1. アメトーーク・ロンハーを生んだ、加地倫三の“バカな番組を作るクソマジメな仕事術”『たくらむ技術』

アメトーーク・ロンハーを生んだ、加地倫三の“バカな番組を作るクソマジメな仕事術”『たくらむ技術』

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 「思えば、ずっと、たくらんできました――」。「格付け」「ブラックメール」など、過激さとリアルさが突き抜けている「ロンドンハーツ」。 「家電芸人」「中学のときイケてない芸人」など、斬新でツボをついた企画の「アメトーーク!」。 この二つの番組を同時に手がけ、企画・演出・統括の全てをこなすのがプロデューサーの加地倫三である。

 「どうしてそんなに面白いことを思いつくの?」「なぜヒットし続けているの?」「どうやって仕事ををこなしているの?」
 
 今回は、そんな業界最注目のプロデューサー・加地倫三が持つ、バカな番組を実現させるクソマジメな仕事術を紹介する。本書『たくらむ技術』では、「面白いもの」が好きな人、「面白い仕事」がしたい人が絶対に知りたいであろう、アイディアの出し方、会議のコツ、社内の根回し、スタッフに必要なスキル、仕事と向き合う姿勢など、ヒットメーカー・加地倫三の「頭の中」と「手の内」が明かされている。

プロデューサー・加地倫三の“番組作りへのこだわり”

クソマジメに仕事を積み重ねる

 大人気バラエティ番組を手掛けるプロデューサー・加地倫三は、自身のプロデューサー業を振り返って「クソマジメに仕事ばかりをしていた」と語る。例えば、アメトーーク!では、18時間に渡る収録の1,000以上にものぼるカットを、1時間分に編集している。それも、編集現場ではディレクターのみに任せず、加地倫三も陣頭に立って番組作りを行う。加地倫三が自身について「(バラエティ番組制作に対する)情熱を人一倍持つ男」と語っているほどだ。

「面白い」ことよりも「面白さがわかり、伝えられる」ことが重要だ

 加地倫三は、「面白い」ことを追わない。この「面白い」とは、「驚異的なひらめき能力」「強烈な個性」のことを指す。加地倫三は、自身やスタッフにこのような面白さを求めてはいないのだ。なぜなら、バラエティ番組をプロデュースする際は、芸人たちの「強烈な個性」を理解し、それを演出する能力が求められるからだ。また、加地倫三は、「『驚異的なひらめき能力』も、いつかは枯渇して長続きしないので、特に必要ない」と述べている。

プロデューサー・加地倫三の“面白い企画を作る会議術”

ゆるい会話から始める

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 加地倫三は、「ゆるさ」を大事にする。加地倫三の参加する会議は、身の回りの雑談等からはじまり、格式ばらず、「ゆるく」スタートするのだ。そういった雑談ができるような共通認識がある人・同じような価値観の人とでなければ、企画が面白くなっていかないと加地倫三は語る。

 これは会議に限ったことではなく、加地倫三がいる番組の収録現場でも、こういったゆるい雰囲気が多く、スタッフ同士も仲が良く、ときには芸人ともふざけられる環境で行われているという。それは、加地倫三が「ゆるさ」から価値観を共有し、同じ方向を向いて、番組作りをすることを大事にしているからだろう。

煮詰まったら、すぐ切り上げる

 加地倫三は、議題に対して意見が出なくなったときは、さっさと切り上げる。なぜなら、そのような意見が飽和しきった状態を無理に続けても、ダラダラしてしまい、「面白い」意見は出ないと加地倫三は考えているからだ。加地倫三は、経験上、その「煮詰まり」の見極めとして、会議時間を長くても1時間に設定している。もし煮詰まってしまったとしても、その1週間後にまた同じ議題の会議を開いてみると、面白い意見が出ることも多いと加地倫三は語る。ゆるさだけでなく、メリハリも大事なのだ。

反省会こそ明るく

 反省会というものは、ただでさえ重い雰囲気が漂いがちなので、わざと明るく振る舞うのが加地倫三流だ。その際は、加地倫三が先頭を切って反省の結果を提示し、打開策を打ち出す。部下たちでは、口火を切って悪いことは言い難いだろうと加地倫三が考慮してのことだ。

プロデューサー・加地倫三の“ヒットし続ける番組作り”

トレンドに「背を向ける」

 加地倫三は、こう語る。「既存のトレンドに合わせても、加地倫三自身やスタッフが『面白い』と強く思えるようなものでなければ、番組に活かすことはできない」と。トレンドに追随するよりも、加地倫三やスタッフが「面白い」と盛り上がれるテーマを深堀りしていく方が「生きた企画」につながると加地倫三は断言する。

バカげた企みほど手間をかける

 加地倫三は、トレンドから逸脱しきった「バカげた企み」ほど重要視し、人員と予算を投じる。例えば過去、加地倫三のスタッフが「パリコレもどきをしたい」と発言し、それで会議が盛り上がったことがあった。その際、加地倫三は「パリコレもどきじゃなくて、本物のパリコレを越えるくらいやらなきゃ面白くない」と宣言し、無理やりにでも大量の人員と予算を投じさせたという。こうしてトレンドから脱線したことをやり続けなければ、時代を風靡するようなオリジナルなヒット企画を創出できなくなると、加地倫三は考えているのだ。

余裕のあるうちに「バカげた企画」を行う

 加地倫三は、ヒットに油断しない。例えば、あるアメトークの企画で視聴率15%を叩き出したことがあったが、加地倫三をその企画を続けなかった。加地倫三がその企画を続けていれば、視聴率15%とまではいかずとも、近い視聴率を獲得できていただろう。しかし、どうしても企画の最初ような鮮烈さが減り、先細りしてしまうと加地倫三は考えたのである。そこで加地倫三は、高視聴率を獲得した次の回にあえて、まったく違う「バカげた企画」を組み入れたのだそうだ。そうやって余裕のあるうちに「バカげた企画」を行い、アイデアを活性化させ続けてきたからこそ、加地倫三はヒットを生み出し続けた。加地倫三は、油断しない男である。


 以上、加地倫三の“バカな番組を作るクソマジメな仕事術”をご紹介した。そこには、絶対に面白いものを作り続けるんだという強い意志を感じる。加地倫三は、これからもお茶の間に、「面白い」ものを届け続けるはずだ。

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