1. 「日本一小さい農家」が明かす、小予算で起農する“5つの戦略”:『農で1200万円!』

「日本一小さい農家」が明かす、小予算で起農する“5つの戦略”:『農で1200万円!』

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出典:foodtank.com
 「都会の喧噪にはもううんざりだ」「田舎でのんびり暮らしていきたい」というビジネスマンの嘆きを聞くことがよくある。しかし、実際に行動に移す人はほとんどいない。なぜ、田舎で暮らす願望がありながら、都会で働き続けるのだろうか。それは、田舎での暮らしに対して、安心感がないと考えている人が多いからだろう。

 では、なぜ安心感が田舎にはないのだろうか。それは、「農業」で食べていくという生活が、都会人には想像しにくいからだ。どうしても「農業」というと、重労働で休む暇がないというイメージをしてしまう。しかし、私たちは農業の厳しさを感じてはいるが、実際に農業の何が厳しいのか言語化できる段階に至ってはいないのではないだろうか。

 そこで今回は、西田 栄喜氏の『農で1200万円!ーー「日本一小さい農家」が明かす「脱サラ農業」はじめの一歩』から、実際に脱サラして起農した西田氏の5つの戦略を見ていき、今後の選択肢に「農業」を入れられるだけの安心感を手にしよう。

借金・農薬・肥料なし・ロスなし→ストレスなし

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 著者が有する農地は、周辺農家の持つ土地の10分の1以下で、サッカーコート半面ほどの小規模農地だ。当然、周辺農家と同じやり方で農業を始めたとしても、まともに戦えるはずがない。そこで、著者は3つの心がけを基礎とした5つの戦略を駆使し、その地で戦っていくことを決意したのだ。その3つの心がけとは、次の3つである。

脱サラ農家の3つの心がけ

  • 農業への「固定概念」を捨てる
  • しっかり「稼ぐ」ことを考える
  • 農業は目的ではなく「手段」である
 資金・経験・広い土地の全てを持たない著者は、前職のサービス業で培った「お客様目線」が農業で成功する秘訣だと起農前に気づいたという。例えば、リピーターを生むために、SNSから生産する農産物の情報を発信した。今までの農業では、あまり利用されなかった方法だが、これが著者のような小規模農家の戦い方なのだ。では、著者が実践した5つの戦略をご紹介していくとしよう。

戦略①:"借金なし、農薬なし、肥料なし、ロスなし”でストレスなし

 通常、農家は広大な土地に莫大な金をかけており、国からの補助金でまかなっているが、著者はあえて小さな土地にすることで、補助金なしの生活を選択した。さらに、より多くの人に生産物を余すことなく購入してもらうために、無農薬野菜を生産したり、生産物の廃棄率を下げるため、漬け物に加工したりした。結果、無駄なお金・労働力を使うことなく、利益の向上にこだわったのだ。

スモールメリットと3つの技術+知恵

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戦略②:小さいほどいい「スモールメリット」を120%活かす

 通常の農家の仕入れは、大量に仕入れることで原価を抑えて、販売する。しかし、それでは、商品は単一的で至って平均的な商品揃いになる。そこで、著者はあえて大量仕入れをせず、少量の商品のオリジナリティを強化することで、SNSなどを用いて自分の商品のキャラをPRすることに成功した。少量仕入れであるため、農家経営も小回りの利く体制となり、金・労働力の双方を抑えることとなるのだ。

戦略③:栽培技術+加工技術+直売技術+「知恵」の教室

 著者いわく、実際に農業に携わってる人たちは、それほど利益にこだわってない。栽培技術や加工技術がいくら優れていたとしても、直売技術が劣っていては利益は増大しない。それら3つの技術のバランスが整って初めて利益は生まれる。さらに、著者が大事にしているのは、「時代に合った知恵」である。その時代ごとに、求められるニーズに対して、農業は新たな知恵を生んできた。著者は知恵の共有を自ら勧める、「知恵」の教室というイベントを開催している。

プレゼン・コピー戦略、そしてこの時代だからこその農業

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戦略④:地方だからこその「プレゼン&コピーライティング」戦略

 農業は日本全国において、厳しい状況にあるというイメージが強い。しかし、著者はだからこそ明るい雰囲気を大事にすべきだと述べている。鉄腕DASHというテレビ番組をご存じだろうか。明るいTOKIOの5人が自給自足の生活をする姿が放映されているが、多くの視聴者は地に足をつけたリアルな生活を見ることが面白いと感じている。

 農業も同様にSNSなどのメディアを用いて、自家製品のキャラクターをPRするために、プレゼン力をつけるべきである。さらに、自分の農家にキャッチコピーをつけることで、メディアに取り上げられやすい仕掛けを施すのだ。私たちがイメージする農業とは異なる形態だが、それだけ農業には無限の可能性があるということなのだ。

戦略⑤:この時代だからこその「つながり・巻き込み力」

 地方の人口が少ない地域で著者のような画期的な農業を始めると、地域の人々はやはり抵抗感を抱いてしまい、客足を伸ばすことは難しい。そこで、著者はネット販売の方にも力を入れ、購入者とホームページやSNSを通じた交流を繰り返し、次第にネット販売の利益は伸びていった。インターネットが主流の現代だからこそ、こうしたネット上の交流があり、経営の一助となっているのだ。


 日本の食糧自給率は年々低下している。今でこそ、輸入に依存することで人々の生活に支障は出ていないが、今後どんなことが起こるか分からない。農業は私たちが持つ既存のイメージよりも遥かに可能性に溢れた産業だ。自分らしく生きる表現が、もし農業に当てはまるのであれば、農夫としての人生は、素晴らしいものではないだろうか。

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