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株の初心者は必見! 株価収益率について

粕谷満子

2016/11/30(最終更新日:2016/11/30)


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出典:en.wikipedia.org
 資産運用として株を考えているが、中々はじめの一歩が踏み出せない人も多いかもしれない。今回は株を運用するにあたって知っておくべき知識である、株価収益率について説明したいと思う。まだ株を始めてない人は是非、株を始めるきっかけとして頂きたい。

株価収益率とは

 株価収益率とはPER(Price Earnings Ratio)とも言い、簡単に言うと「株価と会社の利益の関係を表した指標」のことである。具体的な計算方法としてはPER(株価収益率)=時価総額/純利益として表される。ここで言う時価総額とは株価×発行済株式数であり、いわゆる「会社の値段」である。時価総額が大きい企業は業績が良いだけでなく、今後の成長に対する見込みも大きいということだ。

 さて、話を株価収益率に戻すと、株価収益率を見ることで「純利益の何倍まで株が買われているのか」が分かる。例えば株価収益率が15倍だったとすると、その会社は純利益に対して15倍まで株が買われているというように言うことができ、逆に言うと、会社の利益がすべて株主への配当に回されたと仮定した場合に、投資した資金が15年で回収できると見ることもできる。

 15年かかってようやく純利益が時価総額(1株あたりで考えると株価)に追いついてくるからだ。またPERの計算式を見てもらえば分かることだが、株価が上がればPERも上がり、株価が下がればPERも下がる。また純利益が上がればPERは下がり、純利益が下がればPERは上がる。

 一般にPERの標準値が14~20であれば適正と言われる。このあたりのことを踏まえて、次はPERをどのように株の運用に役立てるのかを見ていきたい。

株価収益率をどのように活かして株を運用するの?

 端的に言えば、PERが小さいほどその会社の割安性が高いので「おトク」であり「買い」であるということだ。なぜなら純利益の大きさに対して株価がそこまで高くないからである。あなたが何か物を買うときに質の良いものが安値で売られていたら? PERが小さいということはそういうことであるから、PERが小さければ買い、大きければ買わないというのが株の原理とも言える。

 ただし一つ注意しておかなければいけないことはPERを盲信し、「おトク」だからという理由だけで株を買わないことだ。株の世界はそこまで甘くはない。別の観点から見ると、PERが小さいということは、企業の将来に不透明感が強いからとも言えるわけで、PERが高いということは、その企業の成長力期待が高いということでもある。PERはあくまで一指標である。他の指標と照らし合わせてみたり、その企業の過去のPERと比べたり、同業他企業のPERと比較することが肝要である。

 また配当を期待して株を買う人も多いだろう。PERの逆数、1/PERを益回りといい、ここに配当性向(純利益の中の配当の重み)を乗せたものが配当利回りであり、株価と配当を関連づける重要な指標となる。こちらを参照されて株を買われるのも良いだろう。

株価収益率からどうやって株の予想を立てるの?

 先述した通り、PERは純利益に対する企業の時価総額の大きさであり、PERを相対的に見た時には、純利益に対する企業の成長見込みであるとも言えるのである。14~20の適正値よりPERが大幅に大きければ、その企業の利益は今後上がっていくものとその時点では考えられるが、一旦その期待が裏切られると株価が急落する恐れがあるので初心者は控えた方がいいだろう。また企業の成長が見込めるのにPERが低いと、今後株価は上がっていくと考えられる。


 結論として、PERは企業の「割安性」を測る重要な指標だが、所詮一指標にすぎないので、盲信せず、他の指標と組み合わせて株を見ていくのが大切だということだ。何はともあれ実際に株を買ってみてPERの動向を見てみると、PERと株との関係が実感できて良いかもしれない。


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