1. 百花繚乱の映画業界:“洋高邦低”は終わり新時代へ突入!

百花繚乱の映画業界:“洋高邦低”は終わり新時代へ突入!

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 日本の映画業界では、長い間“洋高邦低”と言われ映画の興行収入における邦画のシェアは洋画に負けていた。しかし近年では、邦画がシェアを伸ばし、2006年に邦画が占める割合が1985年以来21年ぶりに洋画の割合を上回り、国内の年間映画興行収入で約784.3億円(一般社団法人 日本映画製作者連盟調べ)を記録。

 以降ここ10年ほどは洋画を上回るという形勢が変わり、互角の戦いが繰り広げられている。そんな映画戦国時代と化した映画業界に迫る。

邦画躍進の要因

映画配給会社とテレビ局の連携

 ここ数年で、人気テレビドラマから映画化した作品を目にすることが多くなったことだろう。「踊る大捜査線」や「HIRO」など、シリーズ化する作品も数多く存在しているのはご存知だろう。

 テレビドラマを映画化する理由は単純明快。人気のテレビドラマは、既存ファンが多いため、ある程度はじめから収益を見込みやすい。映画を製作する上で最も重要なポイントは、映画がヒットすること。リスクなく確実に収益が見込めるかが大事になってくるのは当然だろう。

 さらにイチからストーリーを作って企画を練るよりも映画を作りやすく、CMをはじめとする宣伝活動もテレビ局と連携して行えるなどメリットが大きいのも特徴だ。興行成績が10億円を超えればヒットとされる日本の映画業界で、現状興行収入10億を下回る作品はほとんどない。したがって人気テレビドラマを映画化することで、制作会社が背負うリスクは減ってくる。
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漫画、小説、アニメの映画化

 2016年だけでも、数多くの人気漫画、小説、アニメを原作に持つ作品が上映されたのは周知の事実だ。2017年度以降上映の作品も含め、多くの作品の実写化が予定されている。その中でも今年大ヒットした「君の名は。」は2016年10月21日現在、日本のアニメーション映画歴代3位に位置し、興行収入は150億円を超え、200億円も射程圏内。空前の大ヒットとなった。

 さらに今年は「シン・ゴジラ」のヒットもあり、映画業界は大きな成功を収めたといえる。人気漫画、小説、アニメを原作に持つ作品も、人気テレビドラマの映画化と同様にファンの集客を見込むことができ、制作費も抑えられる点が映画業界に重宝されている要因だ。

2016年映画興行収入ランキングトップ5(10月21日現在)

  • 1位:君の名は。(154億円)邦画
  • 2位:シン・ゴジラ(77億円)邦画
  • 3位:ズートピア(76億円)洋画
  • 4位:ファインディング・ドリー(68億円)洋画
  • 5位:名探偵コナン 純黒の悪夢(63億円)邦画
 上記は、ニュースサイトを元に算出したランキングだ。上位5作品中3作品が邦画。実写化やアニメーションの邦画作品が、いかに映画産業を支えているかがわかる。 

日本の映画業界全体を見ると

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 「君の名は。」や「シン・ゴジラ」などのヒットによって、日本の映画業界は明るいように見える。しかし全国のスクリーン数をみると2011年に18年ぶりに減少し、頭打ちを見せた。さらに全国のミニシアターの経営も厳しく、相次いで休館を余儀なくされている。

 全国の各映画館1スクリーンあたりの年間興行収入は、平均すると確実に減少傾向にある。映画館側は通常、配給会社に興行収入の50%を支払わなければならないため、地方にある映画館やミニシアターの経営がいかに困難かわかるだろう。
 
 近年では3Dや4DXなどのIMAX導入の代わりに、1本あたりの値を上げるなど新たな試み行われている。

映画業界に新たな活路を見い出す? 中国市場

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 2015年、中国国内の映画産業の興行収入は、前年の約5,700億円から46.6%増の7,920億円と大きく伸び、観客動員数も10億人を突破した。映画館を訪れる観客は過去5年で毎年平均30%超と、爆発的な増加をたどっている。

 MPAA(米国映画協会)によると、現在中国が世界第2位の映画マーケットとなっているという。ネット上では1、2年以内に1位の北米市場を上回るのではないかとも、噂されている。

 その結果中国市場の盛り上がりが、ハリウッドに影響を及ぼしはじめ、さまざまなニュースサイトでも、近年上映されたハリウッド作品の中に描かれる中国要素の、盛り込みの多さが話題となった。

 そうした中で、中国では日本映画にも関心が高まっている。映画「ビリギャル」は公開されると興行成績初登場7位を記録。中国で長い間興行成績が振るってなかっただけに、邦画の中国市場拡大の活路を見い出す結果となった。


 今回は日本の映画業界について焦点を当てて紹介した。近年の人気原作の実写化で賛否を呼んでいる話題だが、実写化される理由が理解されただろう。そして今後日本が世界と渡り歩くには、アニメーションや人気のマンガ原作は不可欠だ。中国市場が急速な発展を遂げる中、日本の映画業界が淘汰されないためにも、今一度、実写化やアニメーション作品と向き合ってみてはいかがだろうか。

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