1. 嘘をついたら針千本飲むことに!? 身近に潜む“口約束”にご用心

嘘をついたら針千本飲むことに!? 身近に潜む“口約束”にご用心

出典:torontorealtyblog.com
 指切りげんまんを忠実に守っていた子どもの頃が懐かしい……と思う方は多くいるだろう。口約束だけで契約なんて成立しないと思っているあなた。それは間違いである。口約束で契約成立することが身近に潜んでいることをご存知だろうか。今回は口約束の契約とその契約例を四つご紹介しよう。 

口約束に当てはまる契約とは

契約の種類は2種類:口約束は諾成契約!

 契約には大きく分けて要物契約諾成契約の2種類が存在する。一般的に書面を介して双方が契約内容を合意する形をとるのが要物契約といわれる。要物契約は目的物の引き渡しや何らかの規定の制限の中で結ばれるものであり、法律に則って行われる。

 一方、諾成契約は双方の意思表示の合意のみで結ばれる。例えば、売買や賃貸借、請負といった部類がこれに該当する。これらの契約は民法に定められており、どちらも契約として有効である。

要物契約と諾成契約

  • 要物契約:書面や目的物によって成立する契約
  • 諾成契約:書面なしで双方の意思決定のみで成立する契約

口約束で“契約”が成立する代表例

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 つい軽く口約束してしまうことでも、契約が発生し、守らないと訴えられる場合がある。また、守られて当然という場合の口約束が逆に破られることもある。一体どのような口約束が存在するのだろうか。代表的な四つの例をみていこう。

#1:お金の貸し借り

 同僚や知人にお金を貸し借りする場合、口頭で済ませてしまうことはないだろうか。「後で返すね」と言ったまま返済できないと危険である。

 口約束でも契約は成立しているので借りた日時や金額を詳細に示すことができれば、充分な証拠となり訴えられる可能性がある。お金を返済することは必須であるが、返す目処もついていないのに「何日までに返すね」といった軽率な発言は気をつけた方がよい。

#2:賃貸の契約

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 賃貸住宅を借りる際に、不動産会社の人と内覧することがある。ここに住みたいと思えば、「賃貸の契約をします」と言うだろう。ここで要注意だ。

 住宅を決める際は書面で契約する前に電話や対面での口約束が多い。やっぱり変更したいと思った時、不動産会社の方がすでに手続きを始めておりキャンセルできないことがある。

#3:債券マーケットによる証券会社の取引

 証券会社と債券の売買を行う時は、電話で行われる。債券の銘柄と数量を口頭で話し合うのだ。そこで取引は成立する。資金や債券の引き渡しはその後行われる。

 ここで注意しておきたいのが、買い取りの数量や売買の返答だ。誤って買い取る数量をいったりすると莫大な金額の損失になりかねない。一旦結んでしまった契約を取り消すことはできないので、口頭でのやりとりは慎重に行わなければならない。

#4:内定の電話

 新しい仕事先の内定連絡は電話で行われることが多い。内定が決まったといって今の職場の退職手続きを済ませ、次への仕事に向けて準備をとりかかるだろう。しかし、そこでも油断大敵である。

 会社側は何らかの理由で内定取り消しをしなければならなくなった場合、証拠を残さない為に電話での連絡をとっているところも少なくない。内定の一報が入った場合はすぐに内定証明書や電話記録など証拠を残しておくとよいだろう。口頭の契約が有効であることが証明されうる。

口約束が発端となった「シャープ8億円訴訟」

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 2015年10月、シャープが京都の製作会社である片岡製作所に発注したのにも関わらず、納入を拒否したとして訴訟を起こしたことは記憶に新しい。その請求額は8億円にものぼる。

 受注や納入は基本的に行う前に契約書を交わすものだが、口頭で受注を行うことが慣習化されていたという。そうとはいえ、8億円にもなる機械設備費を口頭で取り交わすとは驚きだ。口頭であっても契約上は成立しており、発注書や受注請負書など証拠書類になりうるものを提出できれば、契約内容は証明できる。


 口約束であるからといって、契約内容は白紙に戻せない。契約書を交わさない約束でも一旦約束してしまえば、契約として有効になる。契約書を発行するまでは正式な契約ではないと思ってしまう油断が諾成契約の怖さである。身近な約束事も大事なトラブルになりかねない。口頭での約束事には注意したいものだ。

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