1. ご近所の「空き家」に潜む3つの危険:東京都の空き家率が高い街ランキング

ご近所の「空き家」に潜む3つの危険:東京都の空き家率が高い街ランキング

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 ここのところ、東京では五輪に向けた建築ラッシュを迎えている。しかし一方で、日本の“空き家”問題は加速しているのだ。空き家の増加は、なんと東京都も例外ではない。今回は、そんな東京都に焦点を当てて空き家問題について言及する。

すぐそばにある危険:「空き家」問題とは

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 そもそも「空き家」の何が問題なのか?と、興味がある読者もいるのではないだろうか。そんなすぐそばに空き家があるという危険は、大きく分けて三つある。

 一つ目の問題は、雨風によって老朽化が進み、倒壊の危険性が高まることや、無人な状態であると害獣・害虫の温床になりやすく、近隣住民へ危険を及ぼす恐れがある点である。

 二つ目の問題は、犯罪の増加だ。死角となった空き家の内部で犯罪が行われるだけではなく、最近では空き家への放火が増加している。空き家の多い地域は放火犯のターゲットになる可能性が高いという危険性を孕む。

 三つ目の問題は、住宅市場の需給バランスの悪化だ。現時点でさえも、東京都は総世帯数以上に住宅が供給されている、供給過剰な状況である。この状況が続けば、人口減少と世帯数減少も相まって、住宅の資産価値が下がっていくという危機にさらされる。

 これら三つの問題から、「空き家」は生活する上での危険となり、社会問題にさえなっている。東京都の空き家率は11.1%。全国の空き家率が13.5%であることから、決して低い数値ではない。

 なお、東京都では、「空き家」問題よりも「空室」が問題となっている点も気になる。「空室」問題は、賃貸物件に入居する人が減少していることを指している。入居者の減少の原因は、学生が大学まで1、2時間かけて都内まで電車が通うようになったことや、社会人で実家暮らしする人が増加したことが考えられる。

東京都の空き家率ランキング

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 東京都では空き家が問題となっていると指摘したが、どこの街に空き家が多いのか想像がつかないのではないだろうか。そこで、東京都の空き家率上位10位の街(データ元:スマイティ)を紹介したい。

10位:新宿区(空き家率:12.6%)

 空き家率10位は、新宿区。HOME’Sの調べによる家賃相場は、1Kで9.03万円。勤務先が新宿区の読者も多いのではないだろうか。

 新宿区は新大久保や下落合、四ツ谷を含んだ東京の中心区。コンビニやファッション雑貨が揃うショッピングセンターも揃っており、娯楽施設も多いため、休みの日の過ごし方の選択肢も広がる。
  
 一方で、人が多いことや空気が汚い、治安が悪いといった声もある。

9位:国立市(空き家率:12.7%)

 空き家率9位は、国立市。家賃相場は1K で6.02万円。新宿駅まで30分程度で行けるアクセスの良さが特徴的な郊外の街だ。
 
 国立市は都心へのアクセスも良いが、田んぼや畑もあり、のどかかな景色が広がっている。隣町の立川市へ行けば大きな買い物も済むことや、バスも様々な行先があるので利便性が高い。
 
 大きな会社がないことから住民税が高く、一人暮らしにはハードルが高いかもしれない。

8位:荒川区(空き家率:12.8%)

 空き家率8位は、荒川区。家賃相場は1Kで7.94万円。千代田線の西日暮里駅、日比谷線・常磐線の南千住駅、山手線の日暮里駅などと、東京駅や大手町に出やすい区だ。
  
 区の名前通りに、目の前に荒川・隅田川が近くにあり、下町風情が溢れる景観となっている。小中学校も多く、家族連れが多く暮らしているため、スーパーなど日常的な買い物をできる店が充実している。

7位:豊島区(空き家率:12.9%)

 空き家率7位は、豊島区。家賃相場は1Kで7.97万円。池袋駅を中心とした区で、埼京線の目白駅、西武池袋線の東長崎駅や、有楽町線の千川駅など、沿線を利用していない人しか知らないような駅も多くある。
  
 平成18年以降、単身者世帯が大幅に増加する一方で家族連れが減少している。巣鴨や大塚では、住宅地と商業地の二面性を持っているなど、池袋以外にも個性的な場所が多い区だ。 

6位:渋谷区(空き家率:13.7%)

 空き家率6位は、渋谷区。家賃相場は1Kで10.20万円。昼夜間人口比率が270万人を超えている同区。これは千代田・中央・港の都心3区に次ぐ数だ。
  
 通勤・通学で渋谷区以外の地域から入ってくる流入人口は多いものの、意外にも夜間人口は減少している。原因として考えられるのは、「一度は住んでみたい」という憧れから転入し、いずれは収入や経済状況に合わせて別な地域に永住の場を求める傾向だ。

5位:福生市(空き家率:14.4%)

 空き家率5位は、多摩地域中部に位置する福生(ふっさ)市。家賃相場は1Kで5.28万円。空き家率ランキングの上位10位の中でも最も家賃相場が安い街だ。
  
 福生市の東北部には「米軍横田基地」があり、基地の面積は市の約3割を占めている。そのため、福生市は全国でも3番目に小さい市なのだ。
  
 拝島駅は、青梅線・八高線・五日市線が乗り入れており、新宿まで1時間ほどで行ける。また、西武拝島線では始発駅となっているので、高田馬場駅までの電車では比較的に座って行ける可能性が高い。

4位:台東区(空き家率:15.1%)

 空き家率4位は、台東区。家賃相場は1Kで9.15万円。台東区は、23区内で最も面積が小さく、男性比率が高く、平均年齢も46.5歳で最高……「ナンバーワン」が多い区である。
  
 台東区は老年人口比率が24.2%と、北区に次いで第2位である。空き家率の高さは、この“高齢化”が原因となっているのではないだろうか。
  
 高齢化が進む一方で、人口は増加している。増加する原因として考えられるのは、「コンパクトシティ」というキーワード。台東区は、1平方キロメートルあたりの小売店舗数は第1位、薬局・理容室の数もトップ。生活のニーズが近場で満たすことが可能な街なのだ。

3位:目黒区(空き家率:16.3%)

  空き家率3位は、目黒区。家賃相場は1Kで9.57万円。「憧れの街」というイメージの目黒区が第3位であることに驚いた読者も多いのではないだろうか。
  
 居住者の特徴としては、23区内で最も女性比率が高い区である。30~40代前半の多さが目立つ。女性からの「憧れの街」という思いは顕著である。
  
 しかし、2009年から人口は減少。原因は、都内他地域への転入だ。目黒区は典型的な住宅区で、宅地利用率が23区内で最も高い。道路、公園、森林緑地、農地などのオープンスペースの少なさは、「暮らしにくさ」につながり、住み続けるには難しい区となっているのだ。

2位:中央区(空き家率:25.4%)

 空き家率2位は、中央区。家賃相場は1Kで9.98万円。老舗店が軒を連ねる日本橋、人形町、個性的なグルメスポットの銀座・築地・月島……と、食の個性が光る中央区。
 
 1953年から人口は減少し続けていたが、2006年には長年の目標であった人口10万人を達成。現在も人口は増加傾向にある。
  
 増加傾向にあるが、食品スーパーや宅地の少なさから、空き家率2位という結果に繋がっている。

1位:千代田区(空き家率:25.8%)

 空き家率1位は、千代田区。家賃相場は1Kで10.81万円。ランキング内での家賃相場もトップである。

 千代田区は昼間の人口が非常に多く、夜間の20倍にまで膨らむ。一方、夜間人口は近年の「都心回帰」現象の影響によって回復しているが、区内で人の住むところが偏在している。最も世帯数が多いのは「外神田」で1,800世帯。最も世帯数が少ない「丸の内」は、1世帯のみだ。


 以上、東京都の空き家問題について紹介した。人口の多い東京都でも、空き家や空室があるという現状には驚かせられる。

 都内にマンションや一軒家を購入予定の方は、空き家率ランキングを参考にしてみてほしい。今後、価値が高まる土地の予測に役立つかもしれない。

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