1. セルフィー世代には新鮮な“使い捨てカメラ”:「写ルンです」の人気が再燃している理由

セルフィー世代には新鮮な“使い捨てカメラ”:「写ルンです」の人気が再燃している理由

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 90年代に大ブームを起こしたレンズ付きフィルムカメラ「写ルンです」の売り上げが好調を維持している。

 2012年には、デジカメやカメラ付きケータイの普及で、大幅な生産縮小が行われたこのカメラが、なぜ2016年のいまになって話題を集めているのか理由を探ってみよう。

発売から30年売られ続けるロングセラー商品

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 「写ルンです」は、富士フイルムが1986年に初号機を発売した使い捨てカメラのこと。正式には「レンズ付きフィルム」というジャンルに分類される。なぜなら、部品は捨てられるわけではなく、リサイクルされるからである。

 写真を1枚撮るごとにフィルムをカリカリ巻くフィルムカメラならではの仕様は、90年代に青春時代を過ごした人にとっては懐かしいとすら感じるアイテムだ。

「いつでも、どこでも、誰にでも簡単にきれいな写真が撮れる」がコンセプト

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by Miss C.J.
 このカメラの最大の特徴は「いつでも、どこでも、誰にでも簡単にきれいな写真が撮れる」こと。当時はコンパクトタイプのカメラが4万円前後と高価だったため、“カメラで写真を撮る”という行為を誰もがするにはハードルが高かった。

 そんななか登場した写ルンですは、1,000円前後というリーズナブルな価格で登場。さらに、シャッターを押してフィルムを巻き取るだけのシンプルな操作性は。子供からお年寄りまで幅広い年齢層にヒットした。これまでは“写真は記念日に撮るもの”だったのが、同商品の普及により“日常”になったのだ。

発売からわずか半年で100万本を販売

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 写ルンですは、発売からわずか半年で100万本売れるヒット商品へと成長した。しかし、枚数を気にせず、撮ったその場で写真を確認できるデジタルカメラや、手軽に写真が撮れるカメラ付きケータイの普及で、1997年をピークにレンズ付きフィルム市場は急速に縮小。2012年頃から毎年20~30%の落ち込みを記録しながらも、他社が次々と撤退するなかで残ったのが富士フイルムだった。

30周年を迎えた今年は限定キットも登場

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 写真のデジタル化が進むなか、アナログならではの“写真の柔らかさ”に着目した同社は、愛好家を意識した商品展開を続ける。

 2016年には初代「写ルンです」の外観を模した「アニバーサリーキット」を数量限定販売。同年7月15日の発売30周年に合わせ第2弾も投入した。第1弾は5万本限定で3カ月で完売。第2弾も5万本限定で販売し、Amazonなどでは現在も購入可能だ。

写ルンですが若い世代にウケている理由は?

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 東京・原宿にある富士フイルムの直営店では、写ルンですの売れ行きは例年の5倍を誇るほど好調だ。

 また、写真共有SNS「Instagram」では「#写ルンです」のハッシュタグと共に投稿された写真が7万8,000件以上にものぼる。

1.淡い風合いの写真がスマホ世代には新鮮

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 スマホで撮った写真にフィルター加工を施してSNSで共有するのが日常になりつつあるいま、フィルムカメラで撮影した写真は「レトロでいい」といった意見が多い。あえてフラッシュをオンにして撮影することで、強めのフラッシュが被写体に当たって陰影が出て「レトロ感」を演出できる。

2.人気の若手写真家やファッショニスタも愛用

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 ファッション誌や広告などを手がける注目の若手写真家・奥山由之氏も、写ルンですなどのフィルムカメラ愛好家の1人。デジタル写真が一般的ないま、あえてザラッとした質感に仕上がる写ルンですを使った作品を数多く発表している。

 奥山氏だけでなく、ファッショニスタやモデルにも愛用者は多い。先日、バラエティ番組で高畑充希が愛用しているのを見かけたのだが、20歳前後の写ルンですブームを知らない世代にも着実に響いているようだ。

3.データ化すればSNSにアップできる

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 フィルムカメラといえば紙焼きの写真のイメージが強いが、写真店ではデータをCD-Rに焼いてもらうこともできる。ただし、データをパソコンに保存し、さらにスマホに保存するという手間が発生する。

 デジカメやスマホならもっと簡単にSNSでシェアできるが、スマホアプリのフィルター加工では得られないような本物の“フィルムっぽさ”に溢れた写真をシェアするためなら、多少の面倒臭さも良しとする人に向く。

 現像するまで写真の仕上がりがわからないドキドキ感や、目にしたものをそのまま伝えられる手軽さが同居する「写ルンです」。“古さのなかにあるイマっぽさ”を楽しんでみよう。

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