1. 上司としての“勝利”を掴め。部下育成の極意がわかる:『仕事に必要なことはすべて映画で学べる』

上司としての“勝利”を掴め。部下育成の極意がわかる:『仕事に必要なことはすべて映画で学べる』

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 部下育成に頭を悩ます上司は多い。どのようにすれば部下を上手く育てられるのか? それは言ってしまえばつまり、「どうしたら部下を上手く使うことができるのか?」という疑問へと繋がっている。
 
 『仕事に必要なことはすべて映画で学べる』という書名ではあるものの、映画とビジネスの間にそれなりの隔たりがあることは、本書の著者である映画監督・押井守自身も認めている。しかしながら、彼の映画監督としての勝敗論を、部下育成に悩むビジネスマン向けの仕事論として捉え直すことは、十分に可能だというのだ。

組織というものはいつの時代も変わりません。そして、その本質の多くは映画の中にあります。

出典:押井守『仕事に必要なことはすべて映画で学べる 映画監督 押井守』

 “上司としての勝利”とは、果たして何か。企業社会でビジネスパーソンが生き抜く為の勝敗論と共に、部下育成の極意を学んでいこう。

使えない部下を働かせる! 部下育成における究極の手『機動警察パトレイバー2』

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 使えない部下は、なぜ使えないのか? 原因の一つとして押井は「責任を持たせないからだ」と述べる。例えば、仕事に意欲的でない部下がいたとしよう。いわゆる“ダメな”部下と呼ばれる社員たちは、自分らが担う仕事に対する責任を、どうやら明確に認識していないらしい。
 
 上司ともなれば、スキルを管理しながら日々部下の面倒を見つつ、さらに部下のミスの責任を自身が取ることもある......部下育成は上司の責任であり、行動一つ一つの結果に「他者」が否応無しに絡んでくるのである。だからこそ上司が担う責任は大きくなるのだ。

 自分が担っている仕事に内包されている「責任」が明確に把握できれば、否応なしに自分勝手な行動は減る。そしてその責任を果たすべく、自発的な行動が増えるのだ。部下育成における極意の一つは「責任を明確に認識させること」にあると言える。

部下が自発的についてくる。後藤隊長に学ぶ「上司」の理想像

「かっこわるい」上司だからこそ部下育成がうまくいく

 『機動警察パトレイバー』シリーズにで第二小隊を指揮する後藤隊長は、世間で言うところの「切れ者」とは正反対の人物。だらしがなく、いつも放任主義を突き通しているその姿はまさに昼行灯を体現したかのような人物で、やることなすこと大抵素っ頓狂なのだ。

 それを押井は、「この人についていけば面白そう」と部下に思わせるための戦略だと述べる。無理難題をふっかけても、仕事自体が面白ければ部下はついてくる。後藤隊長はさりげなく部下のスキルを評価して「この人と仕事するのは面白い」と思わせる、そういった部下育成が上手いのだ。

部下育成が上手いのは、狡猾な上司

 後藤隊長のポリシーは『俺は命令も強制もしない』こと。しかし後藤に決断を迫られた部下は、必ずといって良いほど彼の言うことに従うのである。

 それはつまりこういうカラクリだ。「仕事だからやれ」と命令すると、往々にして部下は反発する。これでは部下育成もへったくれもない。しかし「社会人としてのあなたはそれをやらないことについてどう思う?」と問えば、部下のプライドが顔を出し、結果としてこちらが望む選択を行ってくれるというわけである。

上手な部下育成を成すには、追い込み方を工夫する

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  部下に選択肢を与えているかのように見せて、こちらの意とする方向に導く。そういった部下育成を成すには、後藤隊長のように相手がそう選択せざるを得ない状況に上手く持っていくことが必要だ。

そうやって、命令も強制もしない、「だけどやってくれるよね?」という状況を作り出せるかどうかが、中間管理職の真骨頂です。

出典:押井守『仕事に必要なことはすべて映画で学べる 映画監督 押井守』
 もちろん、部下の首だけ賭けさせる上司には誰もついていかない。真の部下育成は「常に自分の首を賭けている」そんな姿勢を見せ続ける、日々の心掛けが大きな土台となっているのだ。


 記事では部下育成にフォーカスしたが、本書は他にも「組織の本質」「社会の本質」について謳った部分が多く残されている。本気で部下育成が上手くなりたいと思うのなら知っておいて損はない思考の断片が、本書には数多く散りばめられている。

 部下育成に頭を悩ます前に、是非一度、本書を手に取りじっくりと読んでいただきたい。また、映画を観る喜びや楽しさというのも、本書を読めば同時に思い出せること間違いない。映画とビジネスマンの意外な共通点に、ぜひ刮目していただきたい。

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