1. 西田宗千佳のトレンドノート:PS4は「三本の矢」で「一家に一台ゲーム機」の復権を目指す

西田宗千佳のトレンドノート:PS4は「三本の矢」で「一家に一台ゲーム機」の復権を目指す

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 毎年9月の第二週は、千葉市・幕張メッセで国内最大のゲームイベント「東京ゲームショウ」が開催される。今年は20周年目にあたり、最終的な来場者も歴代最多の27万1,124人。終わってみれば大盛り上がりで終了した、といっていい。

 ゲームといえばスマートフォン向け、と思う人も多くなったが、それは少々画一的な見方だ。東京ゲームショウの主役は、ゲームというより「ゲーマー」だ。

 ゲームをする人は、もちろんスマートフォンでもプレイするが、もっと濃いゲームを、がっつり集中してプレイしたいもの。そういう時にはゲーム機がベストだし、ネットゲームをじっくりやるなら、スマホやゲーム機より、PCの方がさらに向いている。そして、ゲームの世界観やキャラクターに思い入れがあれば、グッズを欲しくなったり、コスプレをしたくなったりするもの……とまでいうとちょっと言い過ぎだが、ゲームとそれが生み出す世界を「生活の一部」にする人はたくさんいる。

 そういう人たちがゲームを大切に思う気持ちは、「ちょっと流行りのゲームでも」という風潮とは少し違うのだ。

いち早く年末商戦に向けて動き出したPS4陣営

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 世界的に、PlayStation 4(PS4)が売れている。3年半前に発表された時には「ゲーム機のビジネスはスマホに飲み込まれて終わる」と冷たい視線もあったが、蓋をあけて見れば大ヒット。史上最速の勢いで累計販売台数4,000万台を超えた。その背景にあったのは、世界中に「ゲームを生活の一部と考えるオトナ」がたくさんいた、という事実だった。

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のアンドリュー・ハウス社長も、「今年の販売台数目標は2,000万台。達成できる計算できている」と自信を見せる。世界でPS4を支持したのは、東京ゲームショウに来る人々と同じ「濃いゲーマー」だ。まずゲーム機を買ってくれる人々に向き合い、フォーカスしたことで、彼らの支持を得てPS4はヒットした。

「選択肢」を増やすことで、自分に合った「PS4」を選べるように

 SIEはこの路線を広げる。いち早くPS4を支持した濃いゲーマーや、すでに4Kテレビを持っていてビジュアルにこだわりのある層向けに、高性能化したPS4である「PS4 Pro」を提供する。

 このPS4 Proは、処理能力が現行のスタンダード版PS4に対し、ざっくり2倍。その分、グラフィック表現が改善される。2,000万台という目標には、このPS4 Proの分も含まれる。

 とはいえ、PS4 Proはいわゆる「新型ゲーム機」ではない。PS4用のソフトがすべて(おおむねでもだいたいでもなく、100%)動き、PS4 Proとそうでない人の間で、オンラインゲームでの優劣もない。「体験は変えないで選択肢を増やす」(ハウス社長)というポリシーで開発されており、まさに「ゲームに思い入れがある人」の要望に応えるための製品である。

 9月7日、PS4 Proと同時に発表され、9月15日から発売されているのが、新型のPS4。こちらは、簡単にいえば薄型化され、2万9,980円からと価格も抑えたスタンダード版。

 SIEジャパンアジアの盛田厚プレジデントは、「(3万円を切る)マジックプライスをきっかけに、一気に市場を拡大していきたい」と話す。「目標2,000万台」根拠は上下からの戦略にあるわけだ。
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 写真奥から、9月15日発売の新型PS4、11月発売のPS4 Pro、10月13日発売のPS VR。これら「三本の矢」で年末商戦を戦う。
 海外でPS4は順調にヒットしたが、日本ではソフトが揃わず苦戦が続いていた。しかし、11月末発売の「ファイナルファンタジーXV」を筆頭に、日本でヒットする可能性の高いソフトも揃っている。

 高性能版とお手頃価格に加え、「三本目の矢」としてSIEが期待するのが、10月13日に発売されるバーチャルリアリティ機器「PlayStation VR(PS VR)」だ。

 PS4とセットで使うことで、PS4の中の「もうひとつの現実」に入り込んでしまったかのような体験ができる。なかなか言葉では説明できないのだが、実際に体験した人の多くが絶賛する、新しい体験ができる。

 PC向けにも同様の本格的なVR機器は登場しているが、PS VRはライバルの半額強と、コストパフォーマンスが圧倒的にいい。「VRを体験してみたい、というニーズが、PS2の時のDVDのような効果を生むのでは、という手応えを感じる」と盛田プレジデントも話す。

 今年の東京ゲームショウが盛り上がったのは、話題性の高いゲームタイトルが多く揃っていた上に、VRへの注目が集まっていたからでもある。東京ゲームショウで話題だったもののすべてがPS4向け、というわけではないが、PS4にとって追い風であるのは事実。欧米に比べ遅れていた「PS4シフト」を日本で実現できるか。SIEは年末商戦に全力を注ぐ。


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