ユーザー体験」を生み出すことが可能なのだ。

 そんなオーダーメイドスーツの需要が増えている昨今、各企業が行う新しいサービス・戦略を見てみたいと思う。

業界1位:青山商事「UNIVERSAL LANGUAGE MEASURE’S」

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出典:www.uktsc.com
 紳士服・スーツ売り上げトップを誇り、「洋服の青山」で有名な青山商事は2016年2月よりカスタムオーダーを主体とする「UNIVERSAL LANGUAGE MEASURE’S」を展開。米国オクシピタル社の3Dカメラの技術を応用し、独自開発した業界初の「バーチャルフィッティングアバターシステム」を活用している。

 このシステムは、客を3Dカメラで撮影し、タブレット上に自分のアバターを作り、好みのスーツを仮想試着させるものである。この様な技術を取り入れることで、試着の手間を省き、より気軽にオーダーメイドを楽しむことを実現させた。

 600種類以上の生地見本を用意するほか、3万9,000円よりオーダーすることができるため、若い世代にも人気が高いという。

業界2位:株式会社AOKI「THE TAILOR SHOP AOKI」

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出典:www.insideout-ltd.jp
 株式会社AOKIがあらたに展開した「THE TAILOR SHOP AOKI」は、これまでAOKIが培ってきた伝統のテーラード技術をベースとして、品質・機能性を重視した本格的な “スーツ創り”をコンセプトとしている。

 注目すべきは「AOKI OASYS」という最新システムである。このシステムは、採寸した後、10種の型と350種類の生地からカスタマイズしたオリジナルスーツの仕上がりイメージ、ネクタイなどを含めたトータルコーディネートのアイデア、さらには価格などをタブレット端末を通して確認することを可能にした。

 そして、一度作ったスーツは端末に記録され、閲覧・確認することができ、新しくオーダーメイドのスーツを作る際にも前回のサイズデータを利用して、オンラインショップからオーダーすることができるため、実際に店舗に行かなくてもオーダーメイドのスーツを作ることができる。4万9,000円からオーダー可能で、2016年11月8日より全国でサービス開始の予定だ。

プロデューサーに佐藤可士和氏を起用:株式会社コナカ「DIFFERENCE」

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出典:difference.tokyo
 株式会社コナカは登録された自身の採寸データをもとに、スマホアプリでオーダーメイドスーツやシャツなどを注文できる「DIFFERENCE」というサービスを2016年10月1日より開始した。

 初回はプロのテイラーによってショップでの採寸し、そのデータをもとに、二着目以降は自らがスマホアプリを操作して、さまざまなカスタマイズや注文ができるようになっている。スーツ作りのプロセスを自分で体験することが可能で、好きな時間に好きなスタイルを楽しみながらお気に入りの一着を作ることができるとしている。

 このサービスのトータルプロデューサーにクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏を起用。商品サービスの開発や、フラグシップショップのデザインも担当した。また、スマホアプリやウェブサイトのディレクションにウェブデザイナーの中村勇吾氏を起用したことで、アプリも高級感溢れるスマートなデザインとなっている。
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出典:www.e-perpustakaan.com
 大量生産・大量消費の時代から一変、モノやコトのストーリー性を重視した消費の傾向にあると述べてきたが、この変化はSNSなどで自分自身がどのような人間かをアピールする機会が増えたことも関係しているのではないだろうか。よく「日本人は自我がない」「みんな同じだ」と海外から揶揄されることがある。しかし、消費行動の変化からみてもその傾向が変わりつつあるのではないだろうか。

 他人とは違う、自分らしさを持つことは決して悪いことではないし、モノに自分だけのストーリーを込めることで、より大切に使うことができるだろう。

 衰退しつつあると言われている日本の百貨店だが、GSIXの新たな試みは、百貨店事業の大きな転機になるだろう。再開発された銀座の街並みと、来春のオープンが待ち遠しい。

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