1. 史上最強のハリケーン“カトリーナ”の再来:ハリケーン“マシュー”の猛威をレポート

史上最強のハリケーン“カトリーナ”の再来:ハリケーン“マシュー”の猛威をレポート

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出典:www.reuters.com
 中米ハイチをはじめ、アメリカ大陸に猛威を振るった大型のハリケーン“マシュー”。

 このハリケーンによる死者は1,000人を上回り、その被害規模はアメリカ史上最大1,540億ドルの被害をもたらし、最大レベルと呼ばれる「カテゴリー5」のハリケーン“カトリーナ”に次ぐ「カテゴリー4」と指定された。

 本記事では、この“マシュー”が与えた被害に迫っていく。

ハリケーンの定義とは

ハリケーンと台風そもそもなにが違うのか?

 ハリケーンと台風の違いは、簡潔に言えば、「発生した場所」と「規模」の違いとなり、どれも熱帯低気圧だということになる。
 
 大西洋北西部で発生した、熱帯低気圧を台風(北半球東経100度〜180度)、大西洋北部・太平洋北東部・太平洋北中部で発生した熱帯低気圧がハリケーン(太平洋上の赤道より北、東経180度より東、大西洋上で発生したもの)。ちなみに、インド洋北部・インド洋南部・太平洋南部で発生した熱帯低気圧はサイクロンと呼ばれる。

 規模は、台風が、日本では風速17.2m/s以上、世界標準では風速33m/s以上。ハリケーンが風速33m/s以上と規定され、ハリケーンが風速17.2m/s以上と定義されている。

ハリケーンの分類分け

  • カテゴリー1:風速33〜42(m/s)
  • カテゴリー2:風速43〜48(m/s)
  • カテゴリー3:風速49〜58(m/s)
  • カテゴリー4:風速59〜69(m/s)
  • カテゴリー5:風速70(m/s)

ハリケーンの名前はなぜ人の名前なのか? 命名権は誰にあるのか?

  日本の台風のように数字ではなく、ハリケーンになぜ人名を付けるようになったのかというと、20世紀初頭まで大規模なものにしか、命名はされていなかった。

 しかし、複数のハリケーンが発生した場合、どれが先に発生したのかが不明瞭になるため、親しみやすく使いやすい人名を付けるようになったという。

  ではハリケーンの命名権はどこにあるのか? 命名権を持つ機関は2カ所ある。米国海洋大気局国立ハリケーンセンター(フロリダ州)と中部太平洋ハリケーンセンター(ハワイ州)である。地域ごとに分業され、これらの名前はあらかじめ年度ごと、リスト化され決められている。大規模な被害を与えたハリケーンは、今後名付けられるリストから外され“永久欠名”される。

2005年以降最強のハリケーン“マシュー”の猛威

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出典:www.cbc.ca
 ハリケーン“マシュー”による死者はハイチで1,000人を越え、アメリカで27人となった。

 その後“マシュー”は勢力を弱め、熱帯低気圧に変わった後も、各地を大雨で襲った。土砂崩れや洪水などによって、10月10日付のアメリカABCテレビによれば、ノースカロライナ州では、孤立している地域で、未だにボートなどを使った救出活動が続けられており、100万世帯以上が停電し、被害はさらに広がったとみられている。

 アメリカ上陸前は、最大で被害額5兆円を超えると予測されていた経済的損失は、アメリカの調査会社コアロジックによれば10月8日に、一連のハリケーンの被害額が最大で約6,100億円に上るとの試算を発表している。

 死者数が最も多かった、ハイチは、ユニセフによると、猛威を振るって1週間以上が経過した今、少なくとも、300校以上が全半壊、10万人以上が勉強を再開できない恐れがあるという。

 さらには、電気や水道のライフラインの麻痺によって、衛生状態が悪化。それに伴いコレラの蔓延が危惧されている。

 今回のハリケーンによって、国際連合人道問題調整事務所は、35万人の人々に、緊急援助の必要があると報じた。

経済誌エコノミストによる災害ランキングトップ5

  • 1位:東日本大震災(2011年:日本)
  • 2位:阪神淡路大震災(1995年:日本)
  • 3位:ハリケーン“カトリーナ”(2005年:アメリカ)
  • 4位:ノースリッジ地震(1994:アメリカ)
  • 5位:四川大地震(2008年:中国)
 上記は経済誌エコノミストによる、1965年以降に起こった経済的損失額の大きかった自然災害ランキングだ。我々の記憶に新しい東日本大震災をはじめ、史上最強のハリケーン“カトリーナ”などが名を連ねている。
 
 ちなみに史上最強のハリケーン“カトリーナ”と今回のハリケーン“マシュー”を比較すると、“カトリーナが最高中心気圧902hPa、最大風速78m/s。“マシュー”が中心気圧941hPa、最大風速75m/sだ。

 今年北海道を始め、日本を騒がせた台風10号ですら、上陸時955hPa、最大風速45メートル(気象庁)ということを考えると、恐ろしさが際立つだろう。


 今回のハリケーンによってアメリカ大陸には甚大な被害が出た。特に中米ハイチでは、2010年に起こった大地震の影響からまだ立ち直れてない状態だったにも関わらず今回の災害に遭ってしまった。

 コレラ蔓延の危険性や、ライフラインの復旧にはまだまだ時間を要する。自然災害が他国より身近な存在の日本。今回のハリケーン“マシュー”による被害は理解しやすいはずだ。

 現在ユニセフなどによって、世界中から募金など支援を募っている。“マシュー”襲来から1週間以上経過した今、“海外の出来事”と思わず目を向けていただきたい。

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