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【20代向け】投資信託とは?初心者でもわかる投資信託入門

粕谷満子

2016/11/30(最終更新日:2020/10/31)


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投資をしてみたいけれど、よくわからない」という人も多いのではないでしょうか。

本記事では、投資初心者でも投資信託がわかるように、投資信託のメリット・デメリット、初心者でも始めやすい投資信託などをご紹介します。

20代から投資を始めたい人はぜひ参考にしてください。

本記事の内容をざっくり説明
  • 投資信託とは?収益はどのように生じるの?
  • 初心者が知っておくべき投資信託のメリット
  • 初心者でも始めやすい投資信託とは?

 

20代からでもお金について知っておくことは大切

20代だから、まだお金のことを考えなくてもいいだろうと思っている人もいるのではないでしょうか。

社会人になり、自立した人間になった今お金について考えるのは、早くはありません。

30代になったら投資を始めようと思うのではなく、時間のある今から投資を始める準備をして実際に投資を始めてみましょう。

お金についての知識は、きっと自分の将来を助けてくれるはずです。

 

投資信託とは?収益はどのように生じるの?

「投資信託って聞いたことがあるけど、どういう仕組なんだろう」「本当に儲かるのかな」と思っている人もいるでしょう。

以下では、投資信託とは何か、利益はどのように生じるかを詳しくご紹介します。

投資信託とは、投資家から集められた資金をひとつにまとめ、運用の専門家が、国内外の株や債権、不動産などに分散投資する金融商品のことです。

金融商品とは、主に金融機関によって扱われる商品のことです。例えば、株式投資信託預金社債国債などがあります。

小さな額の資金を集めて運用するため、小資金では投資できないものに投資できるようになります。

小資金では投資できないものは、例えば証券会社では取り扱っていない新興国株式や、個人の資産運用ニーズを組み込んだデリバティブ金融商品などがあります。

投資信託を使うと、自分ひとりの力では投資できないものに投資をして、資産運用することが可能になり、投資対象の選択肢が広がることが利点です。

一般に、投資家から集められた資金をもとに、投資信託の販売窓口である「販売会社」、集めた資金の運用法を決定する「運用会社」、資産の保管・管理を行う「管理会社」の三者が役割を分担し、効率的に運用されています。

投資信託は、投資した株式や債券、不動産などから発生する配当や利子である「インカムゲイン」と、市場価格が変動する資産を売買することで得られる値上がり益である「キャピタルゲイン」によって収益をあげています。

よって収益率は、運用の仕方によって異なり、どのような有価証券を組み入れるかによって左右されます。

 

初心者が知っておくべき投資信託のメリット

どのような金融商品にも、メリット・デメリットは存在します。

以下のメリット・デメリットを把握して、投資信託が自分の資産運用に最適なのかを考えてみてはいかがでしょうか。

 

少額からの投資ができる

投資信託の1つ目のメリットは、少額からの投資ができることです。

通常、日本株を買う場合は、20万程度のお金が必要になります。投資初心者が急に20万円もの大金を支払うのは、難しいでしょう。

投資信託なら日本株でも1万円程度から投資が可能です。

1万円程度ならやってみようかなと思う人もいるのではないでしょうか。投資信託では、このように投資をするハードルを下げてくれるところがポイントです。

投資信託を利用して投資のことを知ってから、自分の力で投資をするのもひとつの方法ではないでしょうか。

 

分散投資ができる

投資信託の2つ目のメリットは分散投資ができることです。

日本株の場合、20万円の株を買った場合には、1銘柄で終わってしまいます。もし、その1銘柄が倒産したりすると、保有している株は0円になってしまうリスクがあります。

しかし、投資信託ならひとつずつの銘柄が高くないので、広く銘柄を買うことが可能です。こうして、分散投資をすることで倒産のリスクをコントロールできます。

分散投資は投資の基本です。1銘柄だけ買うと上記の例のように倒産や運用がうまく行かなかった際に、多大な損をしてしまいます。

分散投資を行うことでリスクを下げられるので、安定した収入源を作れることが分散投資のメリットです。

また、分散投資は、売買のタイミングを意識する必要があまりありません

1銘柄だけ保有していると、売買のタイミングによって利益が大きく変わります。そのため、売買のタイミングを計るために、経済状況や売買のサインなどを見極める必要があります。投資初心者には、売買のタイミングを見極めるのはかなり難しいです。

一方で分散投資は、ひとつの銘柄に集中せずリスクを分担しているので、売買のタイミングにあまりこだわる必要はありません。そのため、日中仕事をしている人でも問題なく投資に参加できます。

難しい売買のタイミングをあまり考えなくてもいい分散投資を行える投資信託は、投資初心者におすすめです。

 

専門家に任せることができる

投資信託の3つ目のメリットは、専門家に任せることができることです。

慣れない投資を自分の力だけで行うのは、難しく感じる人も多いのではないでしょうか。投資信託は、金融や投資について詳しい専門家が自分に代わってお金を運用してくれます。

専門家を「信用してお金を託す」ので、投資信託と呼ばれます。

どの専門家を信頼するかは自分の意志で決める必要があります。

 

商品が多く世界的に投資することもできる

投資信託の4つ目のメリットは、商品が多く世界的に投資することもできることです。

「海外投資には、手を出してはいけない」といわれるほど、ハイリスクである海外投資にも気軽に投資できるところも投資信託の魅力のひとつです。

海外投資は、金利が高く、たくさんの金融商品があることが魅力です。

しかし、海外の商品であるため、日本よりも情報を得ることが難しくなっています。また、手続きが面倒なものも多く、個人でするには難しい海外投資の金融商品は多くあります。

また、カントリーリスク為替変動(かわせへんどう)リスクと呼ばれるリスクが存在します。

カントリーリスクとは、投資した先の外国で、政治的・経済的な変化が起こり、投資した資産の価値が大きく変わる可能性のことです。

国が発行する金融商品を買っている場合は、特に政治的・経済的な流れを把握することが大切です。「国が発行しているのなら大丈夫だろう」という安易な思いつきで海外の金融商品を買うことはおすすめしません。

あまり知られていませんが、世界には経済危機に陥っている国はたくさんあります。

また、為替変動リスクとは、日本円と海外のお金との関係が変わることにより、自分の持っている資産の価値が大きく変わることです。

為替変動リスクは、時には自分にとってプラスな方に動いたり、マイナスの方向に動いたりします。

このように、海外投資は、ハイリスク・ハイリターンです。投資信託をすると、専門家がカントリーリスクや為替変動リスクを考慮に入れて資産を運用してくれます。

そのため、海外投資も身近に投資できるのも投資信託の魅力のひとつでしょう。

 

初心者が知っておくべき投資信託のデメリット

投資信託のメリットをご紹介しました。

たくさんのメリットがある一方で、投資信託にはデメリットもあります。

以下では、初心者が知っておくべき投資信託のデメリットをご紹介します。自分にとって投資信託のメリットとデメリットは、どちらが大きい意味を持つのかを考えてみてはいかがでしょうか。

 

コストがかかる

初心者が知っておくべき投資信託の1つ目のデメリットは、コストがかかることです。

投資信託には、3つの手数料がかかります。

1つ目の手数料は、販売買付(はんばいかいつけ)手数料です。「買付手数料」や「申込手数料」とも呼ばれる「販売買付手数料」は、投資信託を購入する際に必要になる手数料のことです。

販売買付手数料は、購入した金額の「1〜3%」かかることが多くあります。つまり、100万円を投資した場合は、「1万から3万円」の手数料を支払う必要があります。

1〜3%の手数料は、返ってくることはありません。

投資信託の中には、販売買付手数料がないものもあります。販売買付手数料がないものを、ノーロード投資信託といいます。最近ではノーロード投資信託も増えているので、「手数料を払いたくない」という人にはおすすめの商品です。

2つ目の手数料は、管理手数料です。「信託報酬」や「監査報酬」とも呼ばれる「管理手数料」は、投資信託を保持している期間払い続ける必要のある手数料です。投資信託を購入してから売却するまでずっと手数料がかかります。

管理手数料の相場は、年間で投資した金額の総額の「0.5〜3%」程度のものが多くあります。管理手数料は、信託報酬から自動的に差し引かれているので、信託報酬化が減っていることに気づかないかもしれません。

しかし、投資金額の総額の0.5〜3%もの金額が手数料となっていることは忘れないようにしましょう。手数料をなるだけ払いたくない人は、管理手数料の割合が少ないものを選ぶことをおすすめします。

3つ目の手数料は、解約手数料です。投資信託を売ることを「解約」といいます。つまり、「解約手数料」とは、投資信託を売る際にかかる手数料のことです。解約手数料は、売り払ったものの値段の0.1〜0.5%の商品が多く、無料のものもあります。

無料の商品は、「◯年以上保有すること」が条件になっている場合が多くあります。

投資信託には、「販売買付手数料」「管理手数料」「解約手数料」がかかることを覚えておきましょう。

 

運用成績が落ちることもある

初心者が知っておくべき投資信託の2つ目のデメリットは、運用成績が落ちる危険性があることです。

投資信託には、元本保証がないことを知っている人も多いのではないでしょうか。

元本保証(がんぽんほしょう)とは、元本割れしないことを保証するものです。

元本とは、元手となるお金のことです。例えば、投資信託を買うお金のことをいいます。

元本保証がないということは、投資信託したお金が減る可能性があるということです。

元本保証がある投資信託は存在しません

元本保証の投資は、「定期預金」です。定期預金は減ることなく、少ない金額ですが増えることがあります。しかし、リスクが低い分リターンが低いのが元本保証のある投資の特徴です。

「運用成績が落ちる」という言葉は聞き慣れない人も多いのではないでしょうか。運用成績とは、お金を運用した後の損益の比率のことです。

「運用成績が落ちる」とは、損をしてしまうということです。せっかくたくさんの手数料を払っているのに関わらず、損をしてしまう可能性があるのは、投資信託のデメリットであるといえるでしょう。

初心者が知っておくべき投資信託のメリットとデメリット
  • 少額からの投資ができる
  • リスクを下げれる分散投資ができる
  • 専門家に任せることができる
  • 商品が多く世界的に投資することもできる
  • 販売買付手数料・管理手数料・解約手数料のコストがかかる
  • 運用成績が落ちることもある

 

投資信託の種類

「投資信託をやってみたい!」「投資信託って面白そうだな」と思っている人もいるのではないでしょうか。

投資信託をいざやってみようとしたとき、投資信託には様々な種類があることにびっくりするでしょう。

以下では、投資信託を種類ごとに分けてご紹介します。投資信託を実際にやろうと思っている人はぜひ参考にしてください。

 

投資対象の資産

まず、自分や他の投資家から集められたお金が何に投資されているかで、投資信託を分けてご紹介します。

以下のような投資対象があります。

投資対象の資産
  • 債券
  • 株式
  • コモディティ
  • 不動産投資信託

「投資対象だけでこんなにたくさんの種類があるのか」と驚いた人もいるのではないでしょうか。

投資対象の資産によって、リスクの大きさやリターンの大きさは変わってきます。

以下では、それぞれの投資対象の種類の特徴を詳しくご紹介します。

債券(さいけん)」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

債券とは、国や企業、地方公共団体などが発行するものです。国が発行している債券を「国債」、会社が発行している債券を「社債」といいます。

債券は比較的安全な金融商品として有名です。元本保証はされていませんが、一定の期限まで持ち続けていると自分が支払ったお金が返ってきます。

以下では、債券について詳しくご紹介します。

債券は、いつでも売却可能な金融商品です。つまり、自分が買ったときよりも債券の価値が高いときに債券を売ると、自分に利益が出ます。しかし、自分が買ったときよりも債券の価値が低いときに債券を手放すと、損をしてしまいます。

債券には、「償還日(しょうかんび)」と呼ばれるものが存在します。償還日とは、自分が支払ったお金が全額返ってくる日のことです。つまり、元本割れのリスクが低いものが多くあります。

しかし、償還日が無期限の投資信託もあるので、選ぶ際は気をつけて選びましょう。リスクをなるべく下げて、収益をもらいたい人は、債券の投資信託がおすすめです。

次に、株式について詳しくご紹介します。

「投資といえば、株のイメージ」という人も多いのではないでしょうか。

株式は、債券よりもリスクが大きい分、リターンも大きいという特徴があります。債券と同様に株式もいつでも売却可能な金融商品です。

債券と大きく違うところは、金融商品の価値の増減の大きさです。株式は、株価の増減が大きく、債券は、比較的価値の増減は少ないです。また、株式には償還日は存在しません。

リスクはあっても、収益を増やしたいと思っている人は、株式の投資信託がおすすめです。

次は、コモディティについて詳しくご紹介します。

「コモディティって聞いたことがないな」と思っている人も多いのではないでしょうか。コモディティ(Commodity)とは、英語で「商品」を表す言葉です。つまり、金のような貴金属や生活に必要不可欠な原油やガソリン、大豆やとうもろこしなどの穀物などの「商品」に投資するのが、コモディティ投資です。

コモディティ市場と、株式市場は違った動きをすることが多いといわれています。つまり、株式投資をしている人にとってコモディティ投資は「分散投資」になります。

しかし、コモディティ投資は、自然現象・政治経済など予測できないものが絡んでいることが多いので、価格変動が読みにくいという特徴があります。

次は、不動産投資信託についてご紹介します。

不動産投資信託は、「REIT(リート)」と呼ばれることが多くあります。「REIT」とは、「Real Estate Investment Trust」の略で、アメリカで生まれた仕組みです。

REITの仕組みは、小さな大家さんになることを想像してください。ビルや商業施設、マンションなどの不動産を所有し、賃料(ちんりょう)収入によって収益を得ます。

REITは、分配金が高いので、人気の商品のひとつです。

 

運用方法

また、投資対象の資産に加えて、運用方法にも特徴があります。

運用方法は、大きく分けて、「インデックス型」と「アクティブ型」があります。

「インデックス型投資信託」とは、日経平均株価のような市場の指標に連動する運用を行う投資信託です。信託報酬が0.5%程度と割安なのが特徴です。仕組みがわかりやすく、値動きの情報が得やすいというメリットもあります。

「アクティブ型投資信託」とは、市場の指標を上回る運用を目指せます。しかし、託報酬が1~2%と高く、内容が千差万別で選択が難しいので、投資上級者におすすめです。

「インデックス型投資信託」のほうが、初心者にはおすすめです。

 

地域

また、投資対象の資産、運用方法に加えて、対象の地域にも特徴があります。

自分の好みに合わせて「国内の株式でインデックス型」のように選ぶのも投資信託を選択する方法のひとつです。

以下では、国内・先進国の海外・新興国の海外・内外に分けてそれぞれの特徴を詳しくご紹介します。

自分や他の投資家から集めたお金を、国内で使うのが「国内投資信託」です。

身近な自分の国が対象なので、比較的価格変動が予測しやすいところが利点です。国内の投資信託法に基づいて設定されています。

また、集められたお金を、海外で使うのが「外国投資信託」です。外国といっても、先進国と新興国では、金融商品の変動が大きく変わってきます。

先進国の場合は、高成長の見込みはほとんどありませんが、経済的に安定しているので、リスクが低いことが魅力です。

新興国の場合は、経済的に不安定だからこそ、高成長が見込めます。リスクがあっても、高いリターンが欲しい人におすすめです。

外国投資信託は、海外の法令に基づいて設定されます。そのため、税金面で高待遇を得られる可能性が高いところがポイントです。

また、国内と海外の両方ともにお金を投資する「内外投資信託」もあります。国内もしくは海外の法令に基づいて設定されます。

 

初心者でも始めやすい投資信託とは?

たくさんの投資信託の特徴をご紹介しました。

「特徴だけでもいっぱいあって何を選べばいいのかわからない」と思っている人も多いでしょう。わからないまま適当に選んでしまうと、損をしてしまう可能性があります。

しっかり調べた上で、何に自分は投資したいのかを考えてみてはいかがでしょうか。

以下では、初心者共始めやすい投資信託の特徴をご紹介します。どの投資信託を選ぶかを決める参考にしてください。

 

1.積み立てできるものを選ぶ

初心者でも始めやすい投資信託の1つ目の特徴は、積み立てできるものを選ぶことです。

資産形成を目的とする投資信託の買い方として、おすすめしたいのが積み立て購入です。

積み立て購入は、毎月金額を決め、価格が高い月は少しだけ、安い月はたくさん買うことで、長期的に安定したリターンを得ることが可能なものです。

また、投資に時間をかけられない忙しいビジネスパーソンでも、自動引き落としで毎月買えます。手間の少ない積み立て購入は忙しいビジネスパーソンにおすすめの方法です。

 

2.投資は分散させる

初心者でも始めやすい投資信託の2つ目の特徴は、投資は分散させることです。

初めての投資では、一気に資金をつぎ込まないことが大切です。

投資先を分散し、購入のタイミングも何回かに分けて時間分散すれば投資リスクを軽減できます。

 

3.長期運用を心がける

初心者でも始めやすい投資信託の3つ目の特徴は、長期運用を心がけることです。

「投資はなんとなく儲かりそう」と思っている人も多いのではないでしょうか。

儲かる投資は、リスクが高い投資でもあります。初心者のうちは、リスクが高い投資を選ばずに、堅実な投資先を選ぶことをおすすめします。

長期的にうまくいくことを望んで、焦らずじっくりと投資をしてみてはいかがでしょうか。

 

20代から少しずつ投資信託についての知識をつけておこう

本記事のまとめ
  • 投資信託は少量の金額から投資でき、投資の専門家に任せられる
  • 元本保証がなく、手数料がかかる
  • 投資信託の種類は、投資対象の資産・運用方法・運用地域で大きく分けられる

本記事では、投資信託のメリットやデメリット、投資信託の種類ごとの特徴を詳しくご紹介しました。

たくさんの投資信託があるので、選ぶのが面倒だなと思う人もいるのではないでしょうか。しかし、20代のうちから投資について勉強をしていると、30代、40代になったとき、より高度な投資をできるようになっている可能性があります。

本記事を参考に、投資信託先を選んでみてはいかがでしょうか。

 

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