1. 1,000兆円を超える世界No.1の国債大国“日本”:そんな日本の裏の顔とは?

1,000兆円を超える世界No.1の国債大国“日本”:そんな日本の裏の顔とは?

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出典:www.telegraph.co.uk
 国債とは、ご存知の通り、国が発行している“有価証券”のことだ。現在日本の国債は計1,000兆円を超え、国民一人あたりに換算すると800万円ほどになるというのは、一度は聞いたことのある話だろう。

 2009年のギリシャの経済破綻問題以後、日本国内でも、20年以上にわたって歳入より歳出が多い状態が続いている事態に、国民からは懸念の声が上がっている。そんな状況下において、なぜ日本はギリシャのように経済破綻しないのだろうか? 

マスメディアが煽る国債問題

 世界的にみて日本は、どれほどの国債を抱えているのか? 以下に世界的に国債の多い国5カ国をまとめる。

世界の政府総債務残高(対GDP比)ランキング IMF(国際通貨基金)調べ(2015年)

  • 第1位:日本 248%
  • 第2位:ギリシャ 178%
  • 第3位:レバノン 139%
  • 第4位:イタリア 132%
  • 第5位:ポルトガル 128%
 第1位は、ギリシャを圧倒的に引き離して日本という結果に。なんとGDPのおよそ、2.5倍もの債務があったのだ。1,000兆円超えという一見途方もない金額の債務。だが実は、政府の保有している資産を差し引くと、国債は半分以下の400兆円ほどになる。

 しかし金額以上に問題視される点がある。ジャーナリストの池上彰氏は以前、「他国は国債が増減しているが、日本は右肩上がりに国債が増加している」と陳述した。このような状態が続くと、政府が発行する国債の買い手がつかなくなり、これ以上の借金が難しくなるため、経済破綻の可能性があるというのだ。

 池上氏は、借金漬けで「ヨーロッパの病人」と呼ばれたドイツ政府の大胆な政策を紹介した。それは、「失業保険の削減」や「健康保険の自己負担額引き上げ」などだ。日本も今後このような政策に乗り出す日は訪れるのだろうか。

増え続ける国債:日本の借金(債務)は妥当な額なのか 

日本の国債は誰が肩代わりしているのか? 国債はなくせるのか?

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 現在日本の国債は、9割以上が日本人によって買い取られ、残りを諸外国の人々が補っているという。要するに、ほとんどの国債は国内で補われているということだ。ここで、経済破綻をしたギリシャと日本の決定的な違いを3つあげる。

日本とギリシャの決定的な違い

  • 1つ目はギリシャの国債は、ギリシャ人が買い取っているのが3割ほど、残り7割は、自国内で買い取れないため、国債相場に出しているという点
  • 2つ目、国債相場に出しても買い手が、なかなかつかないため、金利を引き上げている。一時金利が30%ほどまで引き上がったことも
  • 最も大きな違いとなる3つ目は、ギリシャのように通貨発行権がない国とは違い、日本には通貨発行権があるということ。通貨を発行して借金を買い取ることができるという決定的な違いが存在する
 以上の結果から分かる日本とギリシャの違いは、日本は国債のほとんどが日本円で賄われている一方で、ギリシャは自国内で補えているのが3割ほど。国債に信用をなくした場合、一斉に売りに出されればギリシャ経済はひとたまりもないのだ。

 そのような懸念材料があるためギリシャの国債は、なかなか信用を得ることができない。そのため金利を上げざるを得ないのだ。一方の日本の金利はおよそ1%ほどで、このことから日本の国債の信用性がうかがえる。

 しかし現在日本では、物価上昇2%を目指し、日銀によってマイナス金利政策がとられている。当初の狙い通り、イールドカーブ(債券などにおける利回りの変化をグラフにしたもの)を大きく押し下げる成果は出ている。
 だが、イギリスのEU離脱や、アメリカ経済の減速など世界的な市場の変動を受け、日本の国債を手放さない人々が日銀の予想より多かった。その市場への影響は、円安を見込んでいた日銀の予測を裏切り、円高傾向になってしまっているのだ。

 ここでまたギリシャと比べると、いざ満期を迎えた場合の手段として通貨発行権のないギリシャとは違い、日本は政府が紙幣を発行することで返還することが可能だという点も、日本が経済破綻しない要因として非常に大きい。

 しかし、政府が大量に紙幣を刷ってしまったら、インフレになってしまうのではないか、という不安を抱いた方もいるだろう。だが、心配はいらない。なぜなら、日本は世界一の対外純債権国(対外純債権国とは海外に貸し付けているお金から海外からの借金を差し引いたお金を持つ国のこと)で、そもそも紙幣を大量に刷る必要がない。さらに現在デフレ状態にあるため、現状ある程度刷ったところでインフレにはなりえないのだ。

 国全体の金融資産でみると、国全体の負債を上回る。そのため、現状として政府が紙幣を刷ることに頼らなくとも、国債を返還できるということがわかる。

 
 以上の理由から、ここ数年で日本が経済破綻する可能性は低いだろう。しかし10年、20年先どうなるかを推断することは難しい。例えば海外で上記のような景気の大きな変動が起これば、日本も影響は免れないかもしれない。また、利子は絶え間なく増え続け国債は増えている。今すぐ経済破綻しなくとも、債務のツケはいずれ訪れるはずだ。そんな危機を孕む“国債”について、今後の政府の動向に注視したい。

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