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No.1を目指すなら「他人の目より鏡を見よ」〜CyberZ代表取締役・山内隆裕のビジネスコラム〜

U-NOTE編集部

2016/05/12(最終更新日:2016/05/12)


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No.1を目指すなら「他人の目より鏡を見よ」〜CyberZ代表取締役・山内隆裕のビジネスコラム〜 1番目の画像
 20代の若さで初めてサイバーエージェントの取締役になった山内 隆裕(やまうち たかひろ)。スマートフォンのマーケティングに従事する株式会社CyberZの代表取締役も兼務している。若くして経営者として活躍する山内氏とは、どんな男なのか。すぐに役立つ彼のビジネスノウハウについてのコラム連載。

 前回に続いて今回は、「ナンバー1を目指すなら他人の目より鏡を見よ」という言葉に込められた彼の真意を、3つのポイントに絞って紹介する。

1.安直な「MBAをとりたい」「キャリアアップしたいです」は要注意ワード

 最近、若手の社員と話している時、向上心も高くやる気にも満ち溢れているのに、「もったいないなぁ」と思うことがあります。

  以前と比べ、ツイッターやフェイスブックなどのSNSが普及し、世の中にどんな人がいて、どんなことが流行っているのか、情報がとてもわかりやすくなってきています。何か知りたいときは、Googleで検索すればその情報にすぐたどり着くことができます。しかし、本当に困ったときや人生の岐路に立ったとき、Googleが道を教えてくれるか?といったら答えは言うまでもないでしょう。

  「MBAをとります」「キャリアアップのために会社を辞めて資格をとります」などといったことはよく聞きます。MBAやその他資格をとること自体、あくまでもゴールではなく手段なので、誰かが持っているから取りたいというのは安直すぎます。MBAをとれば間違いなく経営を有利に進められると思いますが、それをゴールにしたり、取得することですべてが変わると思っている人を見ると危うさを感じます。それ自体はあくまでも資格で、経営の全てではないことは言うまでもないでしょう。

  にもかかわらず、海外へのキャリア相談や、MBAなどのステイタスにばかり価値を見出している人を見ると、厳しい言い方ですが「他人の目より鏡を見ろ」と言いたくなります。流通している情報に同調したり、他人の真似したりすれば何か安心するのかもしれませんが、中身が大事です。本当に成長したいのであれば世にある情報に惑わされることなく、最後は自分次第であることを念頭に、自ら決断していくことをお勧めします。

2.評論家にならない 

 また、情報に流されて、「転職したい」と考える人もいます。「ほかの組織と比べて、今いる組織に不満があるから」なんていう理由を聞くと、残念な気持ちになってしまいます。

 転職をするなと言っているわけではありません。ただ、今いる環境でやりきっていなかったり、やれることがあるのに、第三者の発信している情報やネガティブな理由で転職をしたらきっと同じことが起こるし、将来後悔するのではないかと思うのです。組織には“いいとき”・“わるいとき”、“いいところ”・“わるいところ”がありますし、外から知れる情報はほんの一部でしかありません。

 何より大事なのは、何をするにも、自分次第ということです。環境を変えたからといって、自分が成長する訳はないのです。 ”諸悪の根源我にあり”という言葉がありますが、ビジネスマンが成長するにあたって、この自責の念は誤魔化しのきかない重要な要素だと思っています。この自責の念を持っていないと、何でも言い訳できてしまいます。自分の人生なのに、他責にしたり、環境のせいにしたり、そういう話を聞くたびに何か寂しい気がするのは私だけでしょうか。

  また、自責の念が無い人ほど、「ここがイケてない」「ここがダメなんだ」と、組織の悪口や愚痴ばかりをこぼすことが多いと思います。愚痴を言って組織が改善されるのであれば別ですが、ネガティブな言動は連鎖し大きな損失を生むだけです。愚痴を言う人は“ただ言いたいだけ”なのでしょう。言いっぱなしにするのは何の責任も負わず楽ですが、成長しません。責任と成長は比例しますから。言いっぱなしの評論家になるのではなく、当事者として建設的な改善を実行することが成長につながるのだと思います。   

3.“型なし”ではなく“型破り”な行動を 

 自責の念がない人、自分に自信がない人ほど、流行を追ったり、人の真似をしたりして安心してしまいがちです。それでは、他人より自分を成長させることなんてできないし、二番煎じではナンバー1になど到底なれません。

 本当に大きなことをするのであれば、何か言うよりも、まず先に行動で示すことが大切。自分で考えてオリジナリティあることに挑戦したり、賛否両論あるようなことを実行したりしなければなりません。そういった“型破り”な行動は、だれもが怖いと感じることだし、勇気のいることだと思います。リスクを負わずしてリターンは得られないことを忘れてはなりません。

 ただ、気をつけてほしいのは、“型破り”と“型なし”は違うということ。一生懸命に築きあげた基礎(型)を自分流に応用するのは“型破り”ですが、基礎(型)がないところからメチャクチャに何かやるのはただの“型なし”です。基礎(型)がなければ、突き破ることさえできません


 キャリアステップに悩んでいる人は、「なかなか自分の軸が見つからない」「わかっているけど、どうしていいか分からない」という人もいるでしょう。そういう人は、難しいことを考え過ぎず、まず目の前の仕事に自責の念をもって取り組んでみるのがいいと思います。一生懸命仕事に取り組めば、壁にぶち当たります。その壁を何とか超えることで人間性が磨かれていき、成長への道が開かれるのだろうと思います。型破りな行動をするためにも、まずは基礎をしっかり磨いていくことが実は何よりも重要です。

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 「ナンバー1を目指すなら他人の目より鏡を見よ」。周りを気にして生きてしまっている若者にとって、この言葉は耳が痛いかもしれない。しかし、実際に成功を勝ちとるための自己変革は、まず自分の非を認めることから始まる。同氏のメッセージを参考に、新たな自分に生まれ変わってみてはいかがだろうか。

◆山内隆裕流 〜ナンバー1を目指すための3つのポイント〜

1.MBAは手段。他人の表面だけを真似るのではなく、自分のゴールに必要なものと向きあおう。

2.どの組織にも、良いこと悪いことはある。愚痴を言うだけの評論家にならず、当事者として改善するものに成長が訪れる。

3.型破りになるためにも、まず型を知ってから。目の前の仕事に一生懸命取り組めば、その先にオリジナリティへの道がある。

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