1. 相続税対策としての生前贈与

相続税対策としての生前贈与

相続税対策としての生前贈与 1番目の画像
出典:pixabay.com
 現在の日本では「相続」をするにも「贈与」をするのにも税金がかかる。そしてそんなかかってしまう税金をなるべく減らして、後の世代に残していきたいと考えるのは至極当然なことであろう。

 そんな相続税対策をする前には、まず貯金額や所有している土地や建物などの資産評価を済ませ、そこからどんな方法をとるのかを検討するのだが、ここでよく耳にするのが生前贈与を行うのが賢いという話である。

 もちろん生前贈与という選択肢以外にも、様々な相続税における対策は存在するのだが、今回はこの生前贈与について詳しくみていこうと思う。

どのような相続税対策があるのか?

 なるべく相続税として支払わなければいけなくなる金額は減らしたい、というのは大前提として、ではいったいどのような相続税対策があるのだろうか。大まかには、相続人を増やして基礎控除額を上げる・所得財産の評価を下げる・借金をする・生命保険と自己株式を活用する・生前贈与を活用して財産を減らす……という5つの対策方法が挙げられる。

 まず相続人を増やして基礎控除額を上げるという対策は、いわゆる養子縁組をすることで相続人の頭数を増やし、相続税の課税を減らす効果がある。養子縁組を利用することで相続人が増えた場合、相続税の基礎控除(非課税枠)が増え、生命保険金の非課税枠も増え、死亡退職金の非課税枠も増えるため、大きな節税につながる。

 しかし、この養子縁組という行為は諸刃の剣でもあり、遺産分割がまとまらず相続人と人間関係で揉める可能性があったり、孫を養子にすると相続税は20%増というシステムがあったり、離縁が困難になるというデメリットもあるため、注意が必要である。

 2つ目の所得財産の評価額を下げるという対策は、100%とは言えないものの、合法的に土地の評価額を下げる対策法であり、路線価方式と倍率方式の2種類の土地の評価法だけでなく、これ以外にも不動産鑑定評価を不動産鑑定士から得ることにより、その評価によっては結果的に下がることもあるというものである。一般的に土地の評価というものは、基本的計算法に加えて、利用経歴やその土地の形状によっても評価が下がったりすることがある。もちろん評価を頼むのは無料ではないところもあるため、どこに評価をしてもらうのかをまず、専門家へ相談するのが良いだろう。

 3つ目は、借金を作るという対策。節税をしたいのに借金をするなんてイマイチピンとこない方もいるのではないだろうか。これは実は、バブルの頃などには多く使われた相続税対策なのである。

 例えば、相続税対策に借金をして1億円のアパートを建てた場合、1億円の建物という財産と1億円の借入金が増加するものの、この建物の評価額は建築価額の6割ぐらい、そしてアパートのような賃貸物件の場合にはさらに30%程度の割引が生じる。そのため、この1億円のアパートの評価額は4,200万円となる。

 その一方で、借入をした1億円はそのまま相続財産から引かれる。こうした経緯で、借金をすることで相続税を節税できるのである。しかし当然デメリットもあり、ローンを組んだ場合は長期にわたって返済をし続けなければならず、その反面20年も過ぎる頃には、建物の価値はさらに落ちることになり、賃貸物件としては旬の過ぎた物件となる。20年、30年先を考えた場合、残された家族へ影響が出ることにもなるため注意が必要である。

 4つ目は生命保険を活用する対策。すごくシンプルな対策であるが、生命保険金の受取人を相続人にしておき、大口の生命保険に加入するだけ。基本的に加入した保険は、死亡によって必ず保険金が支払われる終身保険のため、確実に納税資金が用意できるというわけである。事前に相続税をあらかじめ計算しておき、それを補うことができる生命保険に加入さえしておけば、いざという時に相続税が払えないという事態は避けられる。


 そして最後が生前贈与を活用して財産を減らす対策である。これは次項でなぜ有効かということも踏まえ説明しよう。

生前贈与が有効な理由

 もともとの仕組みとしては、贈与税を相続税が補完するような仕組みになっているため、一般的には相続税の方が課税計算上は有利であるといえるはずなのである。しかし、贈与の任意性というポイントに注目して、それを利用し、長期的な目で贈与という行為を計画的に行えば税がかからず、相続税対策としては非常に有効な手段となる。さらには、贈与に関する特例も利用すれば、大きく得をすることができる。

実際、生前贈与でどれくらい得するの?

 贈与税の基礎控除、いわゆる設定されている「贈与をしても税金がかからない範囲」内で贈与を行えば、なんと0円である。そんな贈与税の基礎控除は1年で110万円。この範囲内で行う贈与であれば、贈与税は課税されない。3,110万円を超える財産を1年間で贈与すると55%、基礎控除を差し引いて、200万円以下の贈与なら10%という最高税率、最低税率や毎年同額だと長期の贈与とみなされることなどに注意すれば、何千万円という得も可能である。このように、色々な種類のある相続税対策の中でも、生前贈与はかなりお得になる対策のひとつといえるであろう。


 専門家にアドバイスをもらいながら、賢く生前贈与をすることをおすすめする。

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