1. 日常の風景を題材に見つめ直す“思考法”:『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』

日常の風景を題材に見つめ直す“思考法”:『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』

出典:blog.lifestylesolutions.org.au
 一般的には正しいとされている思考法は、問題や悩みを解決するために広く使われている。ビジネスの世界でも、「ホウレンソウ」に代表されるような、仕事で使える思考法が伝播している。しかし、その“思考法”が100%正しいとは限らず、染み付いてしまった方法から抜け出すことが難しいということはご存知だろうか。

 私たちは、そこにある問題だけを解決しようと考えるが、状況に応じて正しい“思考法”が使えなければ、上手く対処できない恐れがある。こうした方法は、どうすれば柔軟に対応できるのだろうか。

 そこで今回は、改善士・横田尚哉氏の『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』から、視点の持ち方を変え、物事の捉え方を変えるには、どうするかを考えていきたい。今回紹介する本が、あなたの“思考法”を変えて、あなたの意識やあなた自身、さらには周りを変えられるようになれば、嬉しく思う。

問題解決の“思考法”#1:タウン編・満員の通勤電車になぜ乗るか

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 多くのビジネスマンは、毎朝、電車に乗って会社へ向かう。これは会社へ行くためであり、また、会社へ行かなければ仕事ができないから、電車に乗っているのだろう。しかし、考えてみてほしい。仕事をするために、疲れてまで、満員の通勤電車に乗る必要があるのだろうか。

 “思考法”を変えれば、通勤電車に乗る本当の理由が見えてくる。そこで、本書が紹介する、生産効率を上げるために通勤電車に乗る“思考法”を見ていこう。

ビジネスマンは通勤「業務」を毎朝こなしている

 満員電車でもみくちゃにされてまで、出社するのは、誰のため、何のためなのか。そもそも、通勤は仕事をするための手段である。しかしながら、出社時間に規定があったり、周りがそうしてるからといった思考法をとっていると、「何のために、誰のために通勤するか」が見えづらくなってしまう。では、“思考法”のコツを確認しよう。

満員電車での通勤を見直す「思考法」

  • 自宅から職場への移動:「身体を動かす」
  • 満員の電車にあえて乗る:「遅刻を避ける」
  • 少しでも空いている車両に乗る:「体力消耗を減らす」
  • 通勤中に音楽を聞く:「ストレス緩和」
 このように、手段としての通勤を“要素”として羅列すると、従来の思考法が変わり、何のために電車に乗って職場まで行くかが見えてくる。満員電車で少しでも快適な通勤を送るために、この“思考法”を試してみてはどうだろうか。

問題解決の“思考法”#2:オフィス編・ホウレンソウで効率はあがるのか?

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 業務を遂行する上で、「ホウレンソウ」は欠かせないという人は多いだろう。では、ホウレンソウをすることで、正しく作業効率は上がっているのだろうか。“思考法”を変えると、ホウレンソウによって余計に時間を費やしている可能性がでてくる。そこで、本書から、ホウレンソウの役割を改めて考えていきたい。

過去を手放し、未来をつかむための“ホウレンソウ”

 ホウレンソウの本来の目的は、作業効率を高めるためにある。ホウレンソウは、“トラブルの拡大を防ぎ(ホウ)”、“調整漏れを防ぎ(レン)”、“作業のムダを防ぐ(ソウ)”という理論だ。だが、大切なのは、ホウレンソウを、「作業効率を高める」ことに使うことだ。“思考法”を変え、SNSやその他のツールを上手く活用して、作業効率を高めるために、進化したホウレンソウをしてみてほしい。

問題解決の“思考法”#3:プライベート編・資格はなぜ取るのか

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 昨今は、個人がスキルを高めていかなければ通用しなくなってきた。これからの社会で生き抜くためには、個性を明らかにし、自分の特長をアピールするツールの一つとなっている。もちろん、たくさん資格を取ることにメリットはある。しかし、資格マニアほど資格が必要でないなら、どうしてその資格が必要なのか、誰のためにそれが必要なのかを考えてみるべきだろう。そこで、本書から資格を取ることで得られるメリットについて紹介し、それを踏まえて自分にとって本当に必要なものを見つめ直す“思考法”をつかんでほしい。

資格を取得して得られる3つの効用

  • スキルを高める
  • 印象をよくする
  • 気分をよくする
 この“思考法”をすると、資格を取得することのゴールは「仕事の効率を高める」ということにつながる。資格をカタチだけで捉えると、それを取るか・取らないかの手段としての“思考法”をしてしまうが、資格を取得することで、目標を達成できるか・できないかといった目標達成のための“思考法”を選ぶと、資格を取ることの役割が見えてくるはずだ。

問題解決の“思考法”#4:パブリック編・不案内な案内図は誰のため?

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 オフィスビルには、避難経路図があり、そこには通路や出口が示されている。だが、情報が多く、逆に不親切な経路図になっていることはないだろうか。これをビジネスに置き換えてみよう。あなたはプレゼン資料を作成したとき、大切な情報だけを意識して盛り込めているだろうか。そうでなければ、相手のことを考えた資料とは言えないはずだ。そこで、避難経路図を通して、ルールにとらわれ過ぎることなく、必要なことを伝えるための思考法を紹介したい。プレゼン資料を作るとき、本当に伝えたいことだけを示しているかを確認するためのヒントになれば嬉しい。

誰のために、何のために、案内図を作っているのか

 本書によると、避難経路図に必要な役割は“進む方向を伝え”、“理解を容易にし”、“再確認を容易にし”、“行き場がなくなる事態を防ぐ”ことだそうだ。だが、建物に即した経路図をつくる必要があることから、規則に従ったものを作らなければならない。そのため、規則を守ることにとらわれて、役割を果たせない経路図が存在するのも事実だという。

 これをビジネスの世界に置き換えてみよう。私たちも同様に、法律や基準、会社の規則といったルールに従わなければならない。しかし、ルールを守ることが目的になってしまうと、本来の目的を見失ってしまう。先ほどプレゼン資料の作成を例に挙げたが、自分の企業にとって、あるいは自分自身のために、都合のいいように資料作成をしていないだろうか。大切なのは、「誰のためか、何のためか」を忘れないように、正しい思考法を意識することだ。


 自分では正しいと感じている思考法も、いざ相手のために用いると、上手くいかない場面があるかもしれない。冒頭でも述べたが、習慣化されてしまった思考法を直すのは容易ではない。しかしながら、本書の示す“思考法”の工夫が、仕事や物事の解決において、何が重要なのかを明確化させてくれ、仕事の質を向上させてくれるはずだ。ぜひ、自分の“思考法”のクセと向き合う機会としてほしい。

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