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「CIOが必要だよ!」 ホリエモンは“ネット対応が後手後手”の役所にどうアドバイスする?

野口直希

2016/05/16(最終更新日:2016/05/16)


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 ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。『堀江貴文のQ&A「リーダーが必要!?」〜vol.654〜』では、ホリエモンが政府のIT施策に喝を入れた。

 今回取り上げた質問は、「政府が1兆円の予算をかけてマイナンバーシステムをITゼ­ネコンに発注しようとしていますが、mijinなどのプライベートチェーンを­応用すれば、低コストかつ高品質な個人番号システムが作れると思います­。しかし、政府はブロックチェーンに舵をきっていません。

 これは“現状の”ブロックチェ­ーン技術では、マイナンバーシステム開発は難しすぎるということなのでしょうか? またID­管理システム、金融システム、保証書、契約書、スマートコントラクトにまでブロックチ­ェーンが実装されるのは、いつ頃だとお考えですか? 2019年頃でしょうか?」という質問。

ホリエモン「ブロックチェーンなら、確定申告の頃のサーバークラッシュも心配ないよ!」

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 ホリエモンは、「安く実装できるだろうね。例えば、デンマーク政府の入札システムはブロックチェーン技術を使って作られているよ。リーダーがやるかどうか次第なので、時期の予測は分からないね」と回答。

 政府のマイナンバーシステムをビットコインなどで用いられているブロックチェーン技術で作ることは、可能だと断言するホリエモン。ブロックチェーン技術は、1つの巨大なパソコンではなく、無数のパソコンにシステムを点在させて管理させるシステム。点在する全てのデータがこわされなければシステムを復旧できるので、既存の中央集権的なシステムよりクラッキングに強いともいわれている。
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 ホリエモンによれば、マイナンバーシステムにブロックチェーン技術を用いる大きなメリットはコスト削減だという。例えば、マイナンバーなどの役所仕事の根幹に関わるシステムは、確定申告の時期に申請が殺到するため、サーバーに強い負荷がかかる。

 従来なら、予備のサーバーを用意しておいて、使用中のサーバーがクラッシュしたらそちらに切り替える「冗長化」という対策を講じる。確定申告の時期にリアルの窓口職員を増やしておいて、申請者が殺到しても対応できるように準備するのと同じことだ。

 システムの窓口にあたるフロントエンドだけならまだしも、それを管理するデータベースシステムまで冗長化するのは、結構な手間だというホリエモン。しかし、ブロックチェーンならこうしたシステムが非常に簡単に作れるのだ。それは、システムの中に予めこうした負荷分散の技術が組み込まれているからだ。

ホリエモン「役所にCIOを配置するべき!」

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 では、強固なメリットが存在するのに、なぜブロックチェーン技術が使用されないのか。ホリエモンは、「役所の中にCIO(最高情報責任者)が本当はいなきゃいけないんだよね」と話す。

 CIOは、特にアメリカの企業で多く存在する、経営戦略を基に組織全体の情報化・IT化の指針を決定する上位役員。どんな業態でもITへの対応が不可欠な昨今において、ますます需要が増している役職だ。

 現在、日本の政府組織では各省庁毎にシステム部門を配置して、それぞれ独自に情報技術への対応を急いでいる。そのため、省庁によってIT化への対応度はかなりバラバラ。先進的な技術を導入できているところもあれば、多額の予算を配分されているにもかかわらず前時代的なシステムが機能している箇所もある。
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 そうではなく、政府組織全体の情報化対策を取りまとめる役職を配置すべきというのが、ホリエモンの意見だ。マイナンバーシステムについても、「首相補佐官あたりにITに強い人がいれば、どんなテクノロジーを使えばいいかすぐに分かるんだけどね」と話している。

 「要は、リーダーがいなきゃダメってことだね」と総括するホリエモン。省庁ごとの狭い視点では、マイナンバーシステムのように膨大なムダが生まれてしまう。ITの導入はできて当たり前になった現在では狭い視点からの個別的な対応ではなく、組織全体を俯瞰できる人材が大きなビジョンを持って情報化に当らなければいけないのだ。
 
 ホリエモンが政府のIT施策について語った『堀江貴文のQ&A「リーダーが必要!?」〜vol.654〜』。動画が見たい方はこちらからどうぞ!

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