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「ねんきん定期便」の正しい見方と注意点:わからないと捨てちゃダメ! 

粕谷満子

2016/03/16(最終更新日:2016/03/16)


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 日常生活にあまりなじみのない「ねんきん定期便」。しかし、ねんきん定期便からわかる老後への生活設計は、現代において実は必要不可欠な要素だったりする。そんな、ねんきん定期便の正しい見方やチェックポイントを今回は解説していきたい。

ねんきん定期便を確認するメリット

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by Dal Lu
 ねんきん定期便を確認することで、老後の生活設計が見えてくることが最大のメリットだ。国民年金に未納等がない場合は、満額として年77万円程度の支給が行われる。つまり月に換算すると約6万円、また厚生年金の場合は、月額14万円程度だ。

 「老後はお金を使うこともないし大丈夫だろう」とたかをくくる考えもあるが、退職後の60代から70代前半は50代の頃とそこまで生活費は変わることがないことが統計的に判明をしていることから、かなり慎重に生活設計を考えておかないと危機に陥る可能性も。

 一般的にサラリーマンの退職金が2,000万程度と言われ、老後に掛かるお金を換算すると3,000万円程度あれば問題ないと言われているが、昨今では長寿が普通になっていることと、年齢を経てもアクティブな方がとても多いことから、5,000万円から8,000万円程度は必要と唱える有識者も多い。自分自身がどのようなライフスタイルを選択していくのかにもよるのだか、「備えあれば憂いなし」ということわざがあるように、可能な限り早い段階で自分の現状をねんきん定期便を通してチェックをしておくべきだ。

 また業種によっては定年が早い企業や、やむをえない事情による早期退職など、その後に起こる年金支給までの空白期間を想定することもねんきん定期便を確認するメリットといえるだろう。

 その他には近年騒がれるインターネットを経由した「年金情報の流出によるデータの改ざん」などへの防衛策も重要だ。身に覚えがないにもかかわらず、ねんきん定期便が届かなかったりすれば、住所等が書きかえられている可能性もあるからだ。ちゃんと手元に届いていても、しっかりと記載されている項目と自分の履歴を確認し、照らし合わせ漏れやミスが無いかを確認しておきたい。

ねんきん定期便から分かることは?

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 ねんきん定期便は年に一度、自分の誕生日月に届く。また、日本年金機構が節目と考える35歳、45歳、59歳の方には、年金についてとても詳しい記述を記載したパンフレットや年金加入記録に漏れや誤りがあった場合に提出する年金加入記録回答票を同封した、封筒のねんきん定期便が届く。

 このねんきん定期便を見ることで、50歳未満の方には「これまでの年金加入期間」「これまでの加入実績に応じた年金額」「これまでの保険料納付額」「厚生年金保険または国民年金における最近の月別納付状況」を確認することが出来る。50歳以上の方には「これまでの加入実績に応じた年金額」に変わり「老齢年金の見込額」が表示される。

ねんきん定期便の正しい見方とは? 記載内容をチェック!

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出典:www.nenkin.go.jp
 ねんきん定期便の見方だが、まずは「これまでの年金加入期間」について。これまでの年金加入期間が年金制度において、それぞれ何カ月あるかが記されているはずだ。自分の記憶と帳簿を突き合わせ、ねんきん定期便と合致しているかどうか確認したい。

 次のねんきん定期便の見方は、「これまでの加入実績に応じた年金額」について。50歳未満の場合、「これまでの保険料納付額」と「厚生年金保険または国民年金における最近の月別納付状況」に基づいた年金の支給見込額が表示されている。今までの加入履歴と支給見込額が正しいかをしっかりと確認してほしい。また保険料を納めているにも関わらず「未納」扱いになっていたり、免除申請をしたはずなのに免除されておらず「未納」となっているようなこともありえるため、見方をマスターしておきたいところだ。


 ねんきん定期便の見方とチェックポイントを紹介したが、いかがだっただろうか。なかなか馴染みのないねんきん定期便ではあるが、その見方と抑えるポイントさえ抑えておけば、混乱することなく把握していただけることだと想う。ねんきん定期便が届いたら、上述した見方で是非じっくりチェックしてほしいところだ。

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