1. 知っているようで知らない“便”のヒミツ:腸内細菌の総量は体重の1.5㎏!?

知っているようで知らない“便”のヒミツ:腸内細菌の総量は体重の1.5㎏!?

出典:www.cbc.ca
 唐突だが、読者の皆さんは毎日快便だろうか。健康診断にある“検便”からわかるように、便によって健康状態を知ることができる。便秘や下痢になると肌荒れやニキビにも影響してしまうなど、腸内環境を整えることは大切である。“腸内細菌”と便の役割を知り、健康的な腸内環境を目指そう。

人体の中の“菌の数”

by shok
 人体を構成する細胞の数は約37兆個だが、体内に生息する菌の数は100兆を超えるという。そんな菌の総量を合計すると、体重の約1.5㎏になると言われている。ロンドン大学インペリアル・カレッジのジェレミー・ニコルソン教授は「人間は細胞と微生物(菌)が高度に絡み合った集合的有機体」との見解を示している。

 また、菌については「細菌」「微生物」といった言い方をするが、大腸菌や酵母菌といった腸内細菌は「菌・細菌・微生物」全ての言い方に当てはまるものである。

そもそも“便”とは一体何なのか?

 乳児の時から自然と排泄される便。食べたものの残りカスを排出するためだけの役割、と思っている読者もいるのではないだろうか。胃で消化され、小腸で栄養分を吸収し、大腸で水分を吸収されたカスが便となって排泄されるのだが、それ以外に「異物を排除する」という免疫機能があるのだ。

 そもそも“便”とは何から構成されているのだろうか。健康な便は80%が水分で、残る20%の3分の1が食べカス3分の1が生きた腸内細菌3分の1がはがれた腸粘膜となっている。実際に乾燥ベースの便1gに、約1兆個の腸内細菌が含まれていることから、便はご想像の通り、汚物であるのだ。また、大腸菌はトイレットペーパーを36枚重ねなければ通過してしまうことはご存知だろうか。

 便の約6%を生きた腸内細菌が占めていることによって、排泄した便の状態を見れば腸内細菌のバランスがわかる。健康的なバナナ便は善玉菌が優位、硬すぎたり柔らかすぎたりする便は悪玉菌が優位な状態なのだ。

常在菌と腸内細菌とは?

by Dean Hochman
 常在菌とは、健康な人の体に日常的に存在する菌のこと。人の場合は、腸内に最も多く、その他には口腔内、皮膚表面に生息する。腸内細菌は先述したとおり100兆を超えているが、皮膚にも1兆個以上いると言われている。

 常在菌が生体に働く作用は主に2つ。1つは生体に有利に働く、拮抗(きっこう)現象。数種類の菌で平衡状態を保つことで新たな病原菌が侵入してきても、常在菌が他の菌から守る大きな役割を果たしている。

 もう1つは免疫系刺激作用。常在菌が免疫系を刺激して、免疫能力や抵抗力を強くする作用のことだ。常在菌を有さない動物が一般に細胞免疫が低いレベルにあるという実験結果も出ていることから、常在菌との共生が免疫力の強化につながっていることが分かる。

 また、皮膚は洗いすぎると常在菌が洗い流されてしまい、バリア機能や保湿能力も失われる。男性用のサッパリタイプの洗顔料は、皮脂を取りすぎてしまう可能性があるので1日1回程度の使用をオススメしたい。ちなみに、ウォシュレットの使いすぎは、肛門の有用な常在菌を洗い流してしまうので、弱めの水圧で10秒以内の使用に控えよう。
by mio-spr
 一方の代表的な腸内細菌は、作用によって有用菌(善玉菌)、有害菌(悪玉菌)、日和見菌(ひよりみきん)の3種類に分類される。

 有用菌は消化吸収の補助や免疫刺激など、健康維持や老化防止などへ影響がある菌のことをいう。有害菌は、有用菌とは逆で体に悪い影響を及ぼす菌で、病気の引き金となったり老化を促進したりする。

 日和見菌とは、健康なときは大人しくしているが、体が弱ると腸内で悪い働きをする菌のこと。

 腸内細菌のバランスは有用菌2割、有害菌1割、日和見菌7割の比率がベストだが、ビフィズス菌は加齢と共に減少していく。有害菌を抑えるためには、ヨーグルトや乳酸菌飲料、発酵食品などの乳酸菌を多く含む食べ物を積極的に摂ることが必要だ。また、乳酸菌は五穀やオリゴ糖、果物、野菜、ナッツ類、海藻類を好むので、腸内のバランスが崩れていると自覚している読者は食生活を改善してみていただきたい。

腸内環境を整えるメリット

出典:bcrc.org
 「腸は肌を映す鏡」「腸は第二の脳」と、言われているように腸内細菌のバランスは体の色々なところに影響を与えている。有害菌が有利な腸内環境では、便秘や下痢だけでなく肌荒れ、ニキビ、たるみなどの肌トラブル、口臭、体臭などの臭いトラブル、太りやすくなる、疲れやすくなる、免疫力が下がる……などと、悪いことづくしである。

 反対に有用菌が有利な腸内環境では、肌がきれいになるだけでなく、若々しくなり、太りにくく痩せやすい体質、臭いトラブルの解決、健康になる等と多くのメリットがある。


 以上、腸内細菌と便の関係と人間と共生する菌について紹介した。体重の約1.5㎏を腸内細菌が占めていることに驚いた読者もいるのではないだろうか。腸内細菌の重さは、人体最大の臓器“肝臓”とほぼ同じである。腸内環境も人間の1つの臓器であると認識して、腸内環境に気を遣い、フレッシュで健康的なビジネスパーソンを目指そう。

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