1. 読んでないと恥ずかしい、おすすめの日本純文学作品。“大人にこそ”読んでほしい「珠玉の8作品」

読んでないと恥ずかしい、おすすめの日本純文学作品。“大人にこそ”読んでほしい「珠玉の8作品」

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 文豪と呼ばれる一人の人間が、後世に遺したメッセージ「純文学作品」。

 詩や小説などの形式に関わらず、文学からは人間の本質を垣間見ることができ、それが人間にとっての“真の教養”となりうる。

 そこで今回は、一生ものである教養を身につけるのにおすすめな純文学作品を8つ紹介したい。

 紹介する純文学作品から、“真の教養”を身につけてほしい。

おすすめの純文学作品①|太宰治『人間失格』

「私は弱い」と落ち込む人におすすめしたい純文学

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 おすすめの純文学作品として、太宰治の『人間失格』を挙げる教養人は多い。

 人間が持つ「弱さ」をことごとく露見させた作品で、自分を支配するのが社会であると錯覚していた時代の思想にまで迫っている。

 弱いことを悪だとする風潮は現在もある。優しさ、人当たりの良さの裏にある人間の本質に気付かないことも多々あるだろう。

 建前社会で生きる日本人にこそ、これほどまでにペルソナ(仮面)に固執して生きた主人公の生きざまが心に何かしらの喚起を促すはずだ。

 人間のもつ“本質”の「ある側面」を、完膚なきまでに描いたおすすめの純文学作品である。

おすすめの純文学作品②|宮沢賢治『銀河鉄道の夜』

“本当の幸せ”とは何かを知りたい人におすすめの純文学

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 宮沢賢治の作品も、純文学の入門としてしばしばおすすめされる。クラムボンが登場する『やまなし』が国語の教科書に載るほどに、宮沢賢治も日本を代表する作家の一人だからだ。

 幻想的な描写の多い『銀河鉄道の夜』であるが、名だたる大学で講義の題材として取り上げられるほど、学問的にも奥深い作品となっている。

 『銀河鉄道の夜』が作中で読者に問うているのは「ほんとうのさいわいとはなにか」ということだ。

 宮沢賢治特有の美しい風景描写に包まれながら、根幹的な問いについて熟考する。そんな時間を過ごすことができる、おすすめの純文学作品だ。

おすすめの純文学作品③|芥川龍之介『羅生門』

以前から“純文学に挑戦したい!”と思っていた人におすすめの純文学

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 日本の偉大な文豪として海外にも名高い芥川龍之介。彼の死後に作られ、彼を偲んでその名がつけられた文学賞が、いまや文学界を代表する大賞となったのは既知のことだろう。

 「生きるための悪は“悪”なのか」などと答えようもない問いかけがなされるのがこの『羅生門』という作品だ。太宰、宮沢同様に、芥川も有名な短編集が多い作家である。

 『羅生門』はそこまで文量の多い作品ではない。純文学入門としてはおすすめしやすい作品だ。

 純文学は作家によって雰囲気が根本的に異なるものなので、一人に限らず何人かの作品を読んでみることをおすすめする。



おすすめの純文学作品④|坂口安吾『堕落論』

歴史から“堕落”について学びたい人におすすめの純文学

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 教養を養いたいなら、歴史を学ぶことを是非おすすめしたい。過去からしか、人間は真に学ぶことができないからである。

 坂口安吾の『堕落論』は、小説よりは随筆にカテゴライズすべき作品だ。「堕落」が人間の本質であると説くこの作品にて坂口は、戦後の復興の中で、日本人がそれまで文字通り命懸けで体現してきた「倫理観」がことごとく崩れ去ったのは、戦争のせいではなく人間の本質なのだと述べている。

 戦争経験者が日に日に少なくなってゆく今だからこそ、一度じっくり読むことをおすすめしたい作品である。

おすすめの純文学作品⑤|夏目漱石『吾輩は猫である』

文豪の描く「他愛もない日常」に触れてみたい人におすすめの純文学

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 日本紙幣に使用されるほど偉大な文豪として知られる夏目漱石。

 個人的なおすすめは『夢十夜』だが、純文学入門ということならまずはこの作品を読んでほしい。

 「他愛もない日常」を描くことの多い夏目漱石。一日一日が結果として人一人の人生を織りなすように、ありふれた日常にもさまざまなドラマがある。

 棘のある風刺がまたとない味わいを生み出しているこの作品は、日本人なら一度は読んでいただきたいものだ。

 『こころ』も有名だが、刺さる人にはグサリと刺さる作品なので、気分が前向きなときはあまり読むのをおすすめしない。

おすすめの純文学作品⑥|川端康成『雪国』

“日本の原風景”を懐かしみたい人におすすめの純文学

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 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という出だしで有名な川端康成の『雪国』。

 海外の文学者からも研究題材として人気が高く、非常におすすめしたい作品だ。

 「妻子のいる現実の世界:東京」と、「愛人のいる非現実的な世界:雪国」。

 二つの世界を知っている男「島村」が雪国で見る風景に、当時国外で本作品を読んだ日本人が深く感銘を受けたのだという。

 不倫や東京への叶わぬ憧れといった不毛な題材があしらわれているものの、“日本らしさ”のある原風景がつまった本作品は、日本人の心とでも呼ぶべき、ある種の懐かしさが込められている。
 



おすすめの純文学作品⑦|三島由紀夫『美徳のよろめき』

“甘美なもの”に対する人の弱さに共感したい人におすすめの純文学

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 「三島事件」とも呼ばれるクーデターを起こした文芸作家、三島由紀夫。

 割腹自殺という自殺方法、社会的に有名な作家の突然のクーデターは、世間にとって大変大きな衝撃となったとされている。

 本作『美徳のよろめき』は不倫を題材としながらも、おすすめするに異論ない純文学作品だ。

 生まれも育ちも申し分ない主人公が、まるで異国の宝石のように、不倫を着飾っていく物語である。

 人工的な美によって、聖女のように従順で美しい夫人を背徳の道へといざなう。

 “よろめき”という言葉は、その年の流行語にもなったようだ。

 美徳がいかによろめいていくのか、甘美なものに大変弱い人間の本質を味わえるおすすめの作品である。

おすすめの純文学作品⑧|梶井基次郎『檸檬』

得体の知れない不安に悩む人におすすめの純文学

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 純文学作品として、毎年夏休みに書店で見かけることの多い梶井基次郎の『檸檬』。

 紹介した作品の中では幾分短いものなので、ぜひ気軽に読んでみてほしい。

 鬱屈した思いや死の匂いを抱えながらも、鮮やかな檸檬が視界を彩る。怖いものが、ときに非常に美しく見えるように、かすかな戦慄を覚える作品だ。

 物語としては、青年が京都の街を歩いていたらたまたま檸檬を見つけ、それを馴染みの書店に置いてくるという至って単純なもの。

 まるで死を鮮やかに彩ろうとするかのような檸檬に、少々背中がヒヤリとするかもしれない。


 上記で紹介した純文学作品は、青空文庫にて無料で読むことができる。

 青空文庫にある純文学作品は、大抵Amazonで無料のKindle版が配布されているので、そちらもおすすめ。ぜひ読んでみてほしい。

 純文学をいくつか読んでみて、もし気に入るようなら、ぜひ文庫本での購入もおすすめしたい。

 紙で読むことと、電子で読むことの違いも甚だ面白いからだ。純文学の世界に足を踏み入れたなら、あなたもきっと真の教養人になれること間違いないだろう。

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