1. “ミス慶應コンテスト”中止で浮き彫りに…未成年者による後を絶たない飲酒問題

“ミス慶應コンテスト”中止で浮き彫りに…未成年者による後を絶たない飲酒問題

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by Dick Thomas Johnson
 2016年度の中止を余儀なくされた“ミス慶應コンテスト”。そこで問題となった未成年者の飲酒問題。さらに、ミスコンを運営する広告学研究会のメンバーによる性的暴行が、新たにニュースサイトの調べによって明るみとなった。“女子アナウンサーの登竜門”とも言われてるだけに、中止を惜しむ声は大きい。

 さらに慶應義塾大学塾長名で出された告示によれば、企画・運営を行う慶應義塾大学広告学研究会は、「団体としての体質、実態が負不適当であることは明白」だとして、正式に解散命令を下された。そこで今回は、未成年の飲酒問題についてフォーカスする。

女子アナの登竜門:慶應義塾大学のミスコン

 慶應義塾大学三田キャンパスで毎年開かれる“ミス慶應コンテスト”。歴代のグランプリ受賞者からは、アナウンサーを始め、多くの著名人を輩出しており、“女子アナウンサーの登竜門”と言われるだけあって協賛企業も多く、注目度も高い。

 また、将来マスコミ関係の仕事を志し、ステップアップとして考える参加者も少なくない。しかし、今回の運営側の未成年飲酒を煽るなどの不祥事によって、2016年度のコンテストの開催が中止となり、来年度以降の開催も不透明となっている。

歴代の主なグランプリ受賞者

  • 1999年:中野美奈子 元フジテレビアナウンサー
  • 2000年:鈴江奈々 日本テレビアナウンサー
  • 2001年:青木裕子 元TBSアナウンサー
  • 2006年:竹内由恵 テレビ朝日アナウンサー
  • 2013年:宇内梨沙 テレビ朝日アナウンサー

過去3年以内に起こった未成年飲酒による主な不祥事

東北大学の学生寮で起こった未成年飲酒問題

 問題は2014年、日本4大自治寮にも数えられる東北大学の“名善寮”で起こった。問題発覚後、学校側の調査によれば、未成年の飲酒は10年以上前から行われていたという。

 寮に入寮できるのは1、2年生の男子生徒に限定され、寮の共用スペースで、2年生による1年生へのアルコールの強要が問題となった。寮生がアルコール中毒で度々救急車で搬送されたり、近隣の住人からの度重なる苦情を受け、以前から大学側は改善命令を出していた。

 しかし改善がみられないとして、大学側は、寮生全員に退去命令を下し、105名の寮生が被害を被った。その中には、問題に一切関わっていない寮生も含まれ、抗議の声が相次いだ。

明治大学のテニスサークルによる未成年飲酒問題

 2014年、明治大学のテニスサークルによる、新宿のコマ劇場付近に、数十人単位の女子学生が酩酊状態で倒れている事件は、SNS上ではもちろん各マスメディアでも話題となった。新入生の女子生徒の飲み物の中に、スピリタス(96Vol)を使ったカプセルを入れ酔わせていたことが、後の供述によって明るみとなった。

 警察や救急車も出動する騒ぎとなり、内2名は救急車で病院に搬送された。その手口から2003年に問題となった早稲田大学のサークル“スーパーフリー”を連想させた。その後の警察の調査では、傷害や強姦未遂はなかったことから、事件性はないと判断されたが、事件後5年間、明治大学からは学生を取らないことを決定した企業も現れたという。私立の名門である、学校の看板に泥を塗ることになってしまった。

同志社大学のダンスサークルによる未成年飲酒問題

 2016年の同志社大学の事件は記憶に新しいだろう。当時1年生のダンスサークルの男子学生が、合宿先のホテルの布団の中で意識不明の状態で見つかり、病院へ搬送されたが、その後死亡が確認された。

 司法解剖によると、死因は急性アルコール中毒によるものであった。サークルの仲間と共に、ビールや日本酒、焼酎などを飲んでいたという。

日本国内の飲酒解禁年齢に引き下げの兆し

選挙権の引き下げに伴い、飲酒解禁年齢も引き下げか?

 選挙権年齢の引き下げに伴い、成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げる民法改正案を来年の通常国会で提出する方針を固めたと、複数の政府関係者が明らかにした。

 政府は、憲法の公布から3年程度の周期を見込んでおり、早ければ平成32年から導入される。しかし成人年齢の引き下げには、反発の声も大きい。主要国の多くでは、20歳を前に飲酒が解禁されており、世界的にみれば自然な流れだ。とは言っても、長く続いた成人年齢イコール20歳という認識は大きい。

G7の飲酒解禁年齢

  • アメリカ:21歳(州によって例外あり)
  • 日本:20歳
  • カナダ:19歳(州によって例外あり)
  • イギリス:16歳(スピリッツ、ワインは18歳から)
  • フランス:16歳(3%以下のアルコールに限る、18歳以降は制限なし)
  • ドイツ:16歳(ただしスピリッツは18歳から)
  • イタリア:16歳
 もし成人年齢が引き下げられたときに懸念されているのが、健康上のリスクなどを始め、若者の飲酒運転による交通事故の増加や、18歳を迎えた高校生が二日酔いで学校に登校するのではないかというものだ。法律で縛られなくなれば、学校の校則で取り締まることは、より困難になるだろう。


 若者の飲酒によって発生する問題は、未だになくならない。こうした不祥事が起こっている以上、成人年齢の引き下げに対して、政府は慎重にならなくてはならない。世界的に飲酒解禁年齢は下がりつつあるが、世界の流れに付和雷同することだけは避けたい。今回の慶應義塾大学のミスコンの中止は、非常に社会的注目度が高かっただけに残念ではあるが、未成年飲酒問題の良いターニングポイントとなるかもしれない。

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