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ホリエモンが日本企業のムダを暴く! 「“業務にシステムを合わせる”せいで何億円も消費している!」

野口直希

2016/03/17(最終更新日:2016/03/17)


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 ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。「堀江貴文のQ&A vol.625〜クラウドでコストカット!?〜」では、あまり語られない日本の大企業が行うムダな商習慣をホリエモンがズバリ指摘。
 
 今回取り上げた質問は、「日本のIT企業では、依然として公共金融などの大規模SIを­手掛ける大企業の存在感が強いですが、しばらくこのSI形態は続くとお考えで­しょうか? 税金の恩恵を受けている官公庁のインフラシステム、さらに可用性の面­からリプレイスしにくい金融システムは簡単に変わらないものではないかと感じます。

 一­方で先日、公共事業の抜本改革を行っていた大阪維新の会が大勝利しました。今後その流れは東­京にもやってきて、税金投入のコスト効果が合わない仕事は減っていくのではないかとも思って­います」という質問。

ホリエモン「システムを全部入れ替えないといけないから、大変なんだよね」

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 ホリエモンは、「今、世界的にはクラウドを利用したサービスが流行りつつあるね。時間はかかるけど、その方向にシフトするんじゃないかな。もちろん、実際にはそういうシステムの導入支援的な仕事は続いていくとは思うけど」と回答。

 大企業のインフラシステムに関する今回の質問。ホリエモンがいうには、銀行などの公共金融系もYahoo!オークションなどのIT企業系のシステムも根本的な違いはないのだが、前者は古いものを使っていることが多い。
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 例えば、銀行の決済システムで使用されている全銀ネット(全国銀行資金決済ネットワーク)は、恐らくかなり昔に作られたものだとホリエモンは予想。一度これを入れ替えるとなると、使用している全ての銀行で入れ替え作業を行わなければならない。

 こうした事情もあって、公共金融系はシステムを頻繁に入れ替えることがなかなかできない。結果として、古いシステムをいつまでも使うことになってしまい、IT企業などから見ると無駄な業務が残ったままになってしまうのだ。

ホリエモン「大企業はシステムを業務に合わせてしまう!」

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 さらに、ホリエモンはこうした企業が大手SIに頼らざるをえない理由は他にもあるという。日本の大企業では、システムに業務を合わせるのではなく、業務にシステムを合わせる商習慣があるのだそうだ。
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 例えば、会計システムならドイツのSAPなどが代表的だが、欧米ではこのシステムに業務を合わせるので、財務諸表では業務利益をマイナス表示にするのが一般的。使っている会計システムがマイナス表示にする設定なのだから、それをそのまま表示しているのだ。

 一方で、日本では黒字の利益をプラスで表記する商習慣があるため、SAPを使用する際にマイナス表示をプラスに変換するようカスタマイズしなければならない。これが、システムを業務に合わせるという日本の商習慣だ。
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 こうした作業があるので、当然のことだが導入費用も余計にかかることになる。ホリエモンが以前経営していた会社ではSAPをカスタマイズなしで導入したため5,000万円程度で導入したが、多くの日本企業では何十億円もの導入費用がかかっているのだという。

 しかし、クラウドが一般的になればそうはいっていられない。サーバー上で一括更新されるため、個別の導入作業がほとんどなくなるからだ。そうなれば、大企業と太いパイプを持つ大手SIの特権性はほとんどなくなるだろう。
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 ホリエモンにいわせれば、億単位のお金を無駄に使うくらいならみんなが財務諸表のプラスとマイナスを入れ替えて読むよう改めた方が遙かに効率的。クラウドの登場でシステム上のこうした商習慣は是正されるかもしれないが、「業務にシステムを合わせる」という考え方は他の場面でもたくさん跋扈(ばっこ)していそうだ。

  ホリエモンが日本企業の体質を語った「堀江貴文のQ&A vol.625〜クラウドでコストカット!?〜」。動画が見たい方はこちらからどうぞ!

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