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全国の社長が一年待ちでも学びたがる“社長の仕事の心得”:『1日36万円のかばん持ち』

Erika Muranaka

2016/02/22(最終更新日:2016/02/22)


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全国の社長が一年待ちでも学びたがる“社長の仕事の心得”:『1日36万円のかばん持ち』 1番目の画像
 君は、社長の仕事について考えたことがあるだろうか。いずれ社長の座をねらうビジネスパーソンならもちろん、社長の仕事について考えたことがあるだろう。社長のそばで働くビジネスパーソンなら、社長の仕事を日々目にし、思うところもあるだろう。

 一方で、社長の仕事について考えたことはないというビジネスパーソンも少なくないだろう。しかし、一流のビジネスパーソンを目指すなら、社長の仕事について学んでおいて損はないはずである。『1日36万円のかばん持ち』は、株式会社武蔵野 代表取締役社長の小山昇氏が、自らの社長の仕事のあり方や心得を惜しみなく披露した本となっている。

 小山氏の社長の仕事っぷりは、精力的なことで有名である。小山氏が社員に「自分と同じように社長の仕事をしてくれるなら、私と同じだけの給料を出そう」と持ちかけても、社員はそんなに働けないと怖じ気づくほどである。

 小山氏の社長の仕事っぷりを勉強したいと考える社長は、全国に多数存在する。1日36万円、通常3日間コースとなるため、108万円の金額を出してまで小山氏の「かばん持ち」を予約する社長は70人、1年待ちの状態となっているのである。

 本書は、全国の社長がそれだけの金額を出しても学びたい社長の仕事の心得が一冊に凝縮された本である。ここで、本書からその社長の仕事の心得を5つ紹介しよう。

5つある「社長の仕事の心得」

社長の仕事の心得①:成功率と失敗率が五分五分だったら?

 社長の仕事の中でも大きなウェイトを占めるのは、経営における判断だ。社長の仕事においては、先が明確に見通せない場面が多くある。成功率と失敗率が五分五分の場面で、社長の仕事の心得としては、行くべきか退くべきか。
 
 小山氏の答えは、行くべきである。失敗する確率が50%もあるから、やらないほうがいいと逃げていても事態が好転することはない。失敗しても経営はやり直すことができる。社長の仕事にはチャレンジ精神が必要だと小山氏は考えるのである。

社長の仕事の心得②:ストレスに負けない社員をつくるには?

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by Lst1984
 社員の育成は、重要な社長の仕事の一つである。近年、若者のストレス耐性が弱くなってきている中、ストレスに強い者を採用するのは難しい。小山氏は、ストレスに弱い者を採用し、その社員のストレス耐性を上げる教育が社長の仕事と考えている。

 社員のストレス耐性を上げるために、社長の仕事の心得として、コミュニケーションをしっかりとることが重要である。小山氏は、社長の仕事として年間166日も社員とお酒を飲んでコミュニケーションをとっていたことがあるのだ。

 コミュニケーションにおいても、社長の仕事の心得として、傾聴に徹することを重要だとしている。上から押し付けるような指示ではなく、社員から意見を引き出し、それに対してアドバイスをするという形をとることを心がけているのである。

社長の仕事の心得③:時間管理は秒単位で!

 社長の仕事の心得として、時間に対する厳しい管理意識が重要だという。小山氏のかばん持ちをした社長が驚くのが、その時間管理の細かさである。社長の仕事の心得として、小山氏は秒単位のすきま時間も無駄に使わない。その秘訣は、すきま時間ができたら何をするかあらかじめ決めておくことだという。小山氏は朝起きたら、この時間にはこれをしようと決める。徹底した社長の仕事の心得である。

社長の仕事の心得④:家庭と仕事、どちらを優先する?

 家庭と仕事の両立については、社長の仕事の心得としてだけでなく、多くのビジネスパーソンがその心得について学びたい命題である。小山氏は自他共に認める仕事人間ではあるが、日曜日は家族サービスの日と決めている。日曜日に仕事の依頼があっても、家庭を優先して断るのだ。社長の仕事の心得として、会社がどんなに儲かっても、社員の家庭が幸せでなければ意味がないと考えている。家庭の幸せがあってこそ仕事も頑張れるものなのだ。

社長の仕事の心得⑤:社内不倫は厳罰!

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出典:www.flickr.com
 社長の仕事として、社内をしっかりした組織として維持することが重要である。社内不倫は、組織に悪影響しかもたらさない。既婚者が婚外恋愛をしてはならないというモラルも守れないような人間が、組織のルールを守れるはずはなく、その関係が上司と部下になんてことになれば、社内の士気は下がるものである。

 社長の仕事の心得として、社内不倫に対して厳重な罰則を与え、社内で不倫は御法度であるという風土を育てることが重要である。

5つある「社長の仕事の心得」

  • 成功率と失敗率が五分五分だったら?
  • ストレスに負けない社員をつくるには?
  • 時間管理は秒単位で!
  • 家庭と仕事、どちらを優先する?
  • 社内不倫は厳罰!

 社長の仕事の心得が凝縮された『1日36万円のかばん持ち』から、その社長の仕事の心得のほんの一部だけを紹介した。全国の社長が108万円払って、かばん持ちをしてまで学びたい社長の仕事の心得である。

 本書を読めば、ここで紹介した社長の仕事の心得以外にも、社長の仕事の極意について学べる。ここで紹介した社長の心得についても、その意義やまつわるエピソードなどがより詳しく書かれているので、ぜひ本書を読んでほしい。

 社長の仕事というと、どうしても関係ないと思ってしまうビジネスパーソンもいるだろうが、社長の仕事の心得とは、一流ビジネスパーソンの仕事の心得でもある。ここで紹介した社長の仕事の心得からも分かるように、時間意識や家庭についての考え方は今すぐ取り入れることができるものだ。

 社長の仕事の心得として、組織づくりや社員の育成、経営判断の仕方などについても様々な教えが書かれているが、それらは必ずしも社長の仕事だけが関わるものとはいえない。上司、先輩という立場になれば、どんなビジネスパーソンでも関わる仕事となってくる。そんなときに社長の仕事の心得、つまり一流の仕事の心得をもって対応ができるようになるためにも、ぜひ本書を手にしてほしい。

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