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不動産取得税はかからない? 不動産を相続した時にかかる税金について

近野珠央

2016/11/30(最終更新日:2016/11/30)


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出典:www.abhijainsblog.com
 資産を所持した人が亡くなると、遺されたパートナーや子供といった親族には、いわゆる資産の「相続」というものが生じることとなる。しかし、ひと口に資産と言っても、お金や土地などいろいろな資産が考えられる。そして基本的には資産を相続する場合には、日本では相続税が課税されることとなっているのだが、この相続税という税はどんな資産に、どのようにかかってくるのだろうか。

 今回はそんな中でも、不動産を相続した時にかかる税金についてまとめてみることにしよう。

相続した不動産には不動産取得税がかからないって本当?

 この不動産取得税とは、不動産を購入や贈与という行為で取得したときにかかる税金である。そのため、相続によって不動産を取得した場合においては、実は不動産取得税は生じないのである。
 
 そもそも相続というものが、意図的に発生するものではなく、相続が発生してしまえば法定相続人は当然、相続する義務が生じてしまう。そうなると、法定相続人自身が望んでいない場合であっても、自動的に相続人となってしまうため、不動産取得税は課税しないとされたのである。

 そのため、もしも不動産取得税の納税通知が届いたとすれば、それは相続以外の原因で不動産を取得したことになっている、ということである。

不動産を相続した時にかかる税金は?

 相続した不動産には不動産取得税はかからないものの、不動産を相続した時にかかる税金は残念ながら存在する。たとえば相続登記によって相続不動産の名義を変更する場合は、登録免許税という税金が発生してしまうのだ。この相続登記の登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%である。そのため、相続不動産の固定資産税評価額が1,000万円であったならば、1,000万円×0.4%=4万円が登録免許税額となる。

 ちなみに登録免許税の納付時期は、相続不動産の名義を相続登記によって変更するのと同時で、相続登記の申請書を提出するときに収入印紙を相続登記申請書に貼り付けて納付することになる。基本的に相続登記の申請は義務ではないため、相続登記を申請しなければ登録免許税は発生しない。

 他にも、相続税の基礎控除額を超えたら相続税がかかってしまう。相続税は、相続財産の合計額が基礎控除額を超えた時に発生し、基礎控除額は3,000万円+法定相続人の数×600万円という計算で算出される。たとえば法定相続人が3人いれば、相続財産の合計額が4,800万円を超えない限り相続税は発生しないが、それを超えてしまうと相続税が発生するというわけである。ちなみに相続税は、相続の開始から10カ月以内に申告と納税までを終えないといけない。

 また、不動産を売却したときは、不動産譲渡税が発生する。不動産譲渡税とは、不動産を売却して得た利益に対して、20%の税金を支払うものである。たとえば、不動産の取得に5,000万円かかり、5年後に6,000万で売却ができた場合、1,000万円の利益を得たことになる。こうなった場合、1,000万円の利益に対し20%の税金がかかることになり、不動産譲渡税として支払う金額は200万円ということになる。

 ただ、もしも不動産の売却費用が不動産の取得費用を上回ってしまい、いわゆる損が発生した場合は、不動産譲渡税は課税されない。

相続税対策としてできることは?

 相続税において、現金や有価証券は時価で評価されることに対し、不動産の場合は時価ではなく、固定資産台帳や路線価といったものから算出した評価に対しての課税となるため、現金のままにしておくよりも遺産総額が低く評価されることになり、トータルの納める相続税額が少なくなる可能性がある

 一般的なレベルでみてみても、建物は50~60%で評価され、土地は路線価の80%ほどで評価される。投資用不動産として第三者に貸すことで、建物の評価額が更に30%控除され、現金に比べ約3割前後の評価となる。相続した不動産には不動産取得税はかからないので、相続税対策として有効だといえるだろう。


 相続において、現金でなく土地や建物というように資産の形を変えるだけで、大きな節税になるということを知っておけばいざという時にきっと役立つはずである。

 しかし、不動産に関する知識が乏しいが故、結果的に損をしてしまってはもったいないので、プロのアドバイスなども聞きながら検討するのが良いであろう。

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