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年金の支払いって免除できるの? 国民年金の免除と手続き方法について解説!

粕谷満子

2016/02/08(最終更新日:2016/02/08)


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出典:visualhunt.com
 不景気まっただ中の国内において、急な失業や収入の減少は人ごとではない。しかし、人間は生きているだけで掛かってくるお金が多数ある。ピンチに陥る前に知っておきたい国民年金のしh免除基準を詳しくご紹介していこう。

国民年金の支払いを免除できるケースとは?

 国民年金の支払いを免除できるケースは、国民年金法第90条に書いてある通り4つある。

1.前年度の所得が少なく、保険料を納めることが困難な場合

2.障害者又は寡婦であり、前年度の所得が125万円以下の場合

3.生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けている場合。(法定免除)

4.保険料を納付することが著しく困難である場合として天災その他の厚生労働省令で定める事由があるとき。(特例免除)

 こうやって書いているととても難しいように思うが、簡潔に書くと収入が無い学生や失職・失業をした成人、天災に見舞われて大変な方、または生活保護を受けている人は免除できますよ、ということだ。とはいえ、全ての申請を無条件に通すわけにはいかないので、申請後に日本年金機構による審査が行われる。その基準を記述しておきたい。

 まず一番気になるであろう、所得の目安について。一番気をつけなければいけないことは、免除基準は申請する本人の所得ではなく、世帯の合計所得であるということ。つまり本人の所得は少なくて申請したくとも、親などと同居している場合は条件として満たされないことが多い、ということだ。

 その基準は、単身世帯で全額免除になる金額は年間所得57万円、4分の1納付が93万円、2分の1納付が141万円、4分の3納付が189万円。夫婦のみの2人世帯だと、全額免除になる金額は年間所得57万円、4分の1納付が93万円、2分の1納付が141万円、4分の3納付が189万円。夫婦と子供2人(子供が23歳以下)の4人世帯だと、全額免除になる金額は年間所得162万円、4分の1納付が230万円、2分の1納付が282万円、4分の3納付が335万円となっている。

 あくまでも目安であり、様々な控除などが加味された上で審査され正式な決定をされるので鵜呑みにしないように気をつけてほしい。なかなか算出することは難しい数字であるため、申請する際は市町村や社会保険事務局などに相談した方が良いだろう。

 次に20代の人は所得が一定金額以下の場合、申請により保険料の納付が全額免除される若年者納付猶予制度がある。こちらも所得基準があり、年間所得57万円+(控除対象の配偶者と扶養親族数)×35万円という計算式になっている。

 最後に、収入の無い学生向けの国民年金保険料学生納付特例制度を紹介する。学生納付特例制度は、申請をして承認を受ければ、在学期間中の国民年金保険料は後払いか免除を選択できる制度となっている。後払いをしない場合は、年金額には反映されないため、将来受け取る年金が少なくなるというデメリットがあることは覚えておきたい。

免除を申請する手続きと必要なものについて

 免除申請の際は、自分が住んでいる市区町村役場の国民年金担当窓口で申請が可能。年金と言う言葉から、どうしても日本年金機構に送らなければならないようなイメージがあるが、間違えないように注意をしたい。

 申請用紙は3か所で手にいれることができる。

1.日本年金機構に電話で請求をする。

2.市区町村役場の国民年金担当窓口または日本年金機構の窓口で貰う。

3.日本年金機構のHPで書式をダウンロードする。申請書とは別に「国民年金手帳か基礎年金番号通知書」が必須。

 退職及び失業に関しての申請であれば、退職及び失業したことを確認できる書類が必要。また引っ越しに伴い同じ市区町村から転出した場合は、前年度の確定申告書等の所得額証明書を添付しなければならない場合があることを覚えておきたい。

手続きにあたっての注意点

 免除の手続きを行ったからと言って、翌年も免除を受けられるわけではないということを認識しておこう。つまり免除申請は毎年行うということだ。また免除申請を行い、申請が承認された場合は未来に受け取る年金給付額が下がるということを覚えておきたい。下がることを前提に将来の生活設計を考えて行かなければならないため、将来のライフスタイルを明確にして取り組んでいかないと生活が破綻していく可能性がある。また全額免除等受け後に所得が増えた場合、免除を受けた期間の保険料をさかのぼって納めることも出来る。可能な限り満額に近づけるためにも、さかのぼって納めたいものだ。

 如何だっただろうか。年金の免除と言っても多岐にわたることがわかっていただけたのではないかと想う。自分の老後を考えて賢い選択をしてほしい。


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