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ホリエモンが社労士の仕事をぶった切る! 「就業規則の作成なんて、コピペでいいんじゃない?」

野口直希

2016/05/13(最終更新日:2016/05/13)


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 ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。『堀江貴文のQ&A「テクノロジーで代行!?」〜vol.652〜』では、ホリエモンが社会保険労務士の仕事について厳しく言及。

 今回取り上げた質問は、「地方で税理士事務所を経営しています。以下のような­事務代行サービスを考えましたが、どう思いますか。対象は立ち上げたばかりで事務員を­雇う余裕のない企業(個人事業)や、事務ばかりが大きくなってもう少しスリム化した­い企業。提供するのは電話対応サービス、記帳、請求、支払などの経理サービ­ス、各種入力サービスです。

 ポイントは、作業の標準化と在宅ワークです。昔バリバリ働い­ていたけれど、出産などで会社に出てこれなくなった主婦などに自宅にい­ながら作業をしてもらうため、作業を標準化してテンプレート化します。企業からすれば、­効率的に必要最低限の管理業務をこなすことができ、主婦としては隙間時間に稼げWin­-Winになると思いますが、いかがでしょうか」という質問。

ホリエモン「社会保険労務士って、本当に試験を受けなきゃいけないような仕事なの?」

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 ホリエモンは、「まあ、ありがちなサービス。というか既にあるけど、それなりにニーズはあるんじゃないかな」と回答。

 主婦をターゲットにした税務系の事務作業に絞った在宅ワーク事業を提案する質問者だが、ホリエモンの反応はイマイチ。2014年に上場したクラウドワークスを筆頭にクラウドソーシング事業は乱立しており、ターゲットや扱う業務を絞ることで差別化を狙う企業も少なくない。現状では、質問者の事業案は凡庸なアイデアと言わざるを得ない。
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 とはいえ、あらゆる作業がクラウドソーシング化されているわけではない。今回のゲストで社会保険や雇用保険の手続き自動化するソフトウェア「SmartHR」を運営している株式会社KUFUの代表取締役 宮田昇始氏は、労務系の作業を引き受けるクラウドソーシングはほとんど存在しないと話す。こうした仕事を給料をもらって代行できるのは、社会保険労務士の資格保有者のみと法律で制限されているからだ。

 社会保険労務士は資格を取るのも一苦労で、合格率は1〜数%程度。ここでホリエモンは、「そんな試験を受けなきゃできないような仕事なの?」と強く切り込む。これに対して宮田氏は、「正直に言えば、資格取得の難易度に比べて、社会保険労務士の作業はそこまで難しいものではない」と衝撃の言葉を漏らす。

ホリエモン「社労士の仕事なんて、コピペでいいんじゃない?」

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 社会保険労務士の実態とはどのようなものなのか? 「社会保険労務士の主な仕事である社会保険などの届け出は、書類を書いて提出するだけなので、書き方さえ覚えれば誰でもできる」と宮田氏は解説。そのため、社会保険労務士を雇わずに社内の事務員がこの作業を兼任することも多い(社会保険労務士の資格が必要なのは、届け出作業を外注されて引き受ける場合なので、社内での届け出を事務員が行っても違法にはならない)。

 他には、就業規則の作成や人材の配置、コンサルティングや揉めごとの解決も社会保険労務士の仕事。とはいえ、宮田氏によれば、やはり最初に挙げた手続き系がその大半を占めているようだ。
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 資格取得の難易度に対して、これらの業務内容では割に合わないと考えるホリエモン。「就業規則なんて、コピペでよくない?」と無駄な商習慣をぶった切った。会社によっては就業規則にこだわることもあるが、それもあくまで部分的。判断が難しい部分のみ社会保険労務士が担当すれば、残りはコピペで済むというのがホリエモンの意見だ。

 宮田氏が運営するSmartHRは、社会保険などの手続き面での手間を省くサービスだが、ホリエモンは「ここにもテクノロジーでなくせる仕事があったね」とバッサリ。社会保険の届け出と就業規則作成の大部分がコピペで済むようになれば、高度な知識を持つ社会保険労務士はもっと高度な仕事に労力を割くことができるし、さらに言えば資格取得のために必要な知識そのものだって変わってくるかもしれない。

 資格によって保護された仕事の中にも、実はそこまで高度ではない、テクノロジーで代替できるものはたくさんある。ホリエモンが言うようにこうした無駄をなくす方法を考えることが、新たなサービスを考えつくための第一歩になるかもしれない。
 
 ホリエモンが社労士の存在意義について語った『堀江貴文のQ&A「テクノロジーで代行!?」〜vol.652〜』。動画が見たい方はこちらからどうぞ!

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