1. 酒類の消費量は20年前の約15%減:“酒離れ”が進むいま「日本ワイン」の販売量が増えるワケ

酒類の消費量は20年前の約15%減:“酒離れ”が進むいま「日本ワイン」の販売量が増えるワケ

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 若者のアルコール離れが頻繁にメディアに取り上げられるいま、国税庁の調査によると、実際にビールや日本酒など酒類全体の消費量は20年前よりも約15%減っている。

 その一方で、ワインの消費量は過去最高を記録。なかでも日本ワインが注目されており、日本ワインを扱うイベントや飲食店もこの数年で急増している。日本のワイン業界にどんな変化が起こっているのだろうか?

「日本ワイン」と「国産ワイン」には明確な区別がある

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 海外では「ワイン法」という、“ワインを明確に区別するためのルール”が定められている。これまでの日本にはそういったルールが一切なく、「日本ワイン」の定義がないままだった。そのため、「日本ワイン」として販売されている商品のなかにも、海外から輸入したブドウや濃縮果汁を含んでいるものがあったのである。

「山梨ワイン」は日本ワイン初のブランドに

  あくまでも企業の自主規制により「国産ワイン」「日本ワイン」の名が冠されており、これでは消費者がワインを見分けにくいという意見が起こっていた。そこで、国税庁が2015年10月、国産ブドウ100%を使用して国内製造されたワインを「日本ワイン」、海外から輸入したブドウや濃縮果汁を使用して国内で製造されたワインを「国産ワイン」と表示するルールを策定した。この施策は2018年10月から施行される。
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 さらに、「勝沼ワイン」など産地名を名乗るには、その土地で収穫したブドウを85%以上使用して醸造しなければならなくなる。かなり厳しい条件をクリアしたワインだけが、産地名をラベルに表示できるのだ。

 「山梨ワイン」は、2013年、日本ワインとして初めて国税庁から地理的表示「山梨」の指定を受けた。これにより、フランスの「ボルドー」や「シャンパーニュ」のような、ブランド産地としてスタート。世界と渡り合えるステイタスを手に入れたのである。

日本のワイン造りは山梨からスタート

  山梨には約80社のワイナリーがあり、ワイナリーの数としては全国トップだ。国内産ブドウで醸造されるワインの生産量も日本一。山梨がブドウやワインの生産地として発展したのは、地形や気候がブドウの栽培に適していたから。白ワイン用の「甲州」と、赤ワイン用の「マスカット・ベーリーA」の出荷量も山梨が日本一で、甲州は全国の95%、マスカット・ベーリーAは60%以上のシェアを誇る。
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 そんな山梨は、日本におけるワイン醸造発祥の地だ。明治3年に始まり、明治10年には本場のワイン造りを学ぶために青年2人をフランスに留学させている。その2人が立ち上げた「大日本山梨葡萄酒会社」は、現在のメルシャン株式会社の前身となる。

海外での知名度を上げる日本ワイン

 いま、世界では「和食」がブーム。山梨県では和食に合う甲州ワインを欧州の人々に知ってもらおうと、2009年から「甲州ワインEU輸出プロジェクト」を展開している。実際にEUへの輸出実績は年々上がっており、2016年に開催された5月に開催された伊勢志摩サミットの食事会でも甲州ワインをはじめとする、日本ワインが提供された。

甲州ワインが和食に合う理由

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 甲州種のブドウを使ったワインは酸が控えめなので、出汁や刺身との相性がいい。海外のワインには鉄分が多く含まれており、魚介の脂質の酸化が進み、生臭さが出てしまう。その点、山梨ワインは鉄分が極端に少なく、マグロやカツオなど脂の乗った赤身の魚とも合う。

海外のコンクールでも日本ワインが好評価

 2012年に世界最大級のワインコンクール「デカンタ・ワールド・ワイン・アワーズ(DWWA)」で、日本ワイン初の金賞を得たのは山梨県明野町の「ミサワワイナリー」のスパークリングワインだ。

 また、同社のワインは3年連続でDWWAの金賞を受賞し、2016年はスパークリングのほか、勝沼産の甲州種を使った「グレイス甲州プライベートリザーブ2015」もプラチナ賞(ベストアジア賞)を受賞するなど計3銘柄が金賞を獲得。日本のワインが世界でも認められていることの証といえるだろう。

産地に行かずに手軽に日本ワインを楽しもう

 日本ワインは山梨だけでなく、北海道、長野、山形も主な産地として有名だ。とはいえ、酒類全体におけるシェアはまだまだ低い。

平成26年度の果実酒販売数量は35万㎘で、成人一人当たりの消費量は3.3ℓ、これは750mlボトル換算で4.4本になりました。しかし、酒類市場全体からみると、果実酒販売数量のシェアは4.2%とまだまだ低い水準です。

出典:日本ワインの基礎知識 | 日本ワイナリー協会

 「ワイン」と聞くだけでも少し敷居が高く感じるかもしれないが、日本ワインはラフに楽しめる飲み物だ。都内にはワイナリーが運営するレストランなどもあるので、一度足を運んでみてはいかがだろうか。

Château Mercian Tokyo Guest Bar(シャトー・メルシャン トーキョー・ゲスト・バル)/六本木
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出典:www.chateaumercian.com
 日本ワインの草分け的存在の山梨のワイナリー「シャトーメルシャン」直営のワインバル。同社の「シャトーメルシャン」シリーズだけでなく、日本各地の地ワインが楽しめる。


ワインショップ & ダイナー FUJIMARU  浅草橋店/浅草橋
 ワインショップと、世界中のおいしいものを提供するダイナーが融合。2013年に大阪市内に誕生した「島之内フジマル醸造所」が運営するショップで、都内には「清澄白河 フジマル醸造所」もある。


神楽坂ルバイヤート/神楽坂
 日本ワイン好きなら必ず訪れたい「丸藤葡萄酒工業」のルバイヤートの国産ワインを中心に、幅広いワインが揃うフレンチレストラン。山梨の食材を使ったメニューも豊富だ。

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