1. 世界の税金が高い国ランキング:高税率国の保障制度とは?

世界の税金が高い国ランキング:高税率国の保障制度とは?

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 参議院選や都知事選の話題が盛り上がり、消費税の引き上げに関するニュースは沈静化した。そもそも、日本以外の国では「税金」は、どれくらい課されているのか。どんな社会保障があるのか。2015年にABC Newsが調査した結果をもとに、税金の高い国をランキングで紹介したい。

 ※ランキングは法人税、給与税(源泉徴収税など)、個人所得税、売上税(消費税)といった4種類の税金を基準につくられている。

世界の税金が高い国ランキング 第10位:オーストリア

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 世界の税金が高い国、第10位は中央ヨーロッパの内陸国”オーストリア”だ。人口は850万人で、首都は”音楽の都”と呼ばれるウィーン。庭園内に世界最古の動物園があるシェーンブルン宮殿は、著名な観光地である。

 気になる税率については、”25%”となっている。1人あたりのGDPが44,475ドルで、生活基準が高い国だからこその税率ではないだろうか。

幼稚園、学校、特殊学校、未成年や学生のための寮施設、老人ホーム、住居建設、病院施設、事故予防や企業衛生といった社会福祉の領域の多くは高度に発達し、他国のお手本になるといってよい。また、事故や手術、出産、療養を含めた疾病、失業、身体障害、年金さらには遺族補助などを含む広範な保険制度が、社会関連の諸法によって定められている。

出典:Außenministerium Österreich -> 大使館 -> 東京 -> 社会福祉
 教育・医療の面では、日本と変わらぬ手当のラインナップだ。

 就労者の支援については、1年に最低5週間の有給休暇を請求する権利、妊婦は出産前後それぞれの8週間の間、保護期間として働くことを禁止、といった内容がある。また、育児休暇は2年間、介護休暇は年間1週間という期間が保証されている。

世界の税金が高い国ランキング 第9位:ベルギー

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 世界の税金が高い国、第9位は西ヨーロッパのベルギー。人口1,100万人以上で、首都ブリュッセルのモーレンベークにはイスラム系移民が多く居住している。ビールの醸造所や銘柄が多く、”ビール王国”とも呼ばれている。

 税金は、法人税で33.99%、連邦税は55%、地方税は9%。これらを含む所得税は最大で64%、さらに給与税が37.84%で消費税は21%。消費税は日本よりも13%高い、高税率な国である。

 日本とベルギー間では”社会保障協定”が結ばれている。以前はビジネスでの一時的な相手国への滞在中、年金制度と医療保険制度に加入しなければならないという法令が適用されていた。そこで、社会保障制度の二重加入を防止するために、2005年に協定が結ばれた。

産前産後休暇は、原則として出産予定日の6週間前から取得する事ができる。また、
出産予定日の7日前から産後9週間は母親の労働が禁じられている。

出典:ベルギーの雇用制度一覧
 
 ベルギー国民に対する社会保障については、高税率であるが10位のオーストリアには見劣りしてしまう内容である。産休制度だけを見ても、休むことが可能な日数の違いは一目瞭然である。

世界の税金が高い国ランキング 第8位:オランダ

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 世界の税金が高い国、第8位は西ヨーロッパのオランダ。人口は1,680万人で、ヨーロッパの中でも人口密度が非常に高い国である。オランダの首都は、アムステルダムとハーグの2つだといわれているが、憲法上ではアムステルダムとなっている。

 税金は、法人税25%、最大所得税52%、消費税21%(※生鮮食品は6%)。所得税の税率が高い点が特徴的だ。
 
 国連のSDSNが発表したWorld Happiness Report(世界幸福度調査報告)によると、オランダは第7位。雇用制度や教育制度の充実度がうかがえる結果だ。

 オランダは、パートタイムで働く国民が多い。男性26.8%、女性76.6%がパートタイマーなのだ。パートタイマーが増加した理由は、時給や社会保険、雇用期間、昇進などの労働条件に格差をつけることを禁じ、フルタイム労働者とパートタイム労働者の格差を是正したからである。多様な働き方も、幸福度に影響していると考えられる。

世界の税金が高い国ランキング 第7位:デンマーク

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 世界の税金が高い国、第7位はドイツと国境を接している北欧のデンマーク。人口は560万人以上で、首都は高級磁器ブランド「ロイヤル・コペンハーゲン」誕生の地、コペンハーゲンだ。

 税金は、法人税23.5%、最小所得税46.03%、給与税8%、売上税25%。さらに最大所得税は61.03%と、いずれも高税率だ。

 デンマークは”福祉国家”として有名である。医療費無料、出産費無料、教育費無料、その他高齢者サービス……「ゆりかごから墓場まで」という言葉通りの保障内容である。教育費は幼稚園~大学まで無料なのだから、驚きである。

 また、特徴的なのは国民年金の制度だ。国民年金の公平性を保つため、収入・家族構成などの年金所得者の状況に応じて、配給される。調整によって、高所得者が国民年金を1円ももらえないこともある。デンマーク人の「共生」の精神が、社会保障にも表れている。

世界の税金が高い国ランキング 第6位:スウェーデン

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 世界の税金が高い国、第6位はスカンジナビア半島にある北欧のスウェーデン。デンマークに続いて、北欧の国が2連続でランクイン。人口は970万人近く、面積はEUの中で3番目に大きい。首都はストックホルムで、ジブリ作品『魔女の宅急便』の舞台になっている。

 税金は、法人税22%、最大所得税59.7%、給与税32.42%、売上税は25%。”高福祉高負担”の考え方といえば、スウェーデンというイメージを持っている読者も多いのではないだろうか。

 スウェーデンの福祉は、”生涯学習の国”という点が特徴的だ。男、女、障害者、高齢者、外国人など関係なく、学校の授業料がすべて無料、あるいは格安なのである。若者から高齢者まで、多くの人が専門学校や大学での学習に参加している。

世界の税金が高い国ランキング 第5位:アイルランド

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 世界の税金が高い国、第5位は北西ヨーロッパに位置するイギリス領のアイルランド。人口は460万人弱で、1人当たりのGDPが1年間で54,464ドルという豊かな国である。首都は、観光スポットの多いダブリン。

 税金は、法人税12.5%、最大所得税40%、サービス税9%~13.5%、消費税23%、そして給与税は0%~11%と、厳しい税制を導入している。

 アイルランドの社会保障の中で、「水道代金が無料」というものがある。人口に対して、降雨量が非常に多い国なので水道代が無料となっている。

世界の税金が高い国ランキング 第4位:フィンランド

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 世界の税金が高い国、第4位はスウェーデンの隣国、北欧のフィンランド。人口はおよそ550万人で、人口密度が低い国だ。首都はバルト海に面するモダンな都市、ヘルシンキ。

 税金は、法人税が20%、最小所得税7.71%に最大所得税61.96%、給与税は平均で20.64%。また14%の消費税、10%の宿泊税を含む売上税は24%となっている。

 フィンランドの社会福祉の特徴は、家族に対する支援対策の充実度だ。

産休・育児休暇が充実しています。これらの休暇はあわせて263日(労働日)あります。そのうち産休が105日、育児休暇は158日で、父親母親どちらが取得してよいことになっています。このほか出産に関して父親休暇があり、6日から30日 まで父親は休暇をとることができます。

出典:4.フィンランドの家族政策と教育制度 - 矢崎化工 kaigo-web -
 産休・育休制度だけでなく、父親の子育て制度が整っているのは、フィンランドの社会保障の良いところだ。さらに、不規則な時間で勤務する親のために、24時間保育も用意されている。

世界の税金が高い国ランキング 第3位:イギリス

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 世界の税金が高い国、第3位はEU離脱で話題のイギリス。人口は6,400万人以上、首都は時計台「ビッグベン」のあるロンドンだ。2015年の名目GDPランキングではトップ5入りしている、経済大国である。

 税金は、法人税40%、給与税15.3%~3.8%、売上税0%~11.725%。さらに、連邦税と地方税を含む最大所得税は55.9%と、税金が高い国の第3位らしい数字となっている。

 イギリスの社会保障は手厚いことで有名だったが、社会保障を充実させた結果、国家財政を逼迫させたため見直しが何度も行われている。見直しの結果、超低所得者や高齢者は所得控除額の割合が大きくなり、優遇される内容になった。

世界の税金が高い国ランキング 第2位:日本

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 世界の税金が高い国、第2位は日本。人口は約1億2730万人で、2015年の名目GDPランキングでは世界第3位の経済大国だ。また、近年「国別ブランド指数ランキング」で1位を獲得した。

 税金は、法人税は38.01%、最小所得税15%、最大所得税50%、給与税25.63%、消費税は8%。消費税はランクインしている他の国と比較しても低税率であるが、法人税の税率が高いことがわかる。

 日本の社会保障制度の特徴は、やはり高齢者支援が手厚い点だ。ホームヘルプサービスや福祉施設の利用といった具体的なサービスが介護保険制度によって充実している。

世界の税金が高い国ランキング 第1位:アルバ

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 世界の税金が高い国、第1位は西インド諸島の南端部、南米ベネズエラの北西沖に浮かぶ島国のアルバ。オランダ王国の構成国である。人口は約10万人の小さな国だ。

 税金は、法人税28%、最小所得税7%、売上げ税は総売上高の1.5%がかかりながら、最大所得税58.95%となっている。

 小さな島国だが、観光業が基幹産業となっており、生活水準はカリブ海地域のなかでも最高。人気のビーチがあることでも有名な観光大国の1つだ。


 以上、世界の税金が高い国をランキングで紹介した。日本が第2位という結果に驚いた読者もいるのではないだろうか。高税率だが、いずれの国も国民の一生涯を保障したいことがうかがえる。また、他国の社会福祉制度を知ることで、日本に足りない社会保障とは何かを考える機会にもなる。納めた税金の行先や使い方について、考えてみてはいかがだろうか。

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