1. “起業家の登竜門”を創った男の「思いと仕事をつなぐ」究極の方法:『一生を賭ける仕事の見つけ方』

“起業家の登竜門”を創った男の「思いと仕事をつなぐ」究極の方法:『一生を賭ける仕事の見つけ方』

出典:www.freepik.com
 今の仕事は本当に自分がしたかったことなのか? 自分は今、なりたい自分になれているのか?――こんな悩みを抱えながら働いている人もいるだろう。

 そのモヤモヤの原因は、もしかしたらあなたの本当にやりたいことへの「思い」と「仕事」がマッチしていないことにあるのかもしれない。しかし、そもそも自分のやりたいこととは一体何なのか――その時点からつまずいている人も多い。

 今回は、“起業家の登竜門”として知られる、ベンチャー企業と大企業の事業提携を生み出すプラットフォーム「モーニングピッチ」発起人である斎藤祐馬氏の『一生を賭ける仕事の見つけ方』から、“自分のやりたいことを仕事にする”起業家ならではの血の通った「究極の方法論」を学びたい。

「キャリア志向」から「ミッション志向」へ

 筆者は、自分が本当にやりたいこと、自分にとって大切なことから生まれる仕事を「ミッション」と呼び、本書で一貫して重要視されるキーワードとしている。

 世の中にはスキルやキャリアを追い求める仕事には、常に他の「誰か」や「何か」によって代替される可能性が潜んでいる。例えば、自分よりもスキルの高い人や、近年ならばAI(人工知能)やロボットがそうだ。

 対して、ミッションを歩む人生は、他の誰にも取って代わられることはない。つまり、人生のミッションを見つけることができれば、その仕事はただ稼ぎを得るための「ライスワーク」ではなく、一生を賭ける価値のある「ライフワーク」になるのだ。

自分のミッションを見つけるには

 ミッション志向の人生を歩むために、いかにして自分のミッションを見つけるか――その第一歩は、自分の「原体験」を自覚することだ。

 この原体験とは、人生の「山」と「谷」に当てはまることが多い。筆者自身も、父親が自分で旅行代理店を立ち上げた際に事業がうまくいかず、苦しむ家族の様子を見た「谷」の原体験から、“創業間もない苦しむ経営者を助ける”ことをミッションに掲げている。

 原体験を見つけるために、人生を視覚化する感情曲線というツールがある。これは自分の人生を客観的に見つめ直すツールとして、心理カウンセリングの現場でも使われているという。

 横軸に年齢を5年毎で区切って示し、縦軸は感情のアップダウンを示す。喜びに満ち溢れた期間は「山」の曲線、悲しみを抱えた期間は「谷」の曲線になるだろう。この部分に注目することで、自分だけの原体験からミッションを設定することができるのだ。

 「ミッション」を事業に変える

 自分のミッションが分かったら、それをビジネスに変えていくノウハウが必要だ。事業を軌道に乗せるための資質をまとめ、各項についての説明を記す。

“事業を軌道に乗せる”ために必要な3つの資質

  • 耐え忍ぶための強い「マインド」
  • 自分と組織を一致させる「経営スキル」
  • 人を巻き込んでいく「ネットワーク」

マインド

 立ち上げた事業がすぐにうまくいくのは極めて稀で、しばらくは耐え忍ぶ期間が続く。その辛い時期を耐え忍ぶのに必要な覚悟や心構えが「マインド」だ。強いマインドを持っていれば、ミッションを新たに歩み始めて困難に直面したとしても、慌てふためくことはない。苦しみを乗り越える一番最初のカギとなる。

経営スキル

 経営スキルとは、「ビジネスモデル」を組み立てて遂行していく力のことだ。ビジネスモデルは自分のミッションからお金を生み出す仕組みであり、絶対に外すことができないマーケット(その市場の規模と成長性はあるか)、差別化(自社にしかできないことか)、チーム(メンバーの力や本気度は高いか)の3つを柱に、自分のミッションと組織のミッションをマッチングさせることが重要だ。

ネットワーク

 人を巻き込んでいく力を「ネットワーク」と呼び、これを広げる一番の近道は「質を追わずに数を追う」ことだ。そもそも目利きの力が足りないと、相手の良し悪しを見抜けなかったり、逆に良い人に出会えてもその人の心を掴めないこともある。こういった「外」のネットワークと共に、「内」のネットワークを強化する方法として、自らの組織内で勉強会やイベントを開くのも有効な手段だ。

「強いチーム」を作る方法

 強い「マインド」を持って苦境を乗り越え、ミッションに沿ったビジネスモデルを遂行する「経営スキル」を培い、「ネットワーク」を広げていくうちに集まったミッション志向の仲間たちを、うまく機能するひとつの「チーム」にしていく方法を知ろう。

自分に足りない資質を持つメンバーを探す

ビジネススキルの4つのタイプ

  • ミッション(Why)
    「なぜこの事業に取り組むのか」にこだわる
  • ビジネスモデル(How)
    「ビジネスをどう進めていくのか」にこだわる
  • サービス(What)
    「ミッションをどのようなサービスにするのか」にこだわる
  • デザイン(Who)
    「誰の笑顔が見たいのか」にこだわる
 チームのメンバーを探す際は、この4つのタイプのどれに当てはまるのかを見極めよう。自分には足りない力を持つメンバーをバランスよく選べば、お互いのデコボコを補ってチームでミッションを遂行できるようになるのだ。

「リーダーシップ」と「フォロワーシップ」

 まず第一に、「リーダーシップ」とは何か――それはチームのキャプテンという「役割」であり、どうがんばってもひっくり返せない上下関係ではない。そのため、この役割を大胆に入れ替えることで、チームの新陳代謝を高めることができる。

 次に、「フォロワーシップ」とは、端的に言えばリーダーの意向にそって最大限のパフォーマンスを発揮できる能力のことだ。しかし、盲目的にリーダーに従うわけではなく、リーダーと信頼関係を築くことで、間違っている時には本音で意見できることが重要である。

 自分がリーダーである時は、チームが高いモチベーションを持ってパフォーマンスを発揮できるような「役割」であることを自覚し、チームのいちメンバーである時は、リーダーを信頼する健全なフォロワーシップを持った人間であることを心がけよう。


 すべての人が熱量をもって働くことで、企業が動き、ひいては日本の経済も大きく動く。本当になりたい自分を見失いかけている人が、自分だけにしかできない働き方を見つけるために、ぜひ手に取ってほしい一冊だ。

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