1. 日本産ウナギは中国産の倍!? 知られざる“ウナギの生態“とみんなが知ってる“ウナギの金額”

日本産ウナギは中国産の倍!? 知られざる“ウナギの生態“とみんなが知ってる“ウナギの金額”

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 我々日本人の好物としてよく挙げられるウナギ。その生態は今も謎に包まれていることはご存じだろうか。また、世界で獲れるウナギの7割を日本人が食しており、ウナギの金額は他人事ではない。本記事では謎に包まれたウナギの生態を紐解き、ウナギの高額さの理由を明確にしたい。

謎に包まれたウナギの生態

二ホンウナギの一生:産卵場所

 日本では夏によく市場で見かけるウナギだが、その生態は未詳な点が多い。特にウナギの産卵場所については何も手掛かりはなかった。しかし、日本から2000㎞離れたマリアナ海域で産卵することを2009年に日本の研究チームが発見した。

二ホンウナギの一生:レプトケファルス(幼体)

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 二ホンウナギは、マリアナ海域で生まれたのち孵化し、“レプトケファルス”という葉形仔魚になり、太平洋を回遊する。色は透明で、平たく細長く、体長は数ミリのものから1mになるものもある。しかし、同様の形状をしている魚の仔魚が多数存在するため、識別が困難で、その為この状態の生態解明が最も難しいとされている。

二ホンウナギの一生:シラスウナギ(稚魚)

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 レプトケファルスは太平洋を回遊した後、東アジア近海を渡り黒潮の流れに乗る。日本の他にも台湾や中国、韓国にも生息。そして日本にたどり着いたシラスウナギは鹿児島をはじめ、宮崎、高知、静岡の川を遡上する。この時はまだシラスウナギの体色に変化はないが、川を遡上すると黄白色に変化し、さらに5~10年成長するとだんだんと黒ずみ我々が今日見ているウナギの色となる。
 
 ところで、我々が普段食している99%のウナギが養殖ウナギであることはご存じだろうか。12月から4月の期間だけシラスウナギの捕獲が解禁され漁が行われ、捕獲したシラスウナギに栄養を十分に与え育て養殖を行っている。

二ホンウナギの一生:二ホンウナギ(成体)

 川にたどり着き人間に捕獲されなかったウナギは、小魚や虫やザリガニ、タニシなどを幅広く捕食し川で5年から10年生活する。そして、成長したウナギは川を下り太平洋を回遊。2000㎞離れたマリアナ海域までエサなどは全く摂取せずに戻り、産卵する。そして、産卵後は死んでしまうという。

 また、ウナギは浅瀬や汚水など、水が少ない場所でも生活できるのが特徴である。というのも、ウナギは非常に高い皮膚呼吸能力を持ち合わせており、表皮の水分に酸素を蓄え、水なしでも十数時間は生きていけるのだ。

二ホンウナギ価格高騰の理由

 土用の丑の日にウナギを食したいと思う人も多いのではないのだろうか。そこで気になるのはウナギの値段だ。近年ウナギの価格は高騰しており、1990年のバブル期では100gで600円~800円程度であったが、2015年では100gで1000円ほどまで上がり、老舗のうなぎ屋の経営を苦しめている。

国産と中国産の比較

 国産ウナギと中国産ウナギの違いとは何か。スーパー等で売られている国産ウナギは、中国産の倍近くの値段がする。

 国産ウナギが中国産より高い理由は、稚魚の違いである。国産ウナギとは二ホンウナギのことで、日本ではその稚魚のシラスウナギは乱獲や環境変化で絶滅危惧種に指定されている。にもかかわらず、需要が高いため価格が高騰しているのだ。稚魚は鹿児島方面の純国産。また、ビニールハウスで水温を一定に保ち人の手で育てられているため、人件費、餌代、管理費等が更なる値上げを助長する。

 一方中国産は、二ホンウナギ以外の品種の稚魚をヨーロッパなど多方面から安価で輸入するため、稚魚が確保しやすい。その上、人件費や物価が安く、広大な土地に穴を掘って作った池で養殖をしているためコストが削減されている。

 ウナギは卵からの養殖技術が確立されていないため、稚魚の絶対数を増やすことは難しく希少価値が上がっている。その為、ウナギの養殖技術が完全に確立するまでは、ウナギの値段が安くなることはないだろう。

養殖ウナギと天然ウナギの違い

 日本の市場に出回っているウナギの99%は養殖ウナギで、天然ウナギはわずか1パーセント未満にとどまっていることは先に述べた。養殖も天然もそれぞれ育成環境が違うので、見た目はもちろん、味にも違いが出てくる。
 
 養殖ウナギは、安定した環境のもと育成されているので脂が多く乗っており、サイズや味に個体差はない。しかし、近年では地域によって養殖方法が変わっており養殖ウナギのブランド化が進んでいる。

 天然ウナギは、様々な環境下で生活していたためサイズや味に個体差がある。また、季節によって味が違うのも天然ウナギの特徴だ。春から夏に獲れる天然ウナギは“さじウナギ”と呼ばれ、あっさりとした味わいで柔らかい皮目である。一方秋から冬に獲れる川から海に出る“下りウナギ”と呼ばれるものは、通常のウナギよりも脂がのっており、コラーゲンも豊富で非常に美味である。

都内おすすめウナギ屋3選

 日本ではウナギは精のつく食べ物として夏場に食べる人も多い。まだまだ続く残暑を乗り越えるために、都内のおすすめウナギ屋をご紹介する。

かぶと(池袋)

 池袋西口から徒歩10分にある「かぶと」は、天然ウナギと養殖ウナギの食べ比べができるのが最大の魅力だ。また、普通のかば焼きを楽しめるだけでなく、希少部位を食せることも魅力の一つだ。半年先まで予約でいっぱいの大人気店のかぶとにはぜひ一度足を運んでみたい。

いちのや(神泉)

 京王井の頭線神泉駅から200m程の場所に店を構える「いちのや」。備長炭で焼き上げられたウナギはよい香りを漂わせ、蒸された身はふっくら肉厚で柔らかなのが特徴だ。神泉店以外にも、西麻布店、本川越店がある。

石ばし(江戸川橋)

 創業明治43年という歴史ある店で、扱うウナギのすべてが国産というこだわりをもっている。また、ミシュランガイドにも載るほどの実力を兼ね備えている石ばしは江戸川橋駅から徒歩10分。


 以上、ウナギをあらゆる視点から紹介した。ウナギは現在も価格が高騰しているが、十数年後には完全養殖が成功し、値段が落ち着く日が来るかもしれない。そんなことを期待しつつ、厳しい残暑はウナギを食べてのりこえよう。

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