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“参入するならいまがチャンス”? ホリエモンが行政システムの最新動向を語る

野口直希

2016/05/12(最終更新日:2016/05/12)


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 ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。『堀江貴文のQ&A「行政もクラウドへ!?」〜vol.651〜』では、ホリエモンが行政システムの次の一手を語った。

 今回取り上げたのは、「行政向けパッケージシステム(業務管理など)を開発しており、行政側のニーズに合わせて競争力のある言語・技術を使ったバージョンア­ップを繰り返しています(C→VB→SWINGなど)。今後はHTML5を用いたフルブ­ラウザにシフトする方針ですが、機能的には飽和状態で単なる焼き直し感が否めません。技­術、機能では差別化が難しい状況ですが、堀江さんならどうやって製品価値を高めますか?」という質問。

ホリエモン「クラウドは行政を説得するのが大変そうだよね」

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 ホリエモンは、「次はクラウド化だろうね。完了すればバージョンアップも楽だし。行政を説得するのが大変そうだけどね。最終的には、行政の業務をどんどん無人化するのが正しい方向だろうね」と回答。

 行政向けソフトウェアの発展について、これからはクラウド化が拡大していくと予想するホリエモン。最近では一般にもかなり普及してきたが、クラウドとは簡単に言えば個別のPCやアプリ内ではなくネットワーク上でデータを管理するシステム。

 クラウドを導入すれば、ネットワークから一括でアップデートをかけられるため、お役所のシステムがいつまでも古い状態でなかなか更新されないという問題が一気に解決される。また、これまでエンジニアがそれぞれのPCに対してアップデートをしていたが、クラウドではこうした手間も削減される。システムメンテナンスの手間も同じ理由でかなり楽になる。

 一方で、クラウド上での管理は、セキュリティ面を考えると危ういイメージが拭い去れない。ネット上のデータが一度クラッキングされてしまえば、そこに接続している全てのPCに影響が出てしまうからだ。ホリエモンが「行政の説得が大変」という理由の1つはこうした点だ。
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 とはいえ、最近では行政関連のシステムでもクラウドの導入は少しずつ進んでいる。今回のゲスト、株式会社KUFUの代表取締役 宮田昇始氏が開発している社会保険や雇用保険の手続き自動化するソフトウェア「SmartHR」は、クラウドを活用して民間企業の行政手続きを手助けするサービスだ。

国が民間企業用の開発ツールを提供!?

 企業が頭を悩ませる「面倒な労務」の1つとして、従業員を社会保険に加入させる手続きを挙げる宮田氏。SmartHRを使えば、フォームに従業員情報を入力するだけで書類を自動が自動で出来上がり、役所への手続きもオンライン上で完了できる。
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 行政に関連するシステムの最前線に立つ宮田氏によれば、最近では少なくとも総務省や厚生労働省が、窓口作業を効率化して役所にできる行列を少しでも減らしたいと考えている。そのために民間企業用のAPI(プログラミングインターフェイス)を発行している役所もあるというのだ。

 つまり、国が窓口作業のオンライン化に対して民間企業の積極的な助成を求めているということ。もちろん役所でもオンライン化の施策は行っているが、それでも民間企業にとってはまだまだ簡単な作業になっているとはいえず、役所のシステムからの直接の申請率は5%程度だと宮田氏は話す。

 そこで橋渡しになったのが、SmartHRのような民間発の行政手続き補助システムだ。より民間企業が使いやすいシステムを作ることで、役所のシステムを利用する人は増えることになる。窓口業務の効率化につながるような民間発のシステムがさらに登場することを願って、国もシステム開発の参考になるAPIを発行しているというわけだ。
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 民間に比べて後手後手なイメージはあるものの、行政システムを取り巻く環境は確実に進歩している。また、国も最近ではネットに対して必ずしも排他的ではなく、むしろ無駄をなくすために優秀な技術を採り入れようとしている。先端技術に敏感な民間企業と手を結ぶことが増えることで、面倒なイメージをぬぐえない役所の手続きが一気に覆されるかもしれない。
 
 ホリエモンが行政システムの現状を語った『堀江貴文のQ&A「行政もクラウドへ!?」〜vol.651〜』。動画が見たい方はこちらからどうぞ!

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