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永遠のテーマ「賃貸 or 持ち家」はライフプランで決める!FPがメリット・デメリットを解説

Sodan[ソダン]

2016/07/22(最終更新日:2020/09/30)


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「家を買うか、生涯賃貸でいるかどちらのほうがお得なんだろう」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。

本記事では、持ち家購入の判断基準を、ファイナンシャルプランナーの平原直樹氏の視点から紹介します。

持ち家を購入するべきなのか、賃貸のほうがいいのか悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

本記事の内容をざっくり説明
  • 「家族構成と間取り」で賃貸 or 持ち家の選択肢は変わる
  • 賃貸住宅のメリット・デメリットとは
  • 賃貸住宅のほうが向いているタイプと持ち家のほうが向いているタイプ

 

「家族構成と間取り」で賃貸 or 持ち家の選択肢は変わる

永遠のテーマ「賃貸 or 持ち家」はライフプランで決まる! メリット・デメリットをFPが解説 2番目の画像

by Señor Hans

家を買わずに、生涯賃貸でいるほうがいいのか、家を買ったほうがいいのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

住宅購入は、人生で最大の買い物といわれています。マイホームの購入を目標としているけれど、多額の住宅ローンを背負うことには抵抗があると思っている人も珍しくありません。

結局のところ、賃貸の方が得なのでしょうか。それとも家を購入した方が得なのでしょうか。

一生涯賃貸で暮らすのと住宅購入を、単純に金銭的な理由で考えた場合、一生涯で払うトータルの住居費では、住宅購入が有利といわれています。平均寿命が延び、老後の生活が長期化していることを考えると、さらに住宅購入のほうが金銭的にお得になっています。

しかし、誰もが住宅購入をしたほうが有利になるわけではありません。

FP(ファイナンシャルプランナー:将来のライフプランニングに即した資金計画やアドバイスを行う職業)の視点から見ると、住宅購入をお勧めしない世帯というのも一定数存在するとFPである平原直樹氏はいいます。

最初に注意しておく必要があることは、「家族構成次第で必要な間取りは異なる」ということです。現在独身の人でも、将来的には結婚して子どもを授かると、家族構成の変化が生じます。

家族の人数が増えるにつれて、その分必要な部屋が増えます。しかし、子どもが独立した後は、必要な部屋は減っていきます。このような部屋の必要数の増減が住宅購入のデメリットです。

子どもが誕生してから住宅を購入した場合、世帯の最大人数で計算した間取りで住宅を購入することに。将来的に必要性が薄れる子ども部屋を含めた間取りで購入するわけです。

子ども部屋にもカーテンやエアコンは当然必要ですし、随時メンテナンスも必要になります。特に一戸建て住宅の場合、二階建て、三階建ての住宅が基本になります。

自分たちが歳を取った際に、誰も利用しない子ども部屋を掃除することになってしまい、それが毎日続くのは、大変だと思う人も多いでしょう。

自分の描くライフプランによって、賃貸にするか持ち家にするかが変わってきます。

 

賃貸住宅のメリット・デメリットは?

持ち家と賃貸住宅は、金銭的な損得で考えると、持ち家のほうが有利であるとご紹介しました。

しかし、金銭的なこと以外にも、それぞれメリットやデメリットがあります。

まずは、賃貸住宅のメリットやデメリットを詳しくご紹介します。

 

賃貸住宅のメリット

賃貸住宅の最大のメリットは、「気軽に引っ越しができる」ことです。

「引っ越しなんてそんな頻繁にすることはないだろう」と思っている人もいるのではないでしょうか。

しかし、転勤や転職、結婚などによって暮らす場所を移すことも考えられます。

また、家族が増えた際など、必要な部屋数が変わった場合には、その時必要な間取りの家に引っ越すこともできます。

さらに、ご近所トラブルが起こってしまった場や、周囲の環境を変えたいときなどにも、引っ越ししやすいでしょう。

このように、気軽に引っ越しができるメリットはたくさんあります。

また、他のメリットとしては、住宅設備が壊れた場合には基本的に管理者が負担してくれたり、管理してくれるので修理費が少ないことも挙げられます。

 

賃貸住宅のデメリット

次に、賃貸住宅のデメリットをご紹介します。

賃貸住宅の最大のデメリットは、一生家賃を払わなければいけないことです。

賃貸住宅は住んでいる間、家賃を払い続けなければいけない上に、更新料がかかることもあります。

また、内装や設備を自分で決めて作れないので、必要な場所にコンセントがなかったり、欲しい設備が揃っていなかったりすることもあるでしょう。

借りている家なので、壁に釘を打ったり、リフォームがしにくいことも賃貸住宅のデメリットです。

 

持ち家のメリット・デメリットは?

賃貸住宅には、引っ越しができたり、修理費が少ないなどのメリットがあることをご紹介しました。

賃貸住宅と同様に、持ち家にもメリットとデメリットはあります。

以下では、持ち家のメリットとデメリットをご紹介します。

 

持ち家のメリット

持ち家の最大のメリットは、老後の金銭的な負担が減らせることです。

持ち家のローンを退職するまでに支払い終えていると、固定資産税を払うだけなので、住居費を大幅に削減できます。

また、内装や設備も自分で決めて作れるので、自分の理想とする間取りにできることは大きなメリットではないでしょうか。

料理を頻繁にしたする人は、こだわりのキッチンを作ることもできます。老後に備えて段差を少なくしたり、サウナをつけたりすることも可能です。

そして、部屋数も自由に決めれるので、ライフプランにあった家を作り出せることも魅力的です。

また、持ち家は資産になるので、いざとなったら売却することもできます。

 

持ち家のデメリット

持ち家のデメリットは、引っ越しができないことです。

持ち家に住み続ける場合には、転勤や家族の都合で今いる場所から離れたい場合も家のことが負担になってしまいます。

また、事故や怪我などで長期間収入が減ってしまっても、持ち家の場合は、住宅費を減らすことは難しくなってしまいます。

そして、老後のために持ち家を買っても、家はの老朽化からメンテナンスをする必要が出てくることも忘れてはいけません。

持ち家を買っていても、ローンだけではなく、メンテナンス費や固定資産税でお金がかかることはデメリットだといえるでしょう。

 

賃貸 or 持ち家はどちらがコスト的にお得?

金銭的な理由だけで考えた場合、一生涯で払うトータルの住居費では、住宅購入が有利であるとご紹介しました。

しかし、どこに住むか、どれぐらいの家を買うかによってどちらがお得になるかは変わる可能性があります。

自分が住もうと思っている土地の住宅費と、自分が買おうと思っている家の値段を比べてみることをおすすめします。

賃貸でかかる住宅費は、入居費・家賃・更新料のみです。

持ち家にかかる住宅費は、住宅ローン・管理費・固定資産税・リフォーム代などです。

具体的に計算してみて、持ち家を買うか買わないか決めるのもいいでしょう。

 

賃貸住宅のほうが向いているタイプ

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by keeva999

理想とするライフプランによって、賃貸と持ち家のどちらのほうがお得になるのかが変わることをご紹介しました。

では、賃貸住宅に向いているタイプとはどのような人なのでしょうか。以下で詳しくご紹介します。

 

将来住み続ける場所が決まっていない場合

賃貸住宅の最大のメリットは、引っ越しができることだとご紹介しました。

持ち家を購入しても、住み続けないとお得にはなりません。

将来住み続ける場所が決まっていない場合は、引っ越しのできる賃貸住宅に住むほうが精神的にも気軽だといえるでしょう。

 

住居手当が充実している場合

自分の勤めている企業に、住居手当がある人も多いのではないでしょうか。

企業によっては、かなりの額が手当として支給され、個人の支出が小額で済むことがあります。しかし、住宅を購入すると住居手当が打ち切られるのが一般的です。

住居手当が充実している人がわざわざ住宅購入して支出を増やすのはおすすめしない、とFPである平原直樹氏はいいます。

また、いわゆる「転勤族」の人はなおさら、持ち家購入はおすすめしないと平原直樹氏は伝えます。

老後の住処が心配であれば、住居手当が支給される間にしっかり貯蓄をし、子どもの独立後に一括購入することを検討するといいでしょう。

 

将来的な居住用不動産の相続が予想される場合

実家を相続するという人もいるのではないでしょうか。

実家を相続する予定があり、将来相続した住宅に住むのであれば、自身で住宅を購入する必要性は少ないでしょう。

一生涯賃貸で暮らす場合と比較して、住宅を購入した場合に優位性が出るのは、住宅ローンの支払いが終わってからです。

ローンが払い終わる老後に購入した持ち家に住まないのであれば、利息を払ってまでローンを組むのではなく、実家のリフォーム費用を用意しておく方が堅実です。
  
「老後は持ち家を賃貸に出して家賃収入を得る」という考えもありますが、この場合は物件選びに注意が必要です。

駅に近く、単身者やDINKs(Double Income No Kids:共働きで子供を意識的に持たない夫婦、またその生活観)向けのマンションが、賃貸に向く住宅といわれています。
    
一方、郊外の一戸建や最寄り駅から遠いファミリー向けマンションというのは、基本的に賃貸に向く物件ではありません。購入を検討している家が一生涯住む家なのかどうかをしっかり考えてから購入するようにしましょう。

 

持ち家のほうが向いているタイプ

賃貸住宅に住むほうが向いているタイプをご紹介しました。

将来住む場所が不明確な人や、住居手当が充実している人などは、賃貸住宅のほうが向いてるといえるでしょう。

では、持ち家のほうが向いているタイプとはどのような人なのでしょうか。以下で詳しくご紹介します。

 

退職までに支払いが終わる場合

持ち家のほうが向いているタイプとして挙げられるのは、退職までに住宅ローンの支払いが終わる人です。

退職までに持ち家の支払いが終わらなければ、少ない収入からお金を工面して住宅費に回さなければいけません。

お金の安心がないことは、精神的にも、肉体的にも辛くなるでしょう。

対して、退職までに持ち家の支払いが終わっていると、固定資産税やリフォーム代を払うだけで、今の家に住み続けられます。

少ない住宅費は心の安定にも繋がるでしょう。

 

部屋数が多い家に住みたい場合

部屋数が多い家に住みたい人も、持ち家を購入するほうがいいでしょう。

部屋数が多い賃貸は数が少なく、家賃が高くなる傾向があります。

高い家賃を払って賃貸を借りるよりも、持ち家を買うほうがお得になることもあります。

 

「自分の家」があるという安心感が欲しい人

また、「自分の家」があるという安心感が欲しい人も持ち家を購入することをおすすめします。

家のローンを払うことにプレッシャーを感じる一方で、自分の家があることは、精神的に自分を守ってくれるものにもなります。

ローンのために頑張って働いたり、家で待っている家族のために働ける力をもらえるでしょう。

また、持ち家は最終的に「資産」となって残ります。子供に持ち家をそのまま相続したり、お金のために売ったりすることもできます。

確かな財産を残したい人にも、持ち家はおすすめです。

 

コストだけでなく、ライフスタイルを検討して選ぼう

本記事のまとめ
  • 持ち家も賃貸にもそれぞれメリット・デメリットがある
  • 将来住み続ける場所が決まっている人は、持ち家がおすすめ
  • 引っ越しが多い人や住宅手当が充実している人は、賃貸がおすすめ

本記事では賃貸で暮らすのと、住宅を購入するのでは、どちらがお得であるかについてご紹介しました。

自身のライフプラン次第で損得が大きく変わってきます。大きな買い物となるので、将来的なことまで考えて決断するようにしましょう。

本記事を参考に、持ち家を購入するか否かを考えてみてはいかがでしょうか。

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