1. “社長になるには”の心得。エステーの名物社長が語るユニークな経営論『社長は少しバカがいい。』

“社長になるには”の心得。エステーの名物社長が語るユニークな経営論『社長は少しバカがいい。』

 社長になるには何が必要だろうか。頭、才能、体力、性格的な要素。社長になるにはどうすればいいか、社長になるにはどのような資質が必要か、考えたことのあるビジネスパーソンは少なくないだろう。

 社長といえば、一国の主も同然である。社長になるには、人並み外れて優れた資質や能力が必要だと考えるのが普通だ。しかし今回紹介する『社長は少しバカがいい。~乱世を生き抜くリーダーの鉄則』は、そのタイトル通り、社長になるには少しくらいバカなほうがいいと言っている。

 この本の著者、エステー株式会社 現会長の鈴木喬氏は、まさに成功した社長の一人である。その鈴木氏が少しバカがいいといったからといって、そのまま言葉通りにとってはいけない。鈴木氏は、どのような意味で社長になるには少しくらいバカなほうがいいと言っているのか、それは本書を読めば明らかになるだろう。

 社長になるにはどんな心得をもって会社を経営するべきか、本書に社長になるには知っておきたい考え方のエッセンスがつまっている。その社長になるには知っておきたい心得について、ここで本書からいくつか紹介しよう。

社長になるにはどんな心得が必要か?

社長になるには:心得①社長になるには「社長業をやれ」

 社長になるには、まず社長業をやることが大事だと鈴木氏は言う。現場主義といって現場の仕事に手を出し、社長業を疎かにしている社長が多いが、社長業で大事なのは旗印を明確にし、会社の方向性を決めることだ。社長になるには社長にしかできない、決断という仕事をする覚悟が必要なのである。

社長になるには:心得②社長になるには「本気を伝えろ」

出典:www.flickr.com
 鈴木氏がエステーの社長になったとき、当時の幹部は全員、鈴木氏が社長になるのに反対だった。鈴木氏が改革に着手しようとしても、現場はなかなか動かない。鈴木氏は本気を伝えるため、現場に出向き、指示通りの仕事をするようわめき散らした。

 社長になるには、本気を伝えなければならない。そのためにはバカになって派手なパフォーマンスをするくらいでなければならない、という覚悟をもっていたのである。

社長になるには:心得③社長になるには「独裁的であれ」

 社長になるには、独裁的なくらいがいいと鈴木氏は考えている。独裁的でなければスピード感ある経営は難しく、イノベーションのアイディアを形にするには独裁的でなければ実現が難しいからだ。社長になるには、慕われるよりまず怖れられた方がいいくらいだという。

 もちろん、完全な独裁では社員は動かない。社長になるには、社員とのコミュニケーションをしっかりとっていき、自分のペースに巻き込んでいくことも必要である。社長になるには、衆議独裁的に経営することが重要なのだ。

社長になるには:心得④社長になるには「ホラを吹け」

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 社長になるには大ボラを吹くことが大事である。ホラを吹き、バカなことを言い合うからこそ頭が柔らかくなり、アイディアが生まれるのである。もちろん社長になるにはホラだけ吹いていればいいのではない。マーケティングやロジカルシンキングを徹底的に行うという下支えがあってこそ、ホラが生きるのである。

社長になるには:心得⑤社長になるには「図太くなれ」

 社長になるには図太く生きることが大事である。生きていれば失敗することも間違うこともある。失敗すれば原因を明らかにし、間違えば謝る必要があるが、引きずって自分を責め続ける必要はない。社長になるには図太く笑う心が大事だ。

 心の状態がよければ判断を大きく間違うこともないし、活路を見出すこともできる。社長になるにはメンタルタフネスが必要なのである。

社長になるには:心得⑥社長になるには「最悪を想定しろ」

 鈴木氏はホラもふけば、表向きはふざけたこともたくさん言う。しかし、裏では根暗に最悪の事態を常に想定しているそうだ。無茶な経営をしていると思われがちな鈴木氏であるが、実際には用心深く、細心の注意を払って経営をしているのである。

 社長になるには、リスクを綿密に計算し、許容できる範囲で腹をくくって勝負に出る。そして社員には思い切り仕事をさせることが、社長になるには必要なことなのだ。

社長になるには:心得⑦社長になるには「ニコニコしていろ」

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 社会ではときに、とんでもないことが起きることがある。社長になるには、どんな事態が起きてもニコニコして、どーんと大きく構えている心意気が必要だと鈴木氏は言う。みんなが不安な顔をしているときでも、大将がホラを吹いて笑ってみせれば、たいていはうまくいくものだと考えているのである。

社長になるための7つの心得

  • 社長になるには「社長業をやれ」
  • 社長になるには「本気を伝えろ」
  • 社長になるには「独裁的であれ」
  • 社長になるには「ホラを吹け」
  • 社長になるには「図太くなれ」
  • 社長になるには「最悪を想定しろ」
  • 社長になるには「ニコニコしていろ」

 『社長は少しバカがいい。~乱世を生き抜くリーダーの鉄則』から、社長になるにはどのような心得が必要かをいくつか紹介した。鈴木氏は、社長になるには少しくらいバカがいいと言っているが、実は、そのバカとは言葉通りのバカだと思ってはならない。

 社長になるには、少しくらいバカだと思われようと、思い切った決断をし、それを強行する図太さが必要なのだと鈴木氏は考えているのである。社長になるには社長にしかできない仕事をする必要がある。革命を起こせるのも社長だけなのだ。

 また社長になるには、派手なパフォーマンスやホラが必要になる場面がある。少しくらいバカに思われても、ニコニコして大丈夫だと構えていなければならない場面がある。社長になるには、そのような気概が必要なのである。

 しかし、表向きではそのように振る舞っていても、社長になるはそれだけではだめなのである。しっかりとリスク管理をし、社員とコミュニケーションをとる。きちんとした下支えや覚悟があってこそ、そういった表向きの振る舞いが生きてくるのである。

 社長になるにはどのような心構えで仕事をするべきかは、ビジネスパーソンにとっても役に立つアドバイスとなるに違いない。また本書の語り口に、鈴木氏のユニークな性格がにじみ出ているので、単純に読み物としても楽しめるだろう。ぜひ手に取ってほしい一冊である。

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