1. “ブレストは無意味!” 最少の時間で「異次元の成果」を生み出す、世界一美しい思考法:『Q思考』

“ブレストは無意味!” 最少の時間で「異次元の成果」を生み出す、世界一美しい思考法:『Q思考』

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 私たちビジネスマンはアイデアを求められる場面が多く存在する。それは、ミーティング・クライアントとの打ち合わせ・相談など様々である。アイデアは問題を解決するものとなっている必要があり、実現性も求められる。さらに、場合によっては他の既存のアイデアと差別化を図らなければならないこともある。

 現在、アイデアを効率的かつ正確に生み出すことができる技術として、ブレインストーミング(ブレスト)が多くのビジネスマンの間で利用されている。しかし、一見効果的と思われるブレインストーミングも根本的なポイントを押さえなければ、問題に対して適切なアプローチを踏むことができなくなってしまう。

 そこで今回は、元アメリカの最高裁判所長官であるウォーレン・バーガー氏の『Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法』から、非凡なアイデアを生む根源にある「正しい問い」の作り方を学んでいきたいと思う。たった1行の問いで、非凡な思考が無数に降りてくる。最少の時間で「異次元の成果」を生み出す、世界一美しい思考法とは――。

“進化する思考法” ブレインストーミングからQストーミングへ

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 多くのビジネスマンがブレインストーミングを利用する大きな理由は、グループによる共同思考である。メンバーそれぞれの背景知識を合わせることで、幅広い視点からアイデアを出すことができることが最大のメリットなのだ。しかし、このメリットは錯覚なのだ。実際、ブレインストーミングを行う時、他のメンバーからのプレッシャーが影響して、平凡なアイデアしか出すことができなくなってしまう。

 こうしたブレインストーミングの欠陥を埋めることができるのが、Qストーミングであるとバーガー氏は唱えている。Qストーミングとは、「アイデアを出す」のではなく、「疑問や質問を生み出す」思考法である。答えを出すよりも質問を出す方が、比較的プレッシャーは感じにくいため、自由な発想をすることが可能となるのだ。

「だれかが、これまでずっと同じように実践されてきたことを見、『なぜそうなのか?』と疑問を抱いたとき」にブレイクスルーが生まれる。

出典:Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法
 Qストーミングによって、アイデア出しの基礎である問題を明確に捉え直すことができる。ブレインストーミングは多くの無駄なアイデアが生まれてしまい、解決策として整理する時に障害となりうる。Qストーミングを実践することで、現在よりも質の高い効率的なアイデア出しを行うことができるようになるだろう。

“革新的なアイデアを生む” 「正しい問いの作り方」とは

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「ア・ビューティフル・クエスチョン」 (美しい質問)とは、私たちが物事を受け止める、あるいは考える方法を変えるきっかけとなる野心的だが実践的な質問のことである─さらにそれは、変化を引き起こす触媒となり得る。

出典:Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法
 正しい問いを出すことの重要性を理解したとしても、実際に正しい問いを出そうとすると難しい。そもそも何が正しい問いなのか判断基準が分からないのではないだろうか。バーガー氏は、最も素晴らしい問いには、「磁力」が存在すると述べている。「磁力」とは、その問いに対して、「もっと調べてみたい」と周囲が魅了されることである。

 ブレインストーミングのようなアイデア出しの中で、最も良いアイデアを選定するのは難しいことである。しかし、最も良い問いを選定することは、「磁力」をその場で確認することができるため、比較的難しいことではないのだ。こうした問いを生むには、とにかく数多くの問いを書き出していくことである。おおよそ最初に出る疑問は、平凡かつ漠然としたものが多い。限界を感じた頃に、良い問いは生まれるのだ。

“世界最先端の企業が実践” HMW思考とは

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 How might we?(どうしたらできそうか?)という質問形式が、世界最先端の企業ではQストーミングを行う時に実践されている。英語の助動詞であるmightに、shouldやmustやcanを置き換えてしまうと、途端に私たちはプレッシャーを感じてしまう。すると、自由な発想をすることができなくなり、ブレインストーミングと同じ壁にぶつかってしまうのだ。

企業内でイノベーションを起こそうとする人たちは、創造性を促すどころか、阻止しかねない言葉を使って自分たちの直面している課題について語ることが多いのです

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 「何か良い案ない?」といった質問を投げかける人をよく見かけるが、こうした相談よりも「どうしたらできそうかな」と、質問を投げかける方が相手も自由な発想をすることができ、より良いアイデアを生むことができるようになるだろう。

How(どうすれば)という言葉は、解決法があることを前提としています。創造性に対する確信を与えてくれるんです。might(できそう)には、アイデアが実現するかもしれないし、しないかもしれないが、まあどちらでもいいじゃないか、というニュアンスがある。そしてwe(我々)は、この課題にこれから皆で取り組むのだ、お互いのアイデアを土台にしていくのだ、ということを示しています

出典:ティム・ブラウン


 日本企業は海外企業に比べて、団体で物事を考えて進めることが多い。「日本企業は意思決定が遅い」と言われることがしばしばあるが、「アイデア出し」の段階で、効率的なQストーミングやHMW思考を実践してこなかったことも背景にあるのではないだろうか。今後、私たちは仕事を早くすることを考えるよりも前に、どうしたら早くすることができるのかなど、根本的な問いを持つことを重要視しなければならないだろう。

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