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「水族館×書道」で生まれた「タイポリウム」:『すみだ水族館』はなぜ「書道」とコラボしたのか?

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2016/01/18(最終更新日:2016/01/18)


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新年となる2016年1月2日、東京スカイツリータウン・ソラマチ内にあるすみだ水族館で書家の前田鎌利さんによる書道パフォーマンス「念い書き(おもいがき)」が開催された。ここでは、墨田区ゆかりの片岡屏風店が製作した六尺四曲(1,760mm×2,340mm) の金の屏風に、「すみだ水族館」の新年の想いを込めた四字熟語が書かれた。

四字熟語「一座建立」に込めた〝念い〟とは!?

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館長:これなんて書かれたかわかりますか?「一座建立(いちざこんりゅう)」と読みます。 私たちすみだ水族館でいろいろなことをお伝えしたいという〝念い〟を前田鎌利さんが〝書〟にしてくださいました。

前田:あけましておめでとうございます。今回は「一座建立」という字を書かせていただきました。ご存知の方おられるかもしれませんが、この言葉はお茶の言葉の一つにもなっています。 

茶道の方で一期一会という言葉はとても有名なのですが、一座建立という言葉ももう一つ有名な言葉としてございます。

当然おもてなしをする側が心を込めてお見えになられる方に尽くすというのがお茶の精神であるのですが、お見えになられた方と一緒になってその場を温め、一緒に場をつくり上げていく「一座建立」という言葉を今回選びました。

「タイポリウム」の魅力とは!?

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12月28日~2016年1月11日まで、すみだ水族館内各所では前田鎌利さんが、いきものたちの名前を書で水槽に記した「タイポリウム※」が展示されていた。いきものの名前を表す文字と実際のいきものを同時に見てみることで、これまでは気がつかなかった新たな発見を狙ったこの展示の中で、計13の書の中から飼育スタッフから選ばれた3作品に触れてトークが進んだ。

※「タイポリウム」…文字要素と展示水槽を融合した、『すみだ水族館』独自の全く新しい 展示手法の総称。文字や文章をコミュニケーションデザインの ツールとして、文化的、視覚的、文学的、広告的などのさまざまな 切り口から融合させることで、より直感的にいきものにアプローチ する事が可能となる。

飼育スタッフ:こちらの漢字なんて書いてあるかわかりますか?
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飼育スタッフ:こちら「エイ」という漢字です。

前田:こちらの作品、丸っぽい形になるまでにすごく時間がかかりました。300枚くらい書いていく中で、尾びれを意識して書いたものになります。 

どのようなところが良いと思われたのでしょうか?

飼育スタッフ:パッと見て「エイ」とわかるところがいいと思いました。
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飼育スタッフ:こちらはわかりますよね? 

こちら「キンギョ」なのですが、キンギョの中でも30種類以上存在していてそのなかでワキンと呼ばれるものです。シュッとしてスマートだったのが印象的でした。
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飼育スタッフ:最後の一つなのですが、こちらみなさまが知っていると思います。魚の王様、「タイ」です。とても迫力のある印象をもちました。

前田:おめでたい席で多くできていることもあり、「魚の王様」感が出せれるといいなという想いから正方形な漢字で肉太に書いていきました。

飼育スタッフ:以上、館内にある前田さんの作品の中でも主観的に選んだトップ3でした。ぜひ魚と見比べて、館内を楽しんでください。

館長:最後に私のお気に入りの漢字を紹介します。会場に来ました、「オットセイ」です。 


イベントの最後にはオットセイが登場し、館内に賑わせた。
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〝書〟と〝水族館〟はなぜコラボをしたのか

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なぜ「水族館」と「書道」という一見相外れたもの同士がコラボしイベントをしていくに至ったのか広報の方に聞いてみた。

———なぜ今回ようなイベントをしていくに至ったのでしょうか?

広報:すみだ水族館は都市生活者が毎日のように足を運べる水辺の公園のような水族館として、日常的に水やいきものに親しむことのできる場作りを目指しています。 

お客様が身近ないきものたちに興味を持ち、親しい気持ちになることができるよう、すみだ水族館はコミュニケーションデザインを軸とした様々な展示手法や場作りを模索してきました。 

その一つとして昨年より“書”と“いきもの”のコラボレーションが実現しております。 


毎月さまざまなイベントをしているすみだ水族館、まだ魅力に気づいていない方がいればぜひ足を運んでみては。


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