1. 「時代のアイコン」を作った、佐藤悦子のプロデュース術:『SAMURAI 佐藤可士和のつくり方』

「時代のアイコン」を作った、佐藤悦子のプロデュース術:『SAMURAI 佐藤可士和のつくり方』

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出典:www.1oven.com
 佐藤可士和氏のSAMURAI(サムライ)といえば、ユニクロ、国立美術館、有名私大等、数々のブランディングを中心としたプロジェクトを手掛けてきたアート・ディレクター集団だ。

 今回は、数々のエキスパートたちを繋ぎ、一大プロジェクトを円滑にマネジメントしてきた妻・佐藤悦子さんが著述した『SAMURAI 佐藤可士和のつくり方』を通して、佐藤悦子流のプロデュース術を5つご紹介する。

 佐藤悦子流プロデュース術によって、「時代のアイコン」にまで登りつめた佐藤可士和氏。諸君が上司や取引先を巻き込み、クリエイティブな成果を残せるよう、佐藤悦子さんの技を盗んで欲しい。

佐藤悦子のプロデュース術 #1 「妥協せず、全てを追え」

「わかりやすいものが格好悪いのならば、『わかりやすくていいもの』をつくればいい」

 わかりやすさとかっこよさの追求など、妥協せずに全てを追って、良いものを作っていく考えは、佐藤悦子さんと可士和氏が共有している大前提である。

 マネジメント下手な人は、そこでひよってしまい、容易に妥協してしまう。無理をさせることと妥協しないことは、似て非なる。妥協は、プロジェクトにとって致命傷であること知らない人は多い。そして、この妥協は、デキる人の商品価値を下げてしまう。デキる人の価値を最大化する佐藤悦子流プロデュースでは、それはご法度なのだ。

 マネジメント上手な人は、佐藤悦子流を自ずと実践している。デキる人の商品価値を高めるような提案が自然とできているのだ。こうした、ストレッチするクオリティの追求により、可士和氏をはじめとしたクリエイターのパフォーマンスを最大化させているのだ。

佐藤悦子のプロデュース術 #2 「熱意・リスク・責任者を握れ」

「顧客の熱意、覚悟、責任者を掴み、可士和との意思のズレ、相性を確認し、プロジェクトをスタートする」

出典:www.amazon.co.jp
 エキスパートたちは多忙だ。そして仕事を選ぶ。ゆえに、頼む側にも相応の価値を要求される。デキる人は、仕事を選んでいるのだ。

 佐藤悦子さんはこう言う。「マネジメントが下手な人は、デキる人の価値を演出できない。それでは、デキる人は逃げていってしまう」

 そして佐藤悦子さんは、佐藤可士和氏を逃さない方法をここにまとめている。一般的に佐藤悦子さんのようなマネジメントがうまい人間は、デキる価値をうまく伝えることができる。

 佐藤悦子さんが上記で述べているように、キーワードは「熱意・リスク・責任者」だ。そういったパッケージを確認し、佐藤悦子さんは可士和氏とさらに綿密な打ち合わせを進める。それにより佐藤悦子・可士和・クライアントの三者の意識が綿密に結ばれ、佐藤悦子印の一つのチームが出来上がるのだ。

佐藤悦子のプロデュース術 #3 「強いルールで厳しさと安心感を」

「最初に、可否のラインを見極める。その上で、仔細を契約書にまとめる」

 マネジメント下手な人は、佐藤悦子流を知らない。どこまではできて、どこからはできないのか、というラインを引けないのだ。よって後で、「そんなことをしなければならなかったのか」という事態になり、信用が失墜してしまう。佐藤悦子流は、そのような当たり前のルール付けを改めて強調している。

 マネジメント上手な人は、佐藤悦子流に多くの場合、則っている。ルール付けがしっかりとできているのだ。だが、そこまでならただの段取りで終わってしまう。拘束力は弱いかもしれない。

 佐藤悦子流のカギは、「契約書化」だ。こうしておけば、互いに順守せざる得ない。佐藤悦子流のこうした強いルール付けは、ビジネスにおいてデキる人に信頼をもたらす。スポーツも、ルールがあるから成り立つのだ。なければ協議にはならず、観客もチケットを払ってくれまい。佐藤悦子流では、そこが大事だと語っている。

 また契約にしても、わずかなずれが生じるかもしれない。そこで佐藤悦子流だ。綿密にフィードバックを凝らし、すぐさま対応する。このような即座にルールを更新する佐藤悦子流には、厳しさと同時に安心感を感じるのだ。これぞ、クリエイターをまとめるプロの仕事術。

佐藤悦子のプロデュース術 #4 「最高を発揮させてもらう」

「頂いたスパンでのクオリティの上に、伸ばした際のクオリティを提案する」

 ここまで読んできた読者諸君は、佐藤悦子流ならばと、こちらの最高のクオリティを発揮するための交渉術に容易にうなずけるのではなかろうか。

 マネジメント下手な人は、クライアントへ説明責任を果たせない。勝負は、仕事を受けたヒアリングの時点で始まっているのだ。相手の要望を聞くだけでは、こちらの最高のパフォーマンスを発揮するためのスケジュールが狂ってしまう。佐藤悦子流は、いつでも最大化だ。

 マネジメントがうまい人は、佐藤悦子流を含んでいる。だから、デキる人のタイムスケジュールや限界をよく知っている。そして、クライアントに佐藤悦子さんのような説得力のあるリスケが提案できる。ここが僕らの最高なんだと。クライアントとしても、最終的なクオリティを高められるならと、ものがわかっている人だと感じられる。自身のパフォーマンスを最大化させることは、いつだってクライアントのためになる。佐藤悦子流は、さらに信頼も高まる相乗法なのだ。

佐藤悦子のプロデュース術 #5 「大きな画こそ、描け」

「大プロジェクトではまず、ゴールイメージを描き、共有する」

 この佐藤悦子流は、一大プロジェクトを手掛けてみたい若手ビジネスマンのビジョンを近づけるものではないだろうか。

 マネジメント下手な人は、ゴールイメージを抱かせることができない。報酬や煩雑さにかまけてしまうのだ。佐藤悦子は、それでは一大プロジェクトを取り仕切るのは難しいと語っている。

 マネジメントがうまい佐藤悦子流に適った人は、ゴール地点を提示できる。プロジェクトが大きければ大きいほど、ゴールは遠い。画を描けなければ、みなは迷うのだ。佐藤悦子流でなくとも、ゴールの意識共有さえできていれば、向かう先や次にすべきことがそれぞれの立場で自ずと導き出せる。佐藤悦子流に照らさなくとも、ひとりでにたどり着く先に、最善の一手を繰り出せるのだ。佐藤悦子流とは、エキスパート集団を運用する、最良のディレクションをまとめたものである。


 以上、佐藤可士和というエキスパートを見事に最大化し、「時代のアイコン」にまでした佐藤悦子流のほんの一端を紹介した。それを要約すれば、安心感と厳しさだ。佐藤悦子さんは、夫・可士和氏に対してもそうだ。だからこそ正確であり、一クリエイターである可士和氏の信頼を長い間、つなぎとめることができる。口で言うのは簡単だが、理屈抜きの運用法と心得が本書には記載されている。是非とも、本書を直に取って、佐藤悦子流の極意を肌で感じてみるといい。

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