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格安648円スマホ「MONO」投入&下り最大500Mbps:攻めの一手でドコモが冬春を制するか?

村元正剛

2016/10/25(最終更新日:2016/10/25)


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 NTTドコモが、2016~2017年の冬春期に発売する新モデルを発表した。今回発表されたのはスマートフォン8機種、ケータイ4機種、モバイルWi-Fiルーター1機種の全13機種となる。

 下り最大500Mbps超に対応するハイエンドモデルから、オリジナルの激安スマホまで、吉澤和宏新社長が率いるNTTドコモの“本気”が感じられるラインナップだった。

NTTドコモ渾身のオリジナル端末「MONO」は648円!

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 新たに発表されたスマホの中で、NTTドコモのイチ押しと言えるのが、オリジナルスマホ「MONO MO-01J」(12月上旬発売)だ。

 NTTドコモが企画・開発し製造はZTEが担ったエントリーモデル。しかし、スペックは必要十分でデザイン性・使い勝手にも注力している。なお、今年のグッドデザイン賞も受賞している。
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 約4.7インチのHDディスプレイを搭載し、CPUは1.5GHz+1.2GHzのオクタコア、RAMは2GB。日常的な用途に十分なスペックを備え、防水・防塵にも対応している。

 最大のセールスポイントは価格で、12カ月連続利用を条件とする端末購入サポートを利用して購入する場合は負担金が648円。頭金として648円を支払ったら、分割払いは一切不要という点だ。
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 総務省は昨年来、スマホの安売りに目を光らせている。この648円という価格設定は、端末料金のガイドラインに抵触しないのか気になるところだが、吉澤社長いわく「卸値が3万円以下の端末はガイドラインの適用外になる」という。

 NTTドコモのユーザーがSIMフリーの格安スマホに流出するのを阻止するための戦略的なモデルと言っていいだろう。

Xperia XZは、下り最大500Mbpsに対応!

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 今季のフラッグシップに位置付けられる「Xperia XZ SO-01J」(11月上旬発売)は、「256QAM」という新しい通信技術に対応し、来年3月以降、下り最大500Mbpsで通信できることが利点。Xperia XZは、au(KDDI)、ソフトバンクからも発売されるが、速度面ではドコモ版にアドバンテージがある。
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 カメラ性能も強化されており、レーザーAFにより、暗い場所でも素早くピントが合い、RGBC-IRセンサーの搭載によって、色の忠実性も高めている。スマホ初となる5軸手ブレ補正にも対応し、約1,320万画素のインカメラで自撮りも高画質で楽しめる。

B&OとコラボしたV20 PROは超ハイエンド仕様

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 LG製の「V20 PRO L-01J」(2017年2月発売)も下り最大500Mbpsに対応するハイエンドモデルだ。最大の特徴は、世界中にファンを持つデンマークのオーディオメーカーBang & Olufsenのエンジニアとサウンドマスターがチューニングした音楽再生機能を搭載したこと。スマホでは世界初のQuad-DACを搭載し、ハイレゾ音源だけでなく、一般的な圧縮音源も高音質で聴けることが大きなセールスポイントとなる。

 Android 7.0を初期搭載し、今季唯一のQHD(2560×1440ドット)ディスプレイを搭載。カメラは1,620万画素(標準)と820万画素(広角)のデュアル構成で、指紋センサーも搭載。防水・防塵、ワンセグ・フルセグにも対応する。スペック重視のヘヴィユーザーは見逃せない1台となりそうだ。

NTTドコモだけが取り扱うXperia X Compact

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 4.6インチのHDディスプレイを搭載する「Xperia X Compact SO-02J」(11月上旬発売)は、日本ではドコモだけが取り扱う。

 Xperia XZと同じ2,300万画素のカメラを搭載し、ソニー独自のDSEE HXに対応した音楽再生アプリで、MP3などの圧縮音源もハイレゾ相当の高音質に楽しめるなど、コンパクトながら満足度が高そうな仕上がり。陶器のような光沢を放つボディは、手触りも心地良く、ぜひ店頭で実機に触れてみてほしい。

さらに耐衝撃性を強化したarrows NX

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 富士通製のarrowsシリーズは、従来から米国国防総省が定める資材調達基準「MIL規格」に準拠していたが、この「arrows NX F-01J」(12月上旬発売)では落下時の耐衝撃性をさらに強化。1.5mの高さからコンクリートの地面に落下させても、画面が割れず、故障しない性能を確保している。虹彩認証に対応していることや、オンキョーの監修により、音質を向上させたこともセールスポイントだ。

ミドルレンジへと進化したAQUOS EVER

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 シャープ製の「AQUOS EVER SH-02J」(11月上旬発売)は、昨年“ドコモ版格安スマホ”とも呼ばれ、堅調なセールスを記録したAQUOS EVER SH-04Gの後継モデル。今季は、エントリー向けのMONOと競合させないためか、AQUOS EVERのスペックを向上させ、ミドルクラスに格上げした印象だ。

 省電力に優れたIGZOディスプレイを搭載し、防水・防塵に対応し、指紋センサーも備えている。着信が楽しくなりそうな「ヒカリエモーション」や、使っているうちに便利さを実感できる「エモパー」にも対応。一見、これといった特徴は見つけにくいが、実は個性的な端末で、実用面でも満足度も高そうだ。

多様なニーズに応える端末もラインナップ

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 2年半ぶりのリリースとなる「らくらくスマートフォン4 F-04J」(2017年3月発売)は、人気のデザインでシンプルな操作性は継承しつつ、初めてGoogle Playに対応。カメラが1,310万画素になり、VoLTE(+HD)に対応するなど、一般的なスマホに引けを取らない仕様を備えている。
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 ディズニーの最新モデル「Disney Mobile on docomo DM-01J」(2017年2月発売)は、「水の世界」をテーマに、ディズニー・シーの内蔵コンテンツが充実。同梱のオリジナルカバーにはスワロフスキークリスタルがあしらわれている。AQUOS EVER SH-02Jをベースとするモデルで、機能・スペック面でも満足できるだろう。
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 フィーチャーフォンは、AndroidベースのOSを搭載する「AQUOSケータイ SH-01J」(10月21日発売)と「P-smartケータイ P-01J」(11月上旬発売)。どちらもLTE、VoLTE対応だが、Google Playには非対応。従来のガラケーの感覚で操作できるモデル。

 なお、「らくらくホン F-02J」(12月中旬発売)もVoLTE対応で、利用者のニーズに応えてか、LINEも使えるようになった。
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 さらに、2年ぶりとなる「キッズケータイ F-03J」(2017年2月発売)、下り最大682Mbpsに対応するモバイルWi-Fiルーター「Wi-Fi Station N-01J」(2017年3月発売)も用意するという万全の布陣だ。

当初はもう1機種リリースする計画だったが…

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 質疑応答の時間には、発火騒動で製造中止となった「GALAXY Note 7」に関する質問も出た。吉澤社長いわく、当初は、今回のラインナップに加えるべく準備を進めていたそうだが、交換後の端末でも事故があったことを受けて、発売の見送りを決定。同時に、サムスン側からも同様の申し出があったとのこと。

 発売されていたら、Xperia XZと並んで今季のフラッグシップに位置付けられていたはずだ。

 NTTドコモにとっても、大画面の高性能スマホを求めていたユーザーにとっても残念な結果となったが、それでも13機種もの新端末を用意してきたドコモの底力を感じる発表会だった。

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