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待望の日本上陸:新感覚音楽ストリーミングサービス「Spotify」全力レビュー

U-NOTE編集部

2016/10/06(最終更新日:2016/10/06)


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 9月29日、スウェーデン発祥の音楽ストリーミングサービス「Spotify」が日本でのサービスをスタートさせた。Spotifyは2006年に創業。2008年よりサービスを開始し、欧米を中心に瞬く間にユーザー数を拡大させてきた。

 日本ではすでに「KK BOX」、「AWA」、「LINE MUSIC」、「Apple Music」、「Google Play Music」が先行してサービスを展開しており、最後発となったSpotify。最も待ち望まれていた音楽ストリーミングサービスだけに話題沸騰である。では、他サービスと比べて、何が魅力なのか? 実際に使用してのインプレッションと共にお伝えしていきたい。

世界最大規模を誇るSpotifyの特徴

 Spotifyの特色は、無料プランが用意されていることにある。ただし、無料プランは再生時間に制限があり(現在は30日間で15時間まで)、数曲聴くたびに広告が入る。また、曲を飛ばす回数が決まっていたり、スマートフォンではシャッフル再生(PCやタブレット、PlayStation 4では任意再生可能)になったり、最高音質の320kbpsで聴けなかったりするなど、有料プランと比べると不便になっている。

 そんな制限があるにせよ、4,000万曲以上の楽曲が無料で聴き放題というのは魅力的であり、誰でも試してみたくなるはずだ。まずは無料版で使ってもらい、お金を払うだけのサービスだと感じてもらってから、有料版に移行してもらうというSpotifyの狙いは成功していて、年々有料ユーザーを増やし続けている。

20億にも上るプレイリストの数

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 Spotifyを立ち上げるとまず目に入ってくるのが「おすすめプレイリスト」。ジャンルやシーン、シーズン、シチュエーションなどをテーマにSpotifyが選曲したプレイリストが並べられている。聴きたい作品が思い浮かばなかったり、お目当ての作品がなかったりした場合は気分や好みによってプレイリストを選んで聴ける。この点は他サービスと変わりがないが、Spotifyは20億以上ものプレイリストをストックしている。
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 Spotifyだけでなく、アーティストやレーベル、もしくはSpotifyにアカウントを開設した企業・製品のプレイリストや、ユーザーが作ったプレイリストを楽しむことも可能。ちなみにホワイトハウスもアカウントを持っており、オバマ大統領がプレイリストを公開すると、世界的な話題となった。

ユーザーに合わせたプレイリストを提供

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 また、毎週金曜日にはユーザーの嗜好に合わせた2時間のプレイリスト「Discover Weekly」が自動生成されるほか、毎週月曜日にはフォローしているアーティストから分析して作成される新曲をまとめた「Release Rader」が届けられる。このあたりがSpotifyの個性でもあり、魅力と言えるだろう。

SNSの活用で新たな音楽の楽しみ方を提案

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 Facebookとの親和性が高いのもSpotifyの特徴だ。アカウントをFacebookとリンクさせると、Facebookの友人でSpotifyを使っている人が明らかになり、フォローすることができる。フォロー間同士ではSpotifyのメッセンジャー機能で曲やアルバム 、プレイリストを直接シェアすることが可能だ。アルバムやプレイリストをFacebookの友人に送るのも手軽に行なえる。

日本独自の機能も先行導入

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 さらに世界に先駆けて日本先行で導入された機能もある。「歌詞表示機能」だ。しかも、曲と同期しており、どこを歌っているのかがハイライト表示でひと目でわかった。歌詞の世界観を大事にする邦楽ファンにはうれしい機能である。

今後の発展&課題

 しかし、残念ながら現時点では邦楽のカタログは先行するサービスと比べると少ない。確認したところビクターエンタテインメント、日本コロムビア、テイチクエンタテインメント、キングレコードなど、国内レーベルの音源が提供されていない現状がある。

 ソニー・ミュージックエンタテインメント、ユニバーサル ミュージック、ワーナーミュージック・ジャパンに関しては、その海外会社がSpotifyの株式の一部を保有していることもあり、多くのカタログを提供している。ただ、アーティストや事務所の意向によって聴けないものもある。 例えばSpotifyの海外版で聴けていたPerfumeやSEKAI NO OWARIは、日本版では聴けなくなってしまった。今後は先行サービスが徐々に邦楽カタログを増やしていったのと同様に、邦楽も充実していくことだろう。
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 その他サービスよりもレスポンスが良く、新しい音楽との出会いの場がいくつも用意されているSpotify。現時点ではサービス開始前に登録したユーザーを対象に招待コードが優先的に配られているが、開始後に登録したユーザーにも今月末あたりからコードが送られてくるそうだ。

 誰もがすぐにサービスを使えるような状況になって初めて、最後発のSpotifyが他サービスを駆逐するような“黒船”だったかどうかが判断できるだろう。しかし、実際に使ってみて“黒船”たるだけの実力と魅力を備えていると、現時点でも実感できる。

 あとは音楽にお金を払うユーザーが日本にどれだけいるか。Spotifyだけでなく他のサービスも含めて、成功はそのひとつにかかっている。

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